宗教宗派の信者数統計は、それぞれのカウント方法が違うし、誇大発表もみられるので、なかなか難しいのですが、一応世界の5人に1人はイスラム教徒と言われるぐらい、ムスリム(イスラム教徒)の数は多いんですね。日本のイスラム教徒は比較的少ないのでなかなか意識できませんが、イスラム教は世界的な主要な宗教です。
とはいうものの、イスラム教に関する知識は、余りに少なく、一部の信者の言動が、さらに政治的に利用されて偏見が煽られることが多々あります。特に欧米のキリスト教徒がイスラム教徒をとかく否定的に見ることが多いと言われるのは、長い歴史的な背景も絡んできます。
六信 |
神・・・・唯一神アッラーへの信仰 |
天使・・・・神と人間の中間的存在 |
預言者・・・・ムハンマドは最後の預言者 |
啓典・・・・神が下した140の啓示の書で、「クルアルーン(コーラン)」が最も完全なもの |
来世・・・・最後の審判の後に現世の報いとして天国か地獄へ |
天命・・・・すべてはアッラーの支配が運命づけられている |
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五行 |
信仰告白(シャハーダ)・・・・「アッラーのほかに神はなし。ムハンマドはその使者なり」と信じ絶えず告白 |
礼拝(サラート)・・・・1日5回[夜明け前・正午・午後・日没後・夜]メッカに礼拝 |
喜捨(ザカート)・・・・所得や品に応じた救貧税 |
断食(サウム)・・・・イスラム暦9月(ラマダーン)の1ヶ月間、日の出から日没までの間は一切の飲み食いや喫煙禁止 |
巡礼(ハッジ)・・・・一生一度はメッカのモスク巡礼が望ましい |
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さて、「六信五行」(ろくしんごぎょう)と言われるように、イスラム教では6つの信ずべき項目(六信)と、5つの実践項目(五行)が解かれます。よく知られた断食は「サウム」と呼ばれ、イスラム暦9月(ラマダーン)の1ヶ月間、日の出から日没までの間は一切の飲み食いや喫煙ができません。キリスト勢力がイスラム国家を攻撃する時に、このラマダーンに行うことが多いのは、まさにこうした事情からですね。これは五行の一つです。六信五行を表にまとめてみました。
よく間違われるのですが、「預言」と「予言」は意味が違いますね。「予言」は「あらかじめ言う」ということで、単に将来を予知した言葉です。これに対して「預言」は「言葉をあずかる」ということで、神の言葉を預かる人が預言者です。
中国の易姓革命思想では「天子」と呼ばれ、「天帝」の声が聞こえる人のことで、実際には皇帝のことですが、特に天帝の言葉を聞き漏らさない天子は、まるで耳の穴が口のように大きくあいている立派な人ということから「聖」という漢字ができているんですね。
こうした預言者は「巫女」(みこ)とか「口寄せ」とか「霊媒師」などとも通じるものですが、こうした「シャーマン」が村々に存在するというような文化を「シャーマニズム」と呼び、環太平洋がその文化圏です。
話がそれましたが、イスラム教の6大預言者とされるのが、
アダム・ノア・イブラヒム・モーセ・イエス・ムハンマドです。特にムハンマドは「最後の預言者」ということで、神の最後のメッセージである彼の言葉は「クルアルーン(コーラン)」と呼ばれ、一字一句大切に語り継がれてきたわけです。ということで、正解は「イヴ」と「シオン」です。