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【21】難易度★★★ 出題日時:2002年
3月12日(火)00時31分41秒、応募締切2002/3/19 6:00 日曜日を休日とする習慣はキリスト教に由来しますが、日本で正式に日曜休日制が制定・採用されたのは、いつからでしょうか? A 1868年3月12日 B 1876年3月12日 C 1884年3月12日 D 1892年3月12日 |
学校週五日制への移行で、保護者に不安ばかりを与えている昨今の教育行政ですが、ここでは、週休二日の前の段階、つまり「土曜は午後休み、日曜は休日」という制度について、ちょっとお勉強です。
そもそも七曜制の起源には諸説あります。人間の記憶対象は8つ以上になると急にダウンするからだとか、五惑星(火星・水星・木星・金星・土星)に太陽と月をあわせた七星を基準にした暦に由来するとかですが、歴史的には古代メソポタミアの古バビロニア王国で、今から3900年ほど前、七日目ごとに安息日とされたことに始まるようです。「ノアの箱船」をはじめ、「旧約聖書」の「創世記」に出てくる話は、古バビロニア王国の「ギルガメシュ叙事詩」や、さらにさかのぼってシュメール神話に、その原型が認められるものが多いようですが、七日ごとの「安息日」も、そうしたもののひとつのようです。
「安息日」とは、神が六日間で天地を創造し七日目に休憩したという、「創世記」の冒頭にもでてくる神話をもとに、人間は神と同じく六日間働き、七日目には神を祝する儀式をすべきだとされた、その七日目のことです。ユダヤ教では、「安息日」の労働を禁止したため、儀式の供物は前日に準備する必要が生じ、前日の午後は通常の労働をせずに、供物の煮炊き等をすることとされたのです。ユダヤ教を母胎にしたキリスト教でも、そうした習慣は受け継がれました。最初は迫害を受けたキリスト教もやがて認知されるようになると、ユダヤ教との違いを明らかにするため(といわれていますが)、安息日を一日ずらしました。ユダヤ教の安息日は土曜日、キリスト教の安息日は日曜日となったわけです。金曜日の午後に煙突から煙が出ている家はユダヤ教徒の家、土曜日の午後に煙突から煙が出ている家はキリスト教徒の家と、見分けがつくようになったのです。
そうした七曜制は、空海によって平安初期には日本に伝えられていたようですが、実際に七曜制に基づく休日システムを採用しはじめるところが出始めたのは江戸末期になってからです。といっても、一般的には「休日は盆と正月だけ」でしたけどネ。さて、明治になった1868年の「休日の制」では、「一六制」が採用されます。「一」と「六」のつく日が官公庁の休みとされたのです。しかし、政治経済から文化風習にいたるまで、欧米に合わせることに腐心していた当時、やはり七曜制を採用すべし、と考えられたに違いありません。1876年3月12日には、「土日休日制」が制定され、4月から採用されるのです。土曜日は半休・日曜日は休日というシステムを日本も採用したわけです。
というわけで、正解は「B 1876年3月12日」です。ちなみに、当時横浜に駐留していた欧米人が休日のことを「ドンタク」(オランダ語で休日の意味)と呼んでいたことから、土曜日の半休を「ハンドン」と呼ぶようになった話は有名ですね。
ただし、8時間労働という考え方が日本に取り入れられるのは、1947年制定の「労働基準法」まで待たねばなりません。1911年になって、すったもんだでやっと成立した工場法という労働者保護立法がありますが、16歳未満と女性の労働時間は1日12時間以下とされましたが、財界の不満により、それすらも施行は5年後・完全実施は15年後とされ、しかも15人未満の零細工場は規制外であり、成年男子の労働時間にいたっては何ら制限がないなど、数々の例外条項を含み、実質的には全くのザル法だったのです。
今はどうでしょうか?ワークシェアリングで雇用創出だと叫ばれたりしていますが、その前に「有給休暇」の完全保障とサービス残業の撤廃で、相当な労働条件の改善が図れると思うんですがね、労組や財界の皆さんに財務大臣さん!