旅日記 CAMBODIA〜1ay〜 
〜Phmom Penh〜

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 はじめの余談
 アンコールワットがどうしても見たくて旅立ったカンボジア紀行。
 行く前もそして帰ってきた後も、「ええっ、カンボジアっ!?」と色んな人に言われたが……何故だらう…?別に地雷撤去に行くわけじゃあるまいし。(笑)
 さて。
 クメール芸術を沢山見るぞ〜!と勢い込んで乗り込んだのだが、初日は脱線。(笑)せっかく来たカンボジアだから、シェムリアップ以外の都市にも寄ってみようということで、一日目はプノンペンに滞在。
 カンボジアへはタイ経由で入る。昼便で関空を立ち、夜にはバンコクへ。そこで、観光もしないのに入国して一泊とまる。そして、翌朝もう一度飛行機に乗り込んでプノンペンへ――。       地図が見たい方はこちら
 到着後、ガイドさんともう一組の旅行客合流した。もう一組は男性二人組み。結局最後まで彼ら二人と我々のグループのみで観光することに…。

街の様子。バイクが多く、交通秩序はメチャクチャだ。
中央線なんかはなく、信号待ちもいい加減で皆好き勝手走っている感じ。
何度も、「ぶつかる!」とドキドキさせられた。


トゥールスレン博物館



ペラペラの紙にコピーしたような感じのパンフ。一枚の紙を折りたたんでいる。
 ポル・ポト政権下で、多くの人々が拷問、処刑されたトゥールスレン刑務所の跡。今はポル・ポト派の残虐行為を今に伝える博物館となっている。
 ここには約二万人が収容されたが、生還したのはわずか6人だったという……。イメージとしてはナチスの収容所みたいな感じだろうか。
 元高校の校舎を利用したという建物は3階建てで、外から見ると廃屋のような暗い雰囲気が漂っていた。入口には地雷で足を失ったと見られる人達が何人もたむろしていて、「お金をくれ」というジェスチャーをしてくる。ちょっと怖いなと思いながら、内部へ―。

  ガランとした部屋にポツンと置かれた鉄のベットや、手足を繋いだ鎖に実際に使われていた拷問器具。それに、壁の汚れだとばかり思っていたのは血痕だ。ガラスケースの向こうの展示ではなく、展示物が無造作に触れるところにあるので、尚のこと生々しい。殺された罪無き人々の写真も沢山展示されていた。

 さすがに、写真など撮る気にもなれず、男性二人もほとんど無言。我等は神妙に見て回った。 ほんの二十数年前の出来事なのだと思うと、かなり怖い。ガイドさんご自身も当然ながら体験されている時代なので、「私の両親も殺されました」とリアルな体験談してくれたり。
 風魔はTVKのポル・ポト特集を見たりしていたので、興味深い歴史資料だと思ったのだが……戦争とか骸骨とか、苦手な人はあまり行かない方がいいかもしれない。


プサー・トメイ(セントラマーケット)




中央にドーム型の建物があり、その周囲に取り囲むように雑多なテント屋根の店が軒を連ねている巨大市。復興しつつあるカンボジアの息吹を肌で感じることの出来る、活気ある場所だ。
 ゆっくり買い物をしようと思えばどのくらい時間がかかることだろうか。だが、ひやかしに見て歩くだけでも楽しい。
 ベージュの建物に一歩入ると、まるで聖堂のように高いドーム状の天井の下、キラキラと目が痛くなるような金色の洪水を見ることが出来る。広いフロア全体にライトアップされたショーケースが並び、中にはゴールドや宝石、時計が並んでいる。そして、片言で品物を勧めるお姉さんたちの声々。……はっきりいって、物凄くアヤシイ。本物を引き当てるのはとても難しそうだ。
 建物から出ると、簡単なテント張りの店舗がわさわさと所狭しと並んでいる。通り道は細い上にごった返していて写真ものんびり撮っていられない。ぼやぼやしていると、誰かにぶつかってしまう。だが、とても活気があって個人的には外側の方が面白かった。食器や洗剤のような日用品や、アヤシゲな包みの玩具、もちろん食料も大量に積んである。
 食料品を見るのが一番面白かった。我々には見たことも無い野菜、魚の干物、漬物らしきものも見えた。ピンク色のなまもの――。なんだろうと思ったら大概はカエル。そして――「あ、佃煮だ!」と思ったら…佃煮は佃煮かもしれないが、巨大蜘蛛やイナゴだったり。(笑)ガイドさんによると、蜘蛛などはカンボジア人ではなく中華系の人達の為に売っているのだそう。
 店の売り子さんは大人からチビちゃんまで色々。積み上げた商品の横で座り込んでお昼のお弁当を食べていた。ほとんどの人が三段になった銀色の弁当箱を持って来ている。中身は人それぞれ。ご飯だけ持ってきて、その場で鍋からオカズらしきものをついでいる人達も。まるで炊き出しのようだ。

市場内にある食堂。
ちょうどお昼時だったので、沢山の人で賑わっていた。
鍋の中身がとっても気になったが、見てもさっぱり分からない。食べて見たいなーと思ったが、風魔なんかでは、きっとお腹を壊すのだろう……。
 一番左は仏像屋さん。そして、その前で楽器を演奏する人達。
 仏像は、手のひらサイズのものから、きちんと彫り上げた腰丈くらいのものまで、素材や色も様々だ。緑の翡翠のものが高級そうだったが、個人的には木彫りの方が気に入った。カンボジアらしい、くねるような動きをとっているものが多い。楽器は小さくて丸い弦楽器。ニ、三本の弦を細い木の枝のような弓で弾いている。
 右二つは、クローマーとサンポットを売っているお店。クローマーはスカーフ状の布で、こちらでは首やら頭やら色々なところに巻く、欠かせない布だ。両端が解いてあって、襟巻きのよう。サンポットは円筒状の腰巻。売り子のお姉さんが、しきりに「スカート、スカート」といいながら見せてくれた。迂闊にじっとしていると、すぐに腰に巻いてくれる……。どちらも色柄ともに豊富。折柄も派手すぎず、センスがいい。山のように積んである布地は殆ど同じ物がないので、好きなのを選び出すのが大変だ。どれを見てもかわいい。時間がいくらあっても足りないのでパパッと勘で何枚か選び出して買う。英語は殆ど通じないので、なんとなく身振りで会話(笑)。何枚欲しいかを告げると、お姉さんも一緒になって何枚も生地を並べ、一緒に選んでくれる。「こっちのほうが似合うわよ」みたいな顔で、胸の辺りにあててみたり。(笑)そんなやり取りがまた楽しいのだ。一生懸命頼み込むと、かなりまけてくれる。
 後で他の観光地に寄ったが、ここが一番安かった。アンコールワット付近の土産屋では四倍近い値段もあってびっくり。。(それでも、アンコールワットだけに旅行に来ている人達は、せっせと買っていた。当たり前だが…)「もっと沢山買えばよかった〜!」と後で後悔……。


 昼食の後にメコン川を眺めに行く。
 上は車窓から眺めたメコン。橋の上から両端を入れて撮ったもの。
 下は水辺から向こう岸を。寂れたお寺の裏手辺りに車を停め、水際まで歩く。特に観光スポットという感じではなく、川の中に少し張り出した場所があって御座船もどきが浮いる。近所の子供達が水に飛び込んで遊んでいたり。その脇で、ちょっと照れながらも写真を撮った。
 向こう岸が霞むほど遠い。雨季だったので水は茶色い泥水だ。乾期にはこれが真っ青になるらしいと聞き、ちょっと残念に思う。これだけの広い川が青かったらさぞ美しいことだろう……。
 ガイドさんは向こう岸を指差しながらのたまった。
「あの辺り、全部今洪水ね」
こ、洪水!?
「もう何週間も水ひきません」
それって、かなり酷いんじゃあ……と思ったのだが、この国では普通らしい…。雨季=水没は当たり前。シェムリアップに行ってから、きちんと高床式に造られている家屋たちを見て納得。
 



王宮&シルバーパコ゜ダ


 現国王が実際に使用している王宮――。その為、建物はほとんどが閉鎖されている。但し、即位殿を始めとする幾つかは庭から眺めることが出来る。
 カメラを持ち込むのはお金が要るので、一台だけに絞って持ってはいることに。
 建物は微妙にどれも形が違うものの、オレンジの瓦に白い壁で統一されている。屋根の先に、天を向いた尖った飾りがついていたり、中央に細い塔が伸びている。やはり国が近いせいか、タイの建築物と似ているように思う。ただ、タイよりももっと落ちついた「固さ」のようなものを感じた。屋根のオレンジも、華やかではあるが、毒々しさがなく優しい色調だ。生憎曇り空だったが、空が真っ青なら鮮やかに映えることだろう。
 階段の手すりは殆どがナーガ。(インド神話の蛇神)長い手すり部分がナーガの背中で、階段が終わる一番端が顔。七つの首が頭をもたげている。蛇と聞くと怖そうだが、何故かどの顔も、丸い饅頭をひらたくへちゃげさせたような形で、なんだか可愛い。
 即位殿の塔頭には四面の仏頭がついていた。こっちのほうが、なんだか不気味な顔。ドーランを縫ったように真っ白だったからだろうか……。
 シルバーパコ゜ダは王宮に隣接している寺で、現在は宝物が収められている。内部は写真撮影禁止なので、何も撮って来なかった。きれいな白い大理石が印象的だった。
 中央には黄金宝冠仏、その背後に小さなエメラルド仏が座っている。かなり濃い…黒ずんで見えるような緑の仏像だ。タイにもエメラルド仏があったなあ、と思いながら見比べる。
 周囲にはストゥーパや銀器のような様々な宝物、それに無数の小さな仏像が陳列されていた。古く錆びたような小さな像が多かったが、中には精工で美しい姿のものあった。それを見ながら、「やっぱりすぐ近くにある国立博物館にも行きたかったな」と思ったが後の祭。(クメール芸術の数々の至宝が収められているらしい)ツアーだと思ってなんの下調べもしなかった自分を少し反省。

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塔の上の仏頭。
やはり不気味な…

屋根を支えているかのようなガルーダ(インド神話の怪鳥。ヴィシュヌ神の乗り物)の彫刻。

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実際に現王が住んでおられる建物。旗が降りている時は王は不在。今回は揚がっていた。この建物が一番手入れが行き届いていて美しい…と思った。流石は現王のお城。