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クイズ【116】
30人と4リットルのジュース
LAST UPDATE 2004-02-22

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【116】出題日時 2004年 2月12日(木)18時15分28秒
 実際に世界の富がどのように分配されているかを知るためのクイズです。世界には30人しかいなくて、その30人でいつも4リットルのジュースを分けて飲んでいるとします。北米と日本の住人を合わせてもたった2人しかいませんが、4リットルのうち2.3リットルのジュースはいつもこの2人が飲んでしまいます。残る28人のうち6人はアフリカとアジアの非識字者です。さてこの6人は、残る1.7リットルのうちのどれくらいをいつも飲んでいるのでしょうか?
A 0.6リットル B 0.3リットル
C 0.2リットル D 0.1リットル

正解者・・・・ケムンパスさん、じゃいママ▽・。・▽さん →3ptゲット
(得点表)

解説と解答

 公私ともに予想を超えるハプニングで解説執筆が遅くなりましたことをお詫びします。子どもが寝ている間に簡単な解説だけ書かせていただきます。

 さて、これはkurochanの創作問題ではなく、「ワークショップ版 世界がもし100人の村だったら」(開発教育協会、2003)で紹介されているシミュレーションゲームをほんの少しアレンジしたものです。ベストセラー「世界がもし100人の村だったら」を、学校のクラスで参加型学習できるように、30人バージョンに計算し直して作られたもので、役割カードに基づき、国際的な諸問題を学習したりするスグレモノの教材です。役割カードには、性別・地域・言語と挨拶の言葉・年齢層・識字という5つの要素が盛り込まれ、富の不均衡などの問題も、具体的に理解しやすく構成されています。

 さて、世界の富は、分配において大変に不公平な状態にあるわけですが、もっとも富を独占している米国を含む北米と日本に住む6%の人々が、59%もの富を独占しています。またアフリカとアジアの非識字者は世界人口の20%を占めるとのことですが、世界の富の2%しか与えられていません。残る74%の人々が世界の富の39%を手にしています。

 つまり、北米と日本の住民は、世界平均の約10倍の富を与えられているのに対し、アフリカ・アジアの非識字者は世界平均の10分の1しか与えられていないわけです。その較差は実に100倍です。また、全世界の残る4分の3の人々も世界平均の半分あまりの富が与えられているだけです。いかに世界の富の分配が不均衡であるかが分かりますね。

 それを、ジュースの分配で実感してみようというわけです。世界人口を30人として計算するので、誤差も大きくなりますが、この問題で言えば、たった2人のグループが2.3リットルのジュースを飲む一方で、たった100ccのジュースを6人で分けて飲むグループもあるわけです。実際にやってみると怒りが湧いてきますよね。正解は「D」です。