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【14】難易度★★ 出題日時:2002年
1月19日(土)21時25分、応募締切2002/1/28 6:00 かの有名なナポレオンは、好かれもするし嫌われもしました。当時ドイツ観念論哲学の完成者とされるヘーゲルは、矛盾を抱えていようがナポレオンのような人物が世界を進歩させるんだと大いに称えたといいます。一方、ある有名な作曲家は、ナポレオンに捧げるために交響曲を作りますが、ナポレオンが皇帝に即位したことを知ると、期待が裏切られたと激怒し、せっかく書いた献辞を破り捨てたといいます。では、この有名な作曲家とは誰でしょうか。 あ モーツァルト い シューベルト う ベートーベン え ショパン |
夕食後、世界史の卒業考査を作成しながら、このコーナーにも使えると、転用させていただきました。
1779年、フランス=ブルボン朝が招集した三部会の紛糾から、第三身分によるテニスコートの誓いを経て、バスティーユ牢獄襲撃に始まったフランス革命は、一気に盛り上がりをみせ、フランス人権宣言起草やヴェルサイユ行進など、有名な出来事が立て続けに起こり、遂にルイ16世やマリー=アントワネットのギロチン処刑にいたるのである。しかし、ロベスピエールに代表されるジャコバン派の恐怖政治や、長引く革命戦争に疲れた市民は、権利の制限の逆流や社会の不安定に対面するにおよんで、若くして活躍を始めたナポレオンをカリスマ的軍人として、熱烈な期待を寄せて歓迎したのである。
社会の混乱により曖昧になっていた個人財産の権利関係等を確定させた民法典であるナポレオン法典の制定で、頂点にいたった支持を背景に国民投票で皇帝に就任したナポレオンだったが、やがて市民を抑圧し、身内を出世させ、革命戦争で100万人にも及ぶ多大なフランス軍人戦死者を出すに至って、その支持は大きく損なわれたのである。
長い目で見れば、彼のような存在が歴史を進歩させるという哲学者ヘーゲルの弁証法的解釈もあったが、作曲家ベートーベンは、ナポレオンの皇帝就任に激怒したのである。フランス革命の精神である「自由と平等」を実現する解放者として、彼を称える交響曲第3番「英雄」を作曲したのだが、皇帝就任の知らせを聞いて、「結局、権力の座に着きたかったのか!」と激怒し、献呈辞を破りすてて、単に「1人の偉大な人物の記念に」と修正したと伝えられているのである。
ということで、今日の授業はおしまい。 おっと!正解はCのベートーベンです。