【中国残留孤児連れ子訴訟〜2】vol.253《日々雑感より》
◆7日、きわめて意義ある判決が福岡高裁でだされた。中国残留孤児の連れ子訴訟で、連れ子らを退去強制させようとした入管に対し、人道に反し裁量権を逸脱しているとの判断を示したのだ。日本はかつて、侵略先中国に開拓団などを送り込み、敗戦と同時に置き去りにした。何とか日本に引き揚げた人々も、体力のない幼子を泣く泣く置き去りにせざるをえなかったという人も多い。そんな残留孤児を大切に育ててくれた中国人に感謝しなければならない。元孤児達は中国人と結婚し子どもをもうける人も多く、相手に連れ子がいる場合もあった。長らく仲良く暮らしてきたその連れ子が元孤児の日本帰国に同行してきた場合、日本人の血を引いていないと退去強制を強要し、家族を引き裂いてきたのが日本の入管行政である。連れ子であっても家族の実態があるなら引き離してはいけないと難民条約に定められているし、子どもの権利条約にも反している。同じような形で全国各地の子ども達が学校から忽然と姿を消していっているのだ。今回勝訴した熊本の井上さんの場合も、学校の教員の機転で入管に問い合わせて「欠席」理由が判明し、粘り強い取り組みで今回の勝訴につながった。また、奈良の在日の子ども達や教員も連帯し支援してきた。先の、マンデート難民認定を受けたクルド人難民であるにもかからわず強制送還した入管といい、難民申請の不備を棚上げにしたうえ難民申請者に対して実態からはずれた悪意のレッテルをはる記事を書いた読売新聞といい悪質さにもほどがあるが、入管行政の非人道ぶりとそれを擁護する一部マスコミをきっちり叩くきっかけにしていきたいものだ。(600、05/3/9)[→3月目次]
※参考:vol.116中国残留孤児連れ子訴訟