1−1 それより昨日のことを訊く。
ぬぬぬっ……! デートに行くか、二人とスルか……あ、いや。といっても俺、男は興味ないぞ。……しかし、いくら美形とはいえ、昨日は男ともしたのだろうか……。ま、覚えてないし、忘れよう……。
「よし、決めたぞ」
二人と……もとい、美少女とはまた今度スルとして、今はデートを優先しよう。苦労して約束したわけだし。
「俺、これからでかけるから、悪いけど君たちはまた今度遊びに来てくれ」
布団から出て、俺は素早く着替える。
「……あの、いったいどちらへお出かけなさるんですか?」
と首を傾げる美少年。
「デートだよ、で・え・と」
「誰とです……?」
「由里ちゃんとっていう、とっても可愛い女の子とさ。ふっふっふっ。
それより君たち、どこから入ってきたんだ? よく家族に見付からなかったな」
ちなみに、父、母、妹という構成である。
「……?」
二人は顔を見合わせた。
「昨日のこと、覚えていないんですか、魔王様?」
「うーん、まったく……って、おい」
俺は振り返った。
「何だよ、魔王様って?」
「…………」
「あ、わかったわ」ポンと手を打つ美少女。
「それって新しい遊びね? そうでしょ?」
……さっぱりわからん。早くデートに行かないといけないが、こいつらを置いていくわけにもいかんし……。
「あのさ、君たち名前は何ていうの?」
「えっ、ひどい! あたしたちの名前を忘れるなんて、いくら遊びでもあんまりです!」
「いや、ロリーちゃん。どうも魔王様は遊びじゃないみたいだ」
「ショータくん……」
ロリーにショータ……何てあからさまな名前だ。
「とりあえず、魔王様。これを見て頂けますか?」
ショータが雨戸と窓を開けた。
「えっ……?」
そこから見える景色は、いつもと違っていた。ここから見える建物や道路全て……瓦礫になっていた。
「魔王様がやったんですよ」
「魔王様……って、お、俺が!?」
そんなバカな! 俺にこんなことができるか! それに、俺は魔王じゃない!
「あっ……」
俺ははっとなった。この状況で、人々は無事なのか? 父さん、母さん、妹の唯は?
1.主人公の家族は死んでいる。
2.主人公の家族は生きている。
3,ロリーとショータという名前はイヤだ。
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