2−1  主人公の両親は死んでいる。

 

「父さん、母さん、唯ーーっ!」
 俺は急いで階段を駆け下りた。そして広がる血の臭い。そこには一番見たくないものがあった。
「父さん! 母さん!」
 体を大きな刃物のようなもので切り裂かれ、血まみれの床に倒れている。おそるおそる触れると、すでに冷たくなっていた。
「そんな……」
 愕然となる俺だが、そのときふと気づいた。唯は……?
 慌てて探したが、彼女の姿はどこにもなかった。
「唯……どこに行ったんだ」
 ふとテーブルの上に、メモがあるのに気付く。それにはこう書かれていた。
『今日はお友達の家に泊まりにいきます。唯』
 ゆ、唯……お友達って、まさか男じゃないだろうな……。
 ま、まあ、今回はそのおかげで助かったかもしれないし。この町の外であれば、生きている可能性はある。……悔しいけど……。
 しかし、あいつらは許せん。よくも父さんと母さんを……!
 俺は階段を上り、ロリーとショータを見据えた。

3−1.仇を討つ。
3−2.やっぱり逃げる。