一階が喫茶、二階がギャラリーの洒落た店。入口の暖簾が目を引く。 店内からは手入れの行き届いた庭園が眺められ、落ち着いた雰囲気が疲れを癒してくれる。 この町並みを訪れる人々に憩いの場を提供しようと自宅を改造してこの店を始めたという店主の意気込みを感じさせる佇まいである。
箕作阮甫は幕末に活躍した洋学者。1799年(寛政11年)にこの地に産まれて幼少時代の13年間をこの 旧宅で過ごした。後に京に出て医術を究め一旦は津山に帰り開業したが再び江戸に出て蘭学を習得して「蕃書和解御用」を拝命し、ペリー(米国特使)やプチヤーチン (ロシヤ特使)の来航に際して外交書簡の翻訳に携わった。
中庭から見た居宅。現在の旧宅は昭和51年に修復されたもので、国の特別指定史跡に指定されている。