この建物は、東大阪市東部、生駒山の麓、額田地区に建っている。この額田地区には
現在も古くからある5つの自治会から構成される連合自治会があり、由緒ある
枚岡神社の秋郷祭 の折には、大中小
3基の太鼓台(山車) が参加する自治会組織である。今回、ほぼ100年振りに
大太鼓台を新調するにあたり、その太鼓台収蔵庫もさらに大きく建て替える
こととなった。
この収蔵庫は鉄骨造2階建で、四周の外壁は黒く塗られた米松の長尺材で構成し、
最上部は緩やかな勾配の大屋根が浮かんでいるように見せるために、四方を巡る
ハイサイドライトを設け、全体的にシンプルなデザインでまとめ上げている。
1階は全高4.6mある大太鼓台2基と中小太鼓台2基の計4基がそのままの形で納まり、
2階には、全長約6mある工芸品としての価値も高い化粧幕や数多くの太鼓台の備品類が
ホイストクレーンで持ち上げられ、調湿された室に収納される構成となっている。
太鼓台(山車)のイメージをデザインに入れたこの収蔵庫は、古くから連綿と続く
祭のシンボル建物として、まちの人々に末永く愛され、使い続けられることを
想い描きながら設計したものである。
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