ゲリラうどん通ごっこ軍団編『恐るべきさぬきうどんB最後の聖麺』
(1996年9月1日初版(株)ホットカプセル)

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 2001年3月7日〜11日の旅行の前に、香川大学の西山さんが送ってくれたのでした。旅行中に読んでいましたが、読み終わったのは旅から帰った3月11日の夜。とりあえず役には立ちませんでしたが、さぬきうどんについてはとても勉強になりました。今回の旅行で食べたさぬきうどんはたいしたことのない味でしたが、やっぱりうまいさぬきうどんはうまいんですよね。この本の中にも出て来ますが、かつて私が初めてさぬきうどんを食べたのは、今から28年ほど前の宇高連絡船の中でした。感激したものです。

 さてこの本の内容は、ホットカプセルという出版社の社長らしき田尾という人が、会社に届く情報を元に、うどん屋の客のプロと自称、或いはこの人が認める社員やお友達と一緒に、香川県内の怪しいうどん屋を直撃したレポート、第1巻と2巻に対して寄せられた読者のおたよりの抜粋などを集め、最後に麺通団(ゲリラうどん通ごっこ軍団の略称)、麺聖、うどん王グループとの激しい討論の末、1996年版のうどん屋ベストテンを発表する、というもの。ベストテンの内訳を見ると、高松市の店では「あたりや」という店しか入っていません。綾上町の山越、仲南町の山内、琴平町の宮武、琴南町の谷川、満濃町の長田、善通寺市の山下、綾南町の田村、坂出市の彦江と蒲生と、お薦めの店は県下全域に散らばっているようです。但し香川の土地勘がキョン太にはないので、どの程度の広がりかはわかりませんが。

 このほか番外編として21世紀に残したい情景の店とか進化する大衆セルフ、珠玉の一般店なども挙げられています。これらベストテンや番外に挙げられた店の具体像は、このシリーズの第1巻から3巻までに出て来るそうで、3巻だけ読んだのでは全貌はわからない。でもこの本、香川県内でしか買えないみたいです。いいですね、香川県の人は。

 それはともかく、この第3巻で取り上げられた店々は、それぞれとってもユニーク。であると同時に、驚くのは値段の安さ。1玉100円とか120円とかで2玉食っても200円だったり。香川県の人がいいというのは、こんな安い値段でほかでは味わえないさぬきうどんが食える、ということです。あな、うらやまし。

 但しこれはあくまでも1996年のものなので、2001年の現在の値段がどうなのか、今ベストテンを作るとしたらどうなるのか、まではわかりません。本来この本の中味は、月刊タウン情報かがわ、という雑誌に連載していたそうですから、現在の情報はそれを見ればわかるのか、どうか?見てないのでわかりません。

 結局今回の旅ではこんなに安くてうまいうどん屋には当たらなかったので、せめてこの本を読んで想像によるうどんの味を味わったのでした。

 ところでちょっと疑問が一つ。この本によれば1994年は未曾有の渇水があって、うどん屋は軒並み店を閉めたそうです。うどんは水がないと作れない。それも大量の。ところが、今回利用した観光バスの運転手によると、香川県というのは日本でも有数の水に恵まれない地域で、だから溜池が沢山あるのだという。そういう水に恵まれない香川県で、何でまた水を大量に使わないと出来ないうどんが有名になったのでしょう?ひょっとしてこれは第1巻2巻に書いてあったのかどうか?わかりませんが、素朴な疑問としてメモしておきます。


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