ケータイと人権学習
2005-08-26 up

《差別状況》
◆ネット「地名総鑑」のコピペが結婚差別・人工妊娠中絶を招いた実例
◆差別・偏見・猥褻オンパレードの電子掲示板や悪質Webサイト
   ・・・・投稿・発信している子ども、それ以上の子どもたちの閲覧
   ・・・・信用させる数々のワナ
      →「だまされたら、だまし返せ」の隠れたカリキュラム
◆Webコピーが多い生徒のレポート、「人権作文」のネットサンプルも、デジタル万引き
  ・・・・著作権への抵触→Web発信の留意点

《子どもたちの状況》
◆「機能分化型コミュニケーション」(今一生)・・・・友達の使い分け、遊ぶのに便利
   ・・・・「愛されたいけど愛せない」「これだけ努力しているのに分かってくれない」
◆「親密圏」(土井隆義)
    
・・・・親しい者への過剰な気遣い(恐怖の裏返し)と、第三者への無関心(無視ではない)
   ※ひったくり事件を起こした少年・・・・ケガをした仲間への気遣いと被害者への無関心
   ※教員もまた「意味ある他者」ではない
◆「命を大切に」という呼びかけの無意味さ

《ヴァーチャルと「1.5」関係》
◆ヴァーチャルリアル(仮想現実)とリアル(現実)の使い分けの時代
・幻想の肥大と現実感の逆転(バーチャルこそ本当の自分?)
・幻想からの出口が危険・・・・主観的思いこみが現実世界に持ち込まれた犯罪の数々
◆「1.5」の関係を操作する・・・・「2.0」の向き合う関係はダサい?
 ※「1.5」・・・・スイッチオフできる擬人的関係・「孤独感のない孤独」(小此木啓吾)
   ・・・・安定性と恒常性、自律感覚と全能感、人間的配慮が不要
   ・・・・錯覚(妄想ではない)→全能感と破壊性
・・・・ドクターキリコの自殺
   ・・・・人間関係の希薄化・部分的で一時的な関係、「ホテル家族」、情緒交流が苦手
     →直接会話や通話よりメール、表面的な優しさ、他者への無関心
      教員・政治家・異性との関係・・・・楽しさだけのつきあい
        ※テレビ感覚の授業態度、異性のキープ
         「2.0」を求めて対象喪失、「1.5」の錯覚の悲劇
      雇用関係・職場の人間関係・・・・効率的に役立てるだけのつきあい
        ※終身雇用の崩壊、フリーターの増加
◆「反差別の仲間づくりという、じっくりと向き合う姿勢を忌避する態度を増幅させる効果」?

《ネット社会の人権教育課題》
◆子どもたちの心と体を守り、加害者にもさせないためには?
   ・・・・ネット上の人権トラブルの教材化、ケータイリテラシー教材
      ネットトラブル・ケータイトラブルについての話題を
◆ネット時代の人間教育
・ネットに使われるな、使い主になれ
  ヴァーチャルと現実を自由に行き来できる能力(小此木啓吾)
  リレーションテクノロジー(コンピュータを使った人間関係作り)
・実体験の重視
  過程(一次体験)の喪失・・・・準備や努力の経験欠如、情報(カタログ)優先、ソフト順応型人格
     ※花火と写メール・・・・花火ではなく、写メールのできばえばかりを気にする若者たち
・操作人間(1.5)から、対人関係(2.0)・社会性(3.0)の獲得へ
◆「ネット上の人権文化創造」に向けて


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