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クイズ【81】
軍費品の価格
LAST UPDATE 2003-07-04

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【81】出題日時 2003年 5月30日(金)15時46分06秒
 軍備品価格は色々な背景がからみ、額面通りにはとれないものですが、先のイラク戦争で大量に使われた精密誘導爆弾は1発287万円と言われます。では同じく大量に使われたトマホークミサイルは1発いくらでしょうか?また1機5億円余りするエイブラムズ戦車の燃費はどれぐらいでしょうか?
▽価格
A 6億円  B 6000万円  C 600万円  D 60万円
▽燃費
1 25000m/1L  2 2500m/1L  3 250m/1L  4 25m/1L

価格正解者・・・・じゃいママ▽・。・▽さん、ケムンパスさん、Kubocchannさん →3ptゲット
燃費正解者・・・・じゃいママ▽・。・▽さん、ケムンパスさん →3ptゲット
(得点表)

解説と解答

 まず、金額があまりに大きいと、あまりピンときませんので、次の2点ぐらいを頭に入れましょう。
1.一般的なサラリーマンの生涯給与は、約2〜3億円である。
2.毎日毎日100万円ずつ使ったとしても、1兆円を使い切るには約3000年かかる。
 特に2番は、数値と単位に気をつけてください。「毎日100万円」と「3000年」ですよ。

 さて、「毎日新聞」2003年4月9日の記事によると、トマホークミサイルはこのところ価格が下がってきているそうで、現在は、湾岸戦争時に比べて半額の約50万ドル、つまり約6000万円だそうです。3月20日に始まったイラク戦争では、その後の10日間だけでも700発ものトマホークミサイルがイラクに撃ち込まれました。1日平均70発、つまり1日42億円。一般的なサラリーマン20人が一生働いて稼ぐ賃金の合計がたった1日で消費されていたわけです。ただし、これはトマホークミサイルという1種類の兵器についてのみの数値ですよ。価格についての正解は「B 6000万円」です。

 今回のイラク戦争報道では、「精密誘導爆弾」という言葉をよく耳にされたと思います。湾岸戦争時でも使われましたが、その時は米軍が使用する爆弾の約1割でした。今回はこれが7割から9割を占めています。でも、言葉にだまされてはいけません。「精密誘導爆弾GBU-31Bの着弾誤差は13mだけれど、半径120m以内は100%死亡・365m以内は100%負傷」(時の話題115より)というんだから、精密なのは着弾誤差のことであって、いくら最新地図で間違いなく照準を合わせていても、周辺住民に被害を与えずに兵器工場1棟だけを破壊するなどということはありえないわけですね。先のイラク戦争で大量に使われたのは、GPSで誘導するJDAM精密誘導爆弾ですが、これは1発287万円です。精密誘導部分に250万円もかかる高価なものですが、これも最初の10日間で8000発以上が使われました。1日平均800発として、1日23億円、なんと1時間約1億円。

 また、敵のレーダーをかいくぐり、精密誘導爆弾を投下するステルスB2A爆撃機は1機2520億円。地下施設に到達してから爆発するということで今回話題になったバンカーバスターが1発1747万円。大型原子力空母になると1艦1兆5000億円。そこに80機の搭載機を含めると2兆5000億円で、人件費も含めて年間の運用費は3兆4000億円になるんだって。これだけでドイツの年間軍事予算に匹敵するから、アメリカの軍事予算がいかに巨額かということですね。ちなみに日本の年間防衛予算は実質約5兆円です。

 さて、ところがです。こんな巨額の金額を示されても、庶民にはさっぱりピンときませんよね。最初に示した2点を頭に入れても、やっぱりピンとこないと思います。

 では、もっと少額のものをみてみましょう。今回のイラク戦争に参加したアメリカ兵のはいていたズボンが1本1万3000円、ヘルメットが1個16000円など、機能重視の大量生産品にもかかわらず、少々高めの金額です。

 こうした数字には、どうも秘密が隠されているようです。

 kurochanも高校時代に、バイト先が新しい仕事を受注し、そこへ配置換えされましたが、よく聞いてみると自衛隊の基地で使われる、とある部品の製造でした。ところがこういう仕事は利ざやが大きいようで、一般に市場価格の100倍というものも珍しくないそうです。ホームセンターなら50円で買えるネジが5000円で自衛隊に納入されているという話もあります。缶ジュースが数本入る程度の戦闘機操縦室用小型冷蔵庫が186万円也とかという報道もされたことがありますが、秘密主義が原則で、生産者も生産地も、もちろん発注内容も隠されているため、詳しいことはなかなか分かりません。軍需関連企業の社史にも、軍需部門については触れられていなかったりですから、何をどれだけ幾らでどこへ発注したかなどは秘匿されているのが実態のようです。この点アメリカは情報開示が進んでいて、「ペンタゴンカタログ」という国防総省発注実態調査年鑑には詳細な明細が掲載されているようです。やはりその表紙にも「この2ドル95セントの本を買えば、24ドルのナットがついてくる!」などと皮肉をこめたフレーズが書かれていたりして、実際にナイロン袋に入れた小さなナットをホッチキス留めで「おまけ」に付けていたりなんかするというから驚きですね。小さなナットが24ドル、つまり約3000円もするなんて、いくら秘密主義のために情報管理と人事管理が必要で、検査の回数も多いからといってあんまりですよね。自衛隊調達実施本部の不正支出事件などはさもありなん、と言えば言い過ぎでしょうか?金の出所が税金で、使い道も不明朗となれば、通常の100倍もの言い値が通るのもうなずけます。

 まだこれだけなら、100歩下がって許すとしても、軍備品を大量に消費して新製品を次々と購入するためには、盛大に演習し、危機と憎悪を煽り、時には実際に戦争を引きおこして、自国・敵国ともに兵士や市民を危険にさらすことになるんですから、やはり軍需産業=「死の商人」の構造を問いたいと思うkurochanなんです。それが武器輸出で第三国どうしの戦争で金儲けともなれば、何をかいわんやです。そもそも、こうした軍事費を、福祉・教育・医療・難民救済などの経費と比較しても、怒り心頭なんですけどね。

 と、長々書いてきましたが、後半の燃費の問題です。1機5億円以上もするエイブラムズ戦車は、他の戦車に比べ2倍の燃料消費だといわれるそうですが、その燃費がリッター約250m。1キロ進むのに4リッターもいるんです。随分前になりますが、あるクイズ番組で、出演していた自衛隊員が「戦車の燃費はリッター200メートル」なんて言ったのをそのまま放送していました。かつての日本の戦車はもっと燃費が悪かったようですね。そしてこの燃費についても、「軍事大国には経費節約の発想が無い証拠だ」と言いたくなるkurochanです。燃費についての正解は「3 250m/1L」です。

※下線部「人件費も含めて年間の運用費は」を加筆訂正(2003/6/7)