しっぽの死から一週間・・・何故こんなにはやく書こうと思ったのか自分でもよくわからない
あまりに突然すぎてまだ信じたくないと言う自分がいる。我が家へ猫達を迎え入れた日からいつかこの日が来ることを覚悟は
していたつもりだった。でも、それはまだまだ先のことで老猫になり自分の力で歩けなくなるくらいまで生きてゆっくりおやすみ
と、みおくってあげたかった。漠然とそう思っていた。それがこんなかたちで、突然の別れをしなければならないなんて・・・
受け入れられるはずがない!悲しいとか寂しいとかそんな感情を感じる以前の問題だった。
だからなのかもしれない・・・こうやって書くことで少しずつしっぽの死を受け入れられるかもしれないと・・・受け入れなければ
いけないんだと思う
しぃーちゃん(しっぽ)との突然の別れ
2001年4月13日(金)
いつもとかわらぬ朝をむかえいつもとかわらぬ仕事をしそしていつもとかわらず帰宅する。
いつもとかわらず猫達が玄関までお出迎え・・・・・カバンを部屋のすみに置きそのまま台所へ向かう

台所の入り口ではしっぽが仔猫のような鳴き声ではやく缶詰ちょうだ〜いと鳴いている。
時計は夜7時を少しまわっていた。缶詰大好っ子のしっぽはちょっと目を離すとチビ達が食べ残した分までペロリとたいらげて
しまうといっても小さい缶詰を3等分し、さらにチビ達の食べ残しだから量的にはたいした量ではない。いつもは、缶詰を食べた
後、しばらくウロウロして次にまたカリカリを少し食べていたのだがこの日に限っては缶詰の後にすぐカリカリを食べていた。
「しぃーちゃん、そんなに一気に食べるとゲボしちゃうよ」案の定それから数分もしないうちにゲボッゲボッと聞こえてきた。
器の前で前屈みになり今しがた胃袋におさめたものを床の上にきれいにもどしてくれてあった。「ほらね、言ったでしょ」などと
言いながら片手に古新聞もう片手にキッチンペーパーを持ち後かたづけをする。我が家で吐くのはしっぽだけと言っていいほど
ちゃーしゅーは吐かない。それだけしっぽは、日頃から吐くことにが多くいつのまにか私もそれに慣れていた。

夜8時をまわった頃になってやはりお腹が空いたのでしょう。。。「しっぽ」がカリカリを食べていた。
今度は吐くこともなく食後の身だしなみを整えて(顔洗い)暇をもてあましウニャウニャ言っているちゃーのもとへ・・・小運動会の
始まり・・・少しずつ騒がしくなり大運動会となった。最後はプロレス・・・いつもとかわらぬ時間が過ぎていた。

やがて疲れたのかしっぽ&ちゃーが静かになると今度はどこかに隠れていたしゅーが「やっと僕が遊ぶ番」と言わんばかりに
あらわれる・・・というわけでしゅーの遊び相手は当然、私が担当になるわけでその頃ちゃーは布団の上でねんね前の毛づくろい
しっぽは押入の中で熟睡体勢になる。まったくいつもとかわらず平和なひととき・・・・・やがてしゅーも遊び疲れお休みタイムになる
そして、これからが私のフリータイム

随分暖かくなったとはいえまだ夜は寒い
寝る前にお風呂へ入るのは私の習慣のようになっている。この日もいつものとおり寝る前のお風呂に入る
ちゃー・しゅーがウニャンといいながらフタの上にあがり眠りだした。ちゃー・しゅーの全身を好きなだけ触ることができる幸せな時間
このフタの上にいるときだけは爪切りも耳掃除もほとんどのことは嫌がらずにさせてくれる。

チビ達の寝顔をぼっーと見つめていると突然押入の方から「ケッケッ」という今まで聞いたことのないような咳をするような声が
聞こえた。寝ていたちゃー・しゅーが耳をピンとたて押入の下に向かい突っ走る。ただ事ではないと思った。
お風呂から出て(このとき何故か時計を見たら11時43分だった)押入をみるとしっぽは、口元から泡をふきその泡から粘着性の高い
透明なものが垂れていた。目はどこを見ているのかわからないような感じで真っ黒のまん丸の瞳が宙をさまよっていた。しぃーちゃん
どうしたの!ティッシュで口の泡を拭おうと触れたとたん「どさっ」と音をたてて倒れ手足を何度もグニュッーとくねらせるようにしている。
慌てて旦那君を起こし口を開けようとするがなかなか開かない

とにかく獣医さんへ電話・・・幸いにも一番近くの獣医さんが電話にでてくれて状態を聞かれ手短に状況を伝えるとすぐ連れてきて
と言われた。その間も旦那君は、今にも止まりそうな呼吸をしているしっぽを励まし続け何とか口を開けさせようとしてくれた。
電話を切りしっぽをバスタオルでくるみそっと抱え廊下へ出た瞬間・・・私は腕の中になま暖かいものを感じた。
あっーーーー!おしっこが・・・・・そして手足をクッーーと伸ばしきったかと思うと次の瞬間にはグッタリしてしまった。
しっぽが・・・・しっぽが・・・・言葉にならないものが全身を駆けめぐり頭の中が真っ白に・・・

それでも旦那君に運転してもらい獣医さんへ向かった。深夜ということもありたぶん5分以内で獣医さんについたと思う。
獣医さんへ着くまでの車中、旦那君も私もしぃーちゃん戻っておいでいっちゃだめだよ!もどっておいでとずっと叫びつづけていた

獣医さんへ着くと診察室の灯りは既につけられ待っていてくれた。はやく診察台へ・・・という先生の奥さんの声に押され診察台の
上にしっぽを置いた。がしかし、しっぽの呼吸はすでに停止しそこには眠っているときそのままのしっぽの姿があった。。。

聴診器をあて処置をほどこしてくれている先生の姿が涙で見えなかった。数分後・・・先生は、どうしようも無いことを私に告げた
ここへ着く前に覚悟はしていた。でも、信じられなかった。信じたく無かった。何故・何故・何故・・・あまりのショックの大きさに今、ここで
起きていることが現実なのか夢なのか判断ができない。先生と何か話していたはずだけど何を話したのかまったく記憶にない。ただ
先生も奥さんも声を上げて泣く私を一生懸命励ましてくれていたんだと思う・・・先生が最後に「こんなに安らかな最後の顔を私は初めて
見たよ」と言われたのをボッーとした頭の中で聞いたような気もする。。。

気がつくとしっぽは私の腕の中に・・・ここへ来たときのままの状態で眠っていた。
旦那君の「帰ろう」と言う言葉にうなずくのが精一杯だった。
                                                           別れの後へつづく