地図にはいろいろなかき方がありますが、普通は平面にかきますよね。球面を平面で表現しようとすると、どうしてもどこかにゆがみが生じます。方位・面積・距離、それに磁石の角度のすべてを満たす平面世界地図というのは存在しません。それらのどれをとるかで、各大陸の形が相当歪んでしまうこともあります。完全に正しい世界地図というのは精密な地球儀にするしかないんですね。

　さて、航空路線図などでよく使われているのが正距方位図といわれるもので、「地図の中心から」という条件付きですが、正しい方位と正しい距離で世界地図を描くというかき方です。普段見慣れているメルカトル図法なんかでは、たとえば東京から南米のサンパウロなどに行く時にニューヨーク経由で行くといかにも遠回りに見えるんですが、東京中心の正距方位図で見ると、東京から見てほぼニューヨークの延長上にサンパウロがあることがズバリ分かります。決して遠回りではないんですね。北極点を中心に描いた正距方位図法で描いた世界地図では、一番遠い地点である南極点は周辺の円周すべてということになり、南極大陸が世界をぐるりと取り巻くように描かれます。実は国連のマークに使われている地図は、この北極中心の正距方位図で南極大陸の部分をカットしたものなんですね。【国連ＨＰはこちら】ということで、正解は「南極大陸」でした。