クイズ【128】
血液型
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2004-05-10
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【128】出題日時 2004年 5月 2日(日)21時 7分
血液型占いはとても人気がありますが、確たる科学的説明はなされていませんね。様々な説があるもののまだ仮説の域を出ないようです。さて、馴染みのあるABO式血液型でみた場合、その血液型別人口比率は世界各地で大きく違うことが知られていますが、日本では3割程度のO型が、なんと9割もいるという国が多々ある地域があります。それはどこでしょうか?
A ヨーロッパ B アフリカ C 北米 D 南米 |
正解者・・・・ようちゃん、Kubocchannさん、ケムンパスさん →3ptゲット
(得点表)
解説と解答
20世紀冒頭に、オーストリアのランドシュタイナーによって発見されたABO式血液型ですが、さまざまな血液型分類の中では、最も馴染みのあるものですね。
そして、血液型別性格類型や、それぞれの相性などについてのさまざまな情報は、みなさんもあれこれと仕入れておられると思います。kurochanも、「やっぱり」「なるほど」などと思ってしまうことがあるんですが、科学的根拠はないんですね。それでも星座占いよりは、信用できると思っている人も多かろうと思います。
さて、その血液型別性格類型の多くは経験的な評価に過ぎず、よくよく考えればどの人にだって当てはまるという内容が多かったりすると思うんですが、それを補強し、比較的説得力を持つ説として、風土病への罹患率の違いが血液型分布の地域格差や血液型別性格類型に大きな影響を与えているという説があります。地域独特の病気、つまり風土病にはさまざまありますが、血液型によって罹患率に違いがあることが知られており、それがその地域の血液型別人口比率に影響を与えたり、血液型別性格を形成しているというわけです。それが証拠に、ある地域で神経質とされる血液型が違う地域では、別の血液型であったりするというわなんですね。どの地域においてもO型は比較的病気に強いので、おおらかな性格になりやすいなどとするものですが、これもまだまだ実証的な研究が必要だろうと思われます。
また、人類史的な生活環境も血液型分布に影響を与えているという説が出されています。人類史の初期は抵抗力が重要でO型が生き残り、複雑で入り組んだ地形では慎重さが重要でA型が多くなり、遊牧生活をするには柔軟性や臨機応変さが重要でB型が増えたのではないかという説です。
確かに、A型が多い北米・北欧やヨーロッパ西部は地形が入り組んでいるし、B型が多いアジア(特に中央アジアやインド)は遊牧生活の影響が強そうです。人類の起源ともいわれるアフリカにはO型が多いことが知られています。そして、アフリカ以上にO型優位の地域が中南米です。インカ文明やアステカ王国などにはO型の人しかいなかったとも言われています。ということで、正解は「D」です。
日本は、A→O→B→AB型の順に、約4→3→2→1割の分布ですが、これでも世界的にはバランスのとれた割合なんですね。約1割しかいないAB型ですが、それでもAB型の多さは世界でも3本の指にはいるとか。そして、こうしたバラエティーにとんだ人口分布であることが、血液型別性格占いへの関心を高めていると言われています。おそらく中南米では、「O型はこんな性格」などという性格占いなど、誰も本気で信用しないでしょうね。
そんなわけで、日本ではいわゆる「血液型占い」は根強い信望を得ているわけです。むしろ「占い」というより「当然の性格パターン」であるかのようなとらえ方をしている人も多いのではないでしょうか。でも、大ざっぱに一括りにして性格を決めつけられたりして嫌な思いをした人も多いと思います。嫌な思いどころか、悪質な差別事件も起こっています。某有名化粧品メーカーが就職試験で血液型による差別選考をしていたということが発覚して大問題になったことがありますし、ヨーロッパでは優生学がもてはやされた頃、血液型もまた政治的に利用されたことがあります。
血液型別性格占いや相性占いも、まだまだ今の段階では、あくまで「一口アドバイス」程度に軽く受けとめるべきだと思います。
実は、kurochanが高校3年生の時、陸上競技部の中長距離パートは5人いたのですが、全員「カニ座のB型」でした。よく一緒に本屋に立ち寄ったりもしたんですが、占いの本で見る部分は5人とも同じところ。当然書いてある事も同じです。やがてバカバカしくなって、そんなものを見る気もなくなりました。
そういえば、ユダヤ人は星座占いを信じないと言う話を聞いた事がありますが、それは出エジプトやバビロン捕囚などの共通の受難を受けた人々の間で、運命の違いなどあるものかという意識が影響しているらしいんです。これについては、文献等で検証した事はないんですけど、想像に難くない話ですね。