遠く山々の雪も消え、谷川のせせらぎが聞かれる今日この頃。先人が示してくれた,、企業人にとっての4つのライフステージについてご紹介したい。

最初のライフステージは、20代から始まり30代半ばくらいまでを指す。この時期は、「挑戦期」とされており、若い世代がチャレンジブルに活躍する様を示している。若い世代は、この時期に経験を積み、知識を吸収し、人格形成をはかり、やがて第2のライフステージ「充実期」を迎えることになる。

現場の長として活躍しはじめるのもこの時期であり、企業人としての人格形成は、この時期に成熟し、40代後半くらいには第3のステージ「円熟期」を迎えることになる。企業人として完成し、組織を管理・監督、指導していく立場として、組織や事業のイニシアティヴをとることで大きな貢献を果たす時期である。

そしていよいよ50代後半くらいには、最終ステージである「完成期」を迎える。豊富な経験と知識を生かして、「円熟期」を迎えた後輩管理者たちを支える時期であり、俗に言う「第二の人生」への準備も、そろそろ始めなければならない。

小生も、年齢的には「完成期」を迎えており、ここらで人生の中締めをしなければならない。さりとて、「人生とは」なんて大袈裟に考える力なぞ、毛頭持っていない。幸い、最近物事を考える時漢字一文字で考えることが好きになってきた。浮かんだのが「軸」。「軸」というものについて再考したい。

「軸」。それは万物に存在し、重要な役割を担っている。

そもそも「(脊椎)動物」は「脊椎」という「軸」をベースに進化し、ヒトはある意味、その頂点を極めた動物であると言える。

事業や組織が有効に機能するためにも、「方針」や「理念」といった「軸」は欠かせない要素であり、組織を束ね事業を先導する長においては、その存在そのものが、「軸」であるとも言える。そして、「軸」は活動や機能の中核となるため、原則として動かずにしっかりと存在していることが、要求されると考える。

ところが、小生も年齢的には「完成期」を迎えたが、しっかりとした「軸」が、はたして自身には存在しているのか?と問われれば、答えは「NO!」。自身の「軸」は、極めて不安定であると自覚している。小生の「軸」が不安定であるということは、先日のコンペでも打球が右へ左へと意思に反した方向へ飛んでいくことではっきりわかっている。

言い訳になるが、小生の会社人生において、海外も含めた転勤による単身生活は、延べ15年にも達しており、生活の「軸」となる「居」が不安定であったことも、自身の「軸」の無さにつながっているのではと感じている。

ともあれ、企業人としてのライフステージを完結するにあたって、自身の「軸」と呼べる何かを探求している最中で、極端に言えば渇望していると表現してもいいくらいである。

「不迷」の年の時、何をしていたのか、今頃、考えても遅すぎたか。しかし、しっかりとした「軸」を決めようとすればするほど、男はややもすれば極端なデジタル思考をしがちで、歪んだ考え方に陥る危険性(※)がある。

※ 企業人として、家庭人として、不動な「軸」の確立を求め「1かゼロかの割り切った結論」を本当に急いで出さなければならないのだろうか。

※ 世に様々な事例がある。仕事、人間関係のギクシャク、アナログ思考との融合を図りたい。又、 多くの男性(語弊があるかも)、(とりわけ小生)は女性を蔑視する傾向が多いのも、極端な思考の一例であると思われる。自戒の念にかられている。

小生にとって「軸」の確立は永遠の課題であり、この文章にも「軸」が無いことにお気づきの貴兄は、これがまさしく小生の悩みであることに慈悲を乞いたい。


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富さん の第二弾
***  男 の 軸  ***
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2003.4.13