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クイズ【138】
陸上競技場
LAST UPDATE 2004-07-19

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【138】出題日時 2004年 7月 9日(金)15時00分
 1周400メートルの通常の陸上競技場で、10000メートルを走ろうと思うのですが、内側のレーン(第1レーンや第2レーン)は他の選手が練習しています。少し大回りになりますが、別のレーンを走ることにします。さて、22周走った時点でほぼ10000メートルになるのは第何レーンでしょうか?

正解者・・・・フーセンの羊さん →4ptゲット
(得点表)

解説と解答


 久々の計算問題です。第9期の最終問題でもあります。

 さて、陸上競技場は
厳密な規格に基づき設計されています。公認競技場の各レーンはラインの内側が1200ミリ幅、ラインは50ミリ幅と定められていますが、第1レーンは内側に縁石があるためやや走り(競歩では歩き、以下略)づらいので、100ミリだけ広くなっています。ちなみに、走行距離の計測は、レーンの内側(のラインの外側)から200ミリのところで計ります。そして第1レーンはやはり縁石があって走りづらいので、レーン幅が広い分を加え300ミリのところで計測します【以上、日本陸上競技連盟競技規則第60条より抜粋】。つまり、走行距離の計測地点は、常にレーン外側(のラインの内側)から内側に1000ミリのところとなりますね(1200-200=1300-300=1000)。「レーン」とは、昔「コース」と呼ばれていたもののことです。

 通常のトラックは、2つの半円を2本の直線で結んだ形をしています。半円の直径は様々ですが、レーン幅は決められているので、どのレーンに対しても、1レーン外側のレーンは約7854ミリ長くなります。これはどういうふうに計算するかというと、まず、1レーン外側になる毎に1250ミリ(1000+50+200)分大回りしなければならず、半径で1250ミリ大きい円周を走ることになりますね。尚、直線距離は変わりません。円周の距離は、直径×円周率で求めることができましたね。そして陸上競技場での計測は、円周率を3.1416で計算することになっていますので、1250×2×3.1416=7854というわけです。円周率をもっと厳密に計算しても、この問題では大差ありません。

 本来10000メートルは400メートルのトラックでは25周しなければならないのですが、22周でほぼ10000メートルになったというのですから、第1レーンなら22周で400×22=8800メートルだけど、同じ22周で1200メートル余分に走り10000メートルになるレーンはどこかということになりますね。
 先の7854ミリ=7.854メートルに22周をかければ、172.788メートルとなりますが、これは1レーン外側を22周走った時の余分の距離です。これはどのレーンに対しても同じ数値となりますから、1200メートル余分に走るためには1200÷172.788=約7レーン分外側を走ればいいわけです。第1レーンから7レーン分外側とは、第8レーンになりますね。正解は「第8レーン」です。

 ちなみに第8レーンを22周走った場合の距離を計算し直すと、(400×22)=8800メートル、(172.788×7)=1209.516メートルとなり、厳密には10009.516メートル走る事になりますから、約10メートル余分ということになりますね。しかし、10000メートルに対する10メートルとは0.1%に過ぎませんから、誤差は相当小さいと言えますね。とはいっても、第1種・第2種の公認競技場では誤差は1万分の1(0.01%)までしか認められませんので、第8レーンで公認記録を計測するわけにはいきません。

 長距離選手のみなさん、陸上競技場で第8レーンを22周すればほぼ10000メートルというのは、使える数字ですよ。当然その半分、第8レーンを11周で5000メートルというのも使えます。短い目より、若干でも長い目だというのがまた気分的にいいですよね。(加筆)