フリマの「プロ、セミプロ、アマチュア」とは・・・?

 フリマ出店申込みの[条件]に、「プロお断り」、「プロ・セミプロの出店は不可」、「業として販売される方は不可」なんて書かれているものがたくさんありますよね。 「アマチュアのみ・・・」 という記載もよくあります。 プロの出店料をわり高にしている開催もあります。
プロの人ってかわいそう、なぜこんなに区別されるのでしょうか?
すっかり全国的に広がっているフリマの「プロ・アマ・セミプロ」という出店者を区別する言葉。 いったい誰が言い出した言葉なんでしょうか? なんでプロの人が出店出来なかったり、高い料金をふんだくられるのでしょうか? よく説明のつかないこの謎、この疑問・・・。
そんなフリマの「プロ・アマ・セミプロ」の謎を考察してみました。


一般に言う「プロ・アマ・セミプロ」という言葉の意味は・・・?

 プロとは,「プロフェッショナル」の略、すなわち「専門家」という意味ですね。「専門家」とは、広辞苑によると「ある学問分野や事柄などを専門に研究・担当し、それに精通している人」のことだそうです。また、「プロ意識」を持って職業にあたるということが最も大切なこと(プロフェッショナリズム)で、「自分の職業や,そのための技能、専門的知識に強い自負心や探求心を持ち、社会的責任を自覚すること」だそうです。ですからプロとは、「プロ意識」を持って仕事をこなし、「私はプロです」と自信を持って言え、他からも「さすがプロ」と認められる人のことなのです。
アマは「アマチュア」の略。本来イタリア語でアマーレ(アモーレ)、「愛する」と言う言葉と語源が同じで、「何かを愛する人」、「愛好する人」と言う意味だそうです。ですから、ただ好きで何かをしている、遊び半分でやっている程度のという人のことをいいます。いわゆる一般の人ということ。
セミプロは、「セミプロフェッショナル」の略。その専門分野にはアマチュアなのですが、プロと同等かそれ以上の知識と実力を持っているという人。副業としてやっているだけで他に本業を持ち、そちらのほうが自分の本来の顔であったり、収入的にも多かったりという人のことを言います。

フリーマーケットの「プロ、セミプロ、アマチュア」とは何か?

◆フリマのアマとは
 「フリマのアマ」とは、自分や家族が着なくなったり使わなくなった衣類や雑貨など、自分が読み終えた本、使わない贈答品などの身の周りの不用品を処分する人のことを言います。儲けや採算よりも家の中が片付いたり、リユースの推進が目的。もちろんご近所や友人とのコミュニケーションを大切にして、まず楽しいことを優先するフリマ好きの出店者のことを言います。

◆フリマのプロとは
 「フリマのプロ」にはいろいろなパターンがありますが、総括的には、「生活のためにフリマで販売するのに商品を仕入れて売る人」のことを言います。当然毎週土・日・祝の休日、平日もできる限り出店しないといけませんので、仕入れもしっかりしないと売り物が底をついてしまいます。売っている商品が「仕入れ品」かどうかが、プロとアマの大きな違いです。
プロと言われる人の多くは、生活の糧としてフリマ出店をしている人達。社会的には露天業者という分類になります。当然のこと利益が優先されますので、売れ筋傾向の強い商品が並びます。また、フトンとかタオル、石鹸・靴下・文具などを専門的に扱う店も多く、共通して同一傾向のものを多数販売しているということが多い。その反面、いろいろ多岐に渡る商品の品揃えで勝負しておられる方もおられます。
 古着屋さんなどのお店が、店で売れ残った余剰在庫をフリマで売りさばく「在庫処分」もプロの出店。海外で仕入れてきたものを、フリマ販売するフリマ貿易商もいます。
リサイクル業者さんが店の商品をフリマで販売するのもプロの商行為。骨董屋さんが業者市で買ってきたり、蔵ごと一括買いして、お店で売れないものをフリマで処分するというパターンもあります。もちろんこれらは仕入れた古物を販売するのですから、法律的には古物商免許がないと出来ない販売行為です。


◆フリマのセミプロとは
 フリマのセミプロはちょっと複雑です。ただ単にフリマにハマってあちこちで買物しまくり、それを商品にして毎週のようにフリマ出店しているという方。勤め先の会社や関係筋から不良在庫品やB級品などが安く手に入り、副収入を目的にフリマ出店をする方。同じく家屋解体業、産業廃棄物処理業者、引越業者、古紙回収業等の仕事をしている方が手に入った商品を販売するというパターン。おもちゃやフィギュアなどマニアック品のコレクターや業者が、フリマで不要な蒐集品を処分するというパターン。などなど、おしなべて本業とは別に商品を「仕入れて」販売をする人たちのことです。
 また自作の手づくり品を販売する人たちもプロの作家か、それ以外は皆セミプロです。販売を目的に材料を仕入れ、自ら作り売り歩くのですからメイカーさんで、セミプロ以上の営利意識が強い販売行為です。


なぜプロお断りなのか?

 そんな「フリマのプロ」に対して、「プロ・セミプロの出店不可」にしているフリマがたくさんあります。なぜなのでしょうね。

◆公共性・社会性という「たてまえ」
@市町村や公共団体が開催するフリマ、または公共の場所を使用してのフリマ開催には「プロ禁止」が多い。
これは公共の場での商行為が条例で禁止されていることがほとんどということが大きな理由。アマが年に数回家庭の不要品で出店するのは商行為と看做されることはありませんが、プロ・セミプロが商品を仕入れて販売すると商行為となります。
A環境リサイクルを目的としたフリマでは「プロ禁止」が多い。
 これも家庭の不要品を捨てずにリサイクルしようというゴミ減量とリユースの促進がたてまえのフリマ開催ですから、たとえリサイクル品を扱うプロ、セミプロでも、アマに比べリサイクル度はかなり低いというもの。
 手づくり商品はリサイクルとは無関係なのと、前述のように作り手という名のメーカー、製造所。限りなくプロ・セミプロに近いので、これも禁止されます。

◆思い違いや偏見を持つ人もいる
 屋外で販売をする人にヘンな偏見を持つ人がいます。的屋さんと同じように思っている人もいます。的屋とは、大辞林によると「縁日・盛り場などに店を出し、いかがわしい品物を売る業者。香具師(やし)」とあり、いわゆるお祭りの時などの寺社の境内や参道で屋台を出して食品や玩具などを売る商人のこと。価格に見合う質の商品を売るのでなく、祭りの勢いを利用して、いまいちなものを不当な価格で売りつけたり、アタリの入ってないアテものをさせたり、不正な商売をする商人がいます。そんなイメージをフリマのプロにだぶらせる頭の硬い、偏見に満ちた人たちがまだいることは確かなのです。

 そんな人たちによる「プロお断り」や「料金を高くすればやって来ないだろう」という安易で露骨な主催者もいるようです。料金を高くするのは、プロは良い商品を仕入れて、良い商いをするから、「アマより高く払ってね」というのが元来の理屈のはず。主催者の管理能力のなさをプロの行儀の悪さにすりかえているだけとしか思えません。


◆確かにプロには困った人もいる
 確かにプロの中に困った人がいるのも事実。アマ中心の市民フリマや地域のお祭りのフリマ、ママさんフリマに出店してはひんしゅくものの行動をし、次回から「プロ禁止」になったということが多々あります。
 ニセブラント品を売ったり詐欺まがいの販売をしたという犯罪行為は別にして、主催者が「プロ禁止」にしたという理由はこんな事柄があるようです。

◎雨に濡れたままのもの、砂をかぶったもの、陽にあたって変質したもの、壊れているものなど、
 商品の管理・手入れが悪く、そのまま販売して苦情が殺到した。
◎プロのくせに商品知識がなく、使用法の説明もできないレベルで販売していた。
◎出店しているアマから値切って買ってその場で販売をする。
◎出店しては他の店の商品を搬入時間に買いあさる。
◎子どもの来る会場なのに平気でアダルト商品を販売する。
◎地域の知り合いの名前を借りて代理出店する。
◎出店要項を読まず、ルールを守らない。
◎搬入時間のいそがしい時間に、公平に決めた出店場所に文句をつけ、自分の好きな場所を要求する。
◎搬入時間よりはるかに早い時間に来て近隣や施設に迷惑をかける。
◎客が少ないと文句を言う。
◎注意をしたらすごまれた。
もちろんこれらはプロだけのことではなくアマもすべて同じ。人間個々それぞれの資質の問題なのですが、なぜか「プロみたいな人が・・」という事になり、「プロはトラブルが多い」という話になり、「それじゃプロは禁止にして地域のアマチュアだけで開催しようか・・」ということに話が落ち着いてしまうことに。担当者にすればトラブルのないことが一番、そして文句や苦情をいわれずに楽しく開催したいと考えるのは当然の事。


アマだけのフリマって楽しいか

 「ここのフリマはプロばっかりでおもしろくない!」というお客さんが結構います。プロが多いフリマは「楽しくない」と言い切る人もいます。もちろんその人が何を求めているかで随分違ってきます。例えば子ども服を探しに来たら骨董やジーンズのプロばかりが並んでいるとそんな言葉も出るわけです。しかし、一理あることは無視してはいけないと思います。
◎いつ来ても同じプロが同じもの同じ値段で並べている。
◎値引きもあまりしない。
◎粗悪品を掴まされたことがある。
◎言葉が巧みでだまされそうだ。
◎笑顔がなく、楽しくない
 こんな理由を口にする客が結構多いです。


アマチュアだけのフリマって、本当におもしろいのでしょうか?

 前述のように、特定の家庭のリサイクル品だけを求めて来る人には好都合かもしれませんが、そんな方ばかりではないと思うのです。子どもからご老人まで様々な人が集まってくるのがフリマ。家庭の不要品も、それぞれの年代・趣味・趣向、様々なものがあります。様々なものが様々な人たちの目に触れて、様々なものの流通が始まります。
 やはり良いプロが混じるとフリマの質は上がります。質を上げてくれるプロが少ない、育たないという現状が現在のフリマを退屈にしています。悪い面だけのプロがクローズアップされる所以でもあります。


出て来て、真のフリマプロ

 最初に戻って、プロとはプロフェッショナルで、自他共に認めるプロ意識とプロの仕事をする人のことを言います。フリマのプロは、単にたまたま手に入ったものをフリマという場所で売っているだけというレベルの人が多いようです。
フリマを無店舗販売ビジネスの場としてとらえ、既存の商品流通の場、またはフリマ独自の商品開発もし、信用ある大人のマーケットに育てていくことが大事なことではないでしょうか。
真のフリマのプロの出現が待たれます。

 

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