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コミケット63 レポート

02/12/30(月) 快晴

東京ビッグサイトにて開催

03/1/2



 年の瀬の恒例行事、冬のコミケット。

 雲一つ見えない蒼空の下、有明は12月末と思えないほど暖かく、会場内では汗をかくほどでした。

 それでもさすがに両肩両脚むきだしの格好は寒いのか、冬服ばかりの通行者の中で、バニガのコスプレしたお嬢さんが一人、縮こまって歩く姿がやたら目立って見えました(^_^


 目立つといえば、角地に陣取っておられた某サークル様の超特大PRポスター。比較的地味な少年向創作サークルの中で、いっとう目を引きました。

 ”島”の出入り口をほとんど塞いじゃったポスターの大きさは、A0サイズかB0サイズか...と言うよりタタミ一畳分のほうがわかりやすいでしょうか。

 神有屋はその作家様を存知ませんでしたが、”新刊10冊下さい”と言うような強者(つわもの)のお客さんが来られてましたし、きっと商業関係で活躍されている方なのでしょう。

 お祭りは賑やかなほうが楽しいですから、こういう派手な演出もあるほうが、参加者として嬉しいと思いました。

 自分もそうでしたけど、少年向け創作ジャンルっておとなしい店作りが多いですから...



 さて、前置きはこれくらいにして本題に入りましょう。

 ” ”内が誌名、( )内がサークル名と同人作家様のお名前です。



 まずは神有屋的ベスト3から・・・・・といつもなら始まる所ですが、今回はなし

 ”戦果”を見ると、御新規様が意外に少なかったので。

 どうも購入候補を絞りすぎたようです(^^;




さて、今回の注目作品に行きましょう。誌名の五十音順です。


ELEMENT LINE 4 -暗黒-”牙画狼、たきざきまみや様)

 たきざきまみや様のオリジナル・ファンタジー、8巻中の第4巻です。

 確かな演出と描写で、着々と積み重ねられる伏線の数々。個人的に”端役じゃないとは思ってたけど、そう来たかぁ!”とびっくりしたキャラの出番もあり、これから転回点に入る物語が、いやがおうにも盛り上がってきました。

 多くの資料を駆使して描かれた衣装、意匠(模様)、背景も素晴らしく、インドキャラコ(キャリコ)のような薄布が透けて下の模様まで見え.....ってコレ凝りすぎじゃありません!? (^o^;A

 ただ、印刷側の問題か、せっかくの緻密な描線がかすれている箇所がありました。

 次巻は今年五月予定との事。続きがとっっっっても待ち遠しいです。


”オラオラ! ハリー・ポッター”(NICE LANDING、水 清十朗様)

 ”タニア・モンド”第二巻が延期になってしまい残念でしたが、コピー誌で出されていたハリポタ・ジョジョ本という富貴火腿のような組み合わせが予想外に楽しめました。
 冒頭の”ラブコメだぁあー!”から”ぎゃるげっちゅ♪”まで、しっかり笑わせてもらいました。個人的には”ばっくぶりーかー!”が大当たり。

 しかしこんなピッタリのコマ、よく見つけますね...(^_^;

※富貴火腿 > 中国ハムの蜂蜜蒸し煮    


あきうせい様(IR研究所”けもの文庫 こはき物怪(こわき もののけ)は、「ちっとも怖がってもらえない」と嘆くラットのお化けがやたら可愛いです♪
 絵的には、キャラの瞳がトーンの二重貼りでぽうっとした視線になっているため、吊り目の造型にもかかわらず柔らかな印象を受けます。


翼姫(つばさのひめ) 〜〜”そらかぜ工場、新瀬進様)

 表紙と本紙1ページ目にまず注目。
 構図が同じでありながら、表情とナレーションが正反対という事態に脳内警報発令。
 ページをめくったら(以下略)←”ネタバレなし”の辛いところ(−−;

 今回は一ノ姫様と、その守護役の物語でした。
 厳しいけれど決して冷たくはないストーリーから、HPの世界設定に見られる”穏やかではあるけれど、楽園ではない”現在がどうやって築かれたのかが、垣間見えます。

 ちょっと気になったのが原稿のモアレでした。デジタル化の弊害でしょうか....?


”BLACKMARIA”VARIETYPOT、あづま零冶様)

 見た目は少女ながら、”BLACK MARIA”(黒き聖母)と懼れられるエクソシストの物語です。元はコピー誌で、原稿を追加してオフセになりました。
 計算されたセリフと構図で読者をミスリードさせ、ドンデン返しを遂げます。神有屋もきっちり引っかかりました(^^;


BRIGADOON(ブリガドゥーン) segment4 Nowhere Manホランドテラープロダクション、松平惟光様)

 シリーズを展開中に、物語そっくりの事件が起こってしまった、松平惟光様の”ブリガドゥーン”。前巻は一切セリフなしという異色の展開を見せましたが、今回から少しずつ謎解きが始まりました。

 無差別殺人を繰り返した男は拘束されたものの、訳のわからない供述に捜査側の困惑は深まるばかり。果たして容疑者の正体は? そして目的は?

 次巻が最終回とのことです。


・コミケ初参加の草下(くさか)ねず様Smoky mountain)のスペースでは、”忘れられた言葉”(オフセ版)をゲット。

 以前のレポートで触れた”言霊の森”の前作にあたります。古いエッチングを思わせる絵作りが、物語としっくり馴染んでとても良い雰囲気です。

 同人界でも作業のIT化が進み、今はセリフの写植が当然になっていますが、作品によっては手書きのほうが味が出ます。草下様の作品は手書きが合いそうですので、もし写植化されるならねず字フォントでお願いします(^^






 ここからは一口メモです。


”広報 よこつか vol.1”を無料配布されていたADS様。何やら複雑な事になっておいでのようです(−−;
 長期間の合作では色々ありますけど←経験者、ここに続きを待ってる者が居りますので...


・どこか懐かしい町並みを舞台に巫女服の神様が活躍する、雑器様(サークルまんてん)”薬女(やくめ)ちゃん”シリーズ。今回は第一回〜三回の再録誌でした。
 後書きのシビアな内容が...(−−;


”あやちか 2”山下組、山下真守様)は相変わらずのノリでした。
 先輩のこめかみに浮かんだ血管が (^^


”始点終点”を配布されていた六佳様(空水開店。今回がコミケ最終参加でした。お疲れさまです...m(_ _)m




 今回のレポートはここまでです。

 お読み下さいまして、ありがとうございました!



03/1/2

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この下は意味なしの無駄話です。

お気が向いたらどうぞ....




   無駄話


 神有屋は事情通ではないですが、そこそこイベントに参加していると、嫌でも様々なサークル(作家様)の有為転変を見る事になります。


 イベントをきっかけにプロとして羽ばたかれる作家様。

 商業の窮屈さに嫌気がさしてアマチュアに戻られる作家様。

 派手さはないものの、作品を積み重ねて着実に力を蓄えられる作家様。

 仕事等の事情で参加できなくなり、"これが最後です"とお知らせして下さる律儀な作家様。

 彗星のように現れ、いつの間にか消えている作家様...



 皆様それぞれ、異なる環境に居られ、変化があります。


 今では珍しくもないですけど、イベントに参加したての頃は、"メインスタッフが商業誌で描く事になったので新刊はもう出ません"と言われてビックリしたものです。

 逆に、最近イベントで見ないな〜と思っていたら18禁ゲームの原画を描いてましたとか(^^; これも今では珍しくない...


 もちろんプロになる方ばかりではなく、別方面で変化が訪れることもあります。


 "良い印刷会社がな〜い"と探し回った果てに自分で印刷会社を興しちゃった作家様の話はけっこう知られています。

 同人活動が縁で恋人が出来たんだけど、別れて、ショックで同人活動を止めてしまったという何だか本末転倒な気もする

作家様もおられました。

 また、超人的な行動力を誇った、とある旅行サークルの方は、中近東〜アジアをくまなく踏破した末に、東南アジア某国の家庭人として落ち着かれました(落ち着いたはずです

 洒落にならないのは、作家様がイベントだけでなくこの世から引退されてしまう事ですが、もちろん経験少ないです。多かったら本当に洒落になりません。



 一期一会を地で行く小世界。入れ替わりの激しさは抑えようもなく、今日のイベントで拝見したお顔を次にいつ見られるか、それは誰にもわかりません。

 そんな諸行無常の色濃い同人界ですが、神有屋には、その虚しさもまた魅力の一つです。

 "虚しさが魅力"と言うと語弊がありますけど、悲しい事があるからこそ、良いことがあった時の嬉しさも倍加すると思うのです。

一度でも素晴らしい作品と出会う喜びを味わったら、もう抜けられませんね。



 ”何があるかわからない”のは神有屋も同じですが、少なくとも今のところは、イベント通いを止められそうにありません(^^



   おしまい



 本当に無駄話でした...

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