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クイズ【176】
日本の化石人骨
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2005-04-20
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【176】出題日 2005年 4月15日(金) |
応募締切 2005/ 4/20(水)午前6時 難易度・・・・★★★★ |
旧石器時代の遺跡捏造事件が波紋を呼んだのは2000年でした。その後、教科書等の記述は修正されましたが、未だに「数十万年前に日本にも人が住んでいた遺跡が見つかっている」などという、今となっては間違った記述がなされている歴史関係の本がまだ流通しているんですから、その影響・混乱は未だに大きいといえますね。
ところが、日本古代史にはまだまだ、従来の説を覆す発見や分析が多々あります。その一つが、氷河時代の化石人骨です。
選択肢にあげた「原始人」はよく知られたものばかりですが、現在も氷河時代の原始人として認められているのは港川人だけです。選択肢にないものでは浜北人(静岡県)も知られていますが、これについても最近は疑問視されはじめているようです。正解は「F」です。
さて、簡単に一口解説をしましょう。尚、人類は、猿人(数百万年前)→原人(数十万年前)→旧人(十数万年前)→新人(数前年前)という段階で、進化してきたとされています。
明石人(兵庫県)ですが、かつては明石原人と呼ばれ、原人段階のものと言われていましたが、現在では氷河期が終わってからのものとされています。
牛川人(愛知県)は、旧人段階のものとされ、その人骨が写真入りで解説されることが多く、女性の上腕骨の一部だとされてきましたが、どうやらナウマン象の腓骨だろうというのが現在の説です。
葛生[くずう]人(栃木県)も、旧人段階のものとされてきましたが、これは今では、室町時代の人骨だとされています。
聖岳[ひじりだけ]人(大分県)は、新人段階のものとされてきましたが、これも今では、江戸時代の人骨だとされています。
三ヶ日[みっかび]人(静岡県)も、新人段階のものとされ、教科書では太字で紹介されてきたものでしたが、今では縄文時代の人骨だとされています。
そして、港川人(沖縄県)も、新人段階のものとされてきましたが、これだけが、氷河時代の人骨と確実に言えるものだというのが、現在の日本史学の定説であるようです。1970年に沖縄本島南部の採石場で完全な骨格4体がみつかったのですが、1994年夏に僕もその採石場へ行ってみました。雨の中、タクシーで行ったのですが、運転手さんに「何をしに行くのですか?」と聞かれてしまいました。確かに、単なる採石場で、傘も持っていなかった僕は、雨に濡れながらとぼとぼと南部戦跡へ向かって歩いていったのでした。懐かしい思い出です。