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コミケット62 レポート

2002年8月9日〜11日 有明・東京ビッグサイトにて開催

最終更新 02/8/12


 炎天下の夏コミに行ってきました。


 入り口付近に散乱するカロリーメイトの空箱


 スタッフさんの待機場所にずらりと並ぶペットボトル、


 徹夜明けの虚ろな目でコピー誌を製本するサークルの方々、


 そして、


 車椅子で運ばれる急病人。

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 夏コミだなぁ。

     ↑コラ




 毎年のことですが、会場内はものすごい熱気でした。準備会では開口部を全開にして対応していましたが、気温差がありすぎるせいで対流が発生して、出入り口付近は台風並の強風地帯に。涼しいことは涼しかったでしょうけど、大変でしたね(^^;





 それでは最初に、神有屋的ベスト3の発表です。

 前々回から、金賞該当作の作家様に勝手にイラストを進呈することにしています。
 (イラストのアップロードはVIPルーム内なので、見る見ないは先方様の自由という事で


今回の金賞

同点首位!


"白砂村 第四巻"

SAS、今井 神サマ)

B5版 表紙フルカラー、本文モノクロ 228ページ(!o!)


そして


"ELEMENT LINE3 緑風-りょくふう-"

牙画狼、たきざきまみやサマ)

A5版 表紙二色、本文一部二色 108ページ


です!



 作家様の熱意、シナリオのクオリティー、演出、画力...神有屋にはあらゆる面で甲乙つけ難く、かなり悩んだ末に同点首位という事になりました。


"白砂村 第四巻"は一年ぶりの続刊。期待に違わぬ迫力の物語でした。

 今巻からクライマックスに突入し、物語の全容が少しずつあきらかになっています。
 世界(物語)のカラクリを把握しようとし、試行錯誤を続けながら着実に成長し続ける主人公。しかしその主人公を遥かに上回る、強大な敵手たち。希望と恐怖が足を揃えて物語を盛り上げ、ぐいぐい惹きつけます。刑事さんも格好良かったし←?

 ていうか、今井 神サマ!

 アレで「続く」は生殺しです!!(ToT)

 く〜〜〜〜〜〜っ。

 ↑地団駄ふみながら



"LEMENT LINE3 緑風-りょくふう-"は、ガイドブックを挟んで、こちらも一年ぶりの続刊ですね。「(ページ数が多いため)不用意に開くと背表紙が割れます」というお話を聞いて、おっかなびっくり本を開きました(^^;

 今回もまた新キャラが登場し、神有屋の予想もしなかった展開でとあるキャラと結びつきました。同時に重大な事態も発生して、シナリオはますます予想できない方向に邁進中。続きがとてもとても気になります!

 そして、「ヒーロー」と書いて「不幸」と読みたくなる主人公、カム君は....

 ますます悲運のドツボにはまりました。

ネタバラシをしない事にしているので詳しくは書けませんが、将来がとっても心配です。

 神有屋は明るい話好きですから、ほんらい"ELEMENT LINE"や"白砂村"のような「主人公かわいそう」系は苦手です。
 それでも応援したくなるのは、主人公(カム君)を含む登場人物が皆、懸命に前を向いて生きているためでしょう。

 どうか、キャラたちの生きる努力が報われますように...



というわけで、金賞二作品でした。




銀賞は、

今回金賞が二冊なのでありません。




銅賞はこちらです。


"桜鍋 ぱらいそ2"

(蛇鶏舎、紙魚 武サマ)

 "サクラ大戦"1〜2のブラックな4コマ本。コピー誌の再録オフセです。B5版42ページ。

 表紙からして真宮司さくらが血みどろでお迎えとゆ〜、腹の底から真っ黒なパロディぶりは、ファンブックの形を借りてマニアに喧嘩売ってんじゃないかと思われそうです(^^;
 間の取り方が上手で名(迷)文句続出! ダークな笑いを楽しめます。
 ですが激しく読み手を選ぶ内容なので、サクラファンの方は購入前に立ち読み確認が必須でしょう。

 ちなみに、神有屋がこの本を楽しめたのはサクラ大戦を知らないからじゃないか、という気がするのはここだけの話(^^

 本当に上手な方は、オリジナルでもパロディでも面白いものを描けるのでした。





・・・・・・・と、以上が今回のベスト3でした。

 神有屋から皆様にお願い。

 この評価は神有屋のインスピレーションと作品のインパクトに依拠しています。要は神有屋の好みかどうかという、とっても身勝手な基準に基づくものです。作品本来の価値とは全く無関係である事を、ここに明記しておきます。
 またインパクトに比重を置いている事により、初見の同人作家さんほど有利であり、いつも買っている作家さんは不利な判定になります。まぁ、こんな辺地で金だ銀だと言った所で、誰も気にしないですが(^^)

 ともかく「ベスト3じゃないから良くない」とだけはお考えにならないで下さい。

 創作者の一人として真剣で真面目にお願いします。



さて、次に夏コミの注目作品に行きましょう。誌名の五十音順です。


"おねがい 薬女ちゃん!! 巻之七"(サークルまんてん、雑器サマ) A5版 表紙フルカラー 本文モノクロ

 コンスタントに良質の短編を発表され続ける雑器様。新作は薬女ちゃんシリーズでした。
 このシリーズは、ヒロインの薬女ちゃんがとても懐の広いキャラで、コメディ、アクション、センチメンタルストーリー、ホラーと様々なシナリオを描けるのが特徴です。
 今回は"お姉さんの思い出"と"神様ふんだりけったり"の二本立て。前者がホラー、後者は「臭う(^^;)」コメディーです。

 神有屋が立ち寄った時は、買い手が多くてお忙しい様子でしたので、お話できなかったのが残念でした...
(もっとも、雑器様は神有屋のことを知らないでしょう。神有屋には、「(名乗らずに)一声かけて立ち去る」だけのサークル様がけっこうあります。売り買いの邪魔をしたくないので)


"ORQUE -オルカ-"JYD、輝也ひろサマ) B5版 表紙二色 本文モノクロ

 高品質な作品を低価格で、という確固とした信念のもとに活動されているJYD様の新作は、海を舞台としたファンタスティック・ラブストーリー。

 オルカは漁場を荒らす巨大なシャチ。

 海の男になるべき少年ロッコは、オルカによって死にそうになった所を人魚に救われます。
 しかしロッコの言う「人魚」を信じる大人は誰もいませんでした....

 ロッコと不思議な少女クリスの出会い。

 クリスとオルカの交流。

 彼らの出会いは何をもたらし、彼らを何処へいざなうのでしょうか...?


 "ORQUE"は良い意味でピュアな少年マンガです。
 「生」に対する見解が異なるため、神有屋は心からは入れ込めませんでしたが、高度の構成力と画力に支えられた作家様のメッセージは、きっと対象年齢の男女に伝わると思います。

 比較的年齢層の高い創作系イベント(ジャンル)だけで領布されているのが、とても惜しい作品です。


"The BABEL’S" 1〜3ORIHALCON、瀬峰正重サマ) 

 私達とは少し違った世界の、とある国の小さな郵便局を舞台にした短編連作です。
 すっきりラインの可愛い系の絵なのですが、物語はかなりハードで、「戦争」、「死」というキーワードが頻繁に飛び交います。それでも殺伐とした印象にならないのは、絵の柔らかさと、淡々とした演出から滲み出る作家様の優しい視線のおかげでしょう。

 ただ、とても良い作品ではありますが、胸にずしりと何かが残る物語なので、次回作を買う気になるかどうかはちょっと微妙です(神有屋は明るい物語好きですから)


"短 3rd"空水開店、空水六佳サマ) B5版 表紙フルカラー 本文モノクロ

 コミティアで買い逃したコピー誌がオフセで発行されました。


「忘れた」



「本以外全部!!」


...何度見ても笑えるなぁ(^^



"翼使い"空風工場、新瀬進サマ) B5版 表紙本文ともモノクロ

 執筆中、HPのフリートークが切羽詰りまくりで、ちょっと怖かった空風工場様、無事に新刊を発行されていました。
 予告タイトルから"翼姫(つばさのひめ)"シリーズかと早合点していましたが、発達しすぎた魔術によって滅びの道を辿る人類の物語という、別物のファンタジー作品でした。

 ヒロインと再会した瞬間グーで殴られる(笑)主人公ですが、とても前向きな考えを抱き実力も備えていて、最後には格好よく〆(シメ)てくれます。

 それにしても、"翼使い"がそういう意味だったとは思いもしませんでした....


"デビル先生"局地戦闘機、いつづきかなう様) B5版 表紙フルカラー 本文モノクロ

 記憶を失ったメフィストフェレス(女悪魔)が主人公のコミックです。ジャンルとしては....コミカルホラーかな?(ジャンル分けが無意味な作品の気もします)  スタイル抜群、明るくて優しくて怖いエキセントリックなデビル先生が魅力的です。

 今回はフルデジタル制作ということで、当初かなり苦労されたそうです。作品を精査することで神有屋の勉強にもなりました←コラ







一口メモ

"APOCALYPSE 2.99"(黒潮物産、岡昌平サマ)・・・もはや何も言いますまい.....何となくこうなる予感がしてましたし(^^;

 次は2.995でしょうか...


"あやちか"山下組、山下真守サマ)・・・シリアスな"記憶の枷"の次作は、天然女子高生たちのお気楽コメディでした。このノリもイイですね〜♪


"威風 -イフォン-"ホランドテラー・プロダクション、松平惟光サマ)・・・今回は"ブリガドゥーン"はお休み。新刊は短編コピー誌(表紙特殊紙、帯フルカラー)で、人間と"死を掌る者"の物語でした。いつもよりアクション色が減り、心の移り変わりを重点的に描写する内容になっています。


"ZIKIL 地之巻"(夕暮れ剣士、Maxサマ)・・・冬コミで"天之巻"総集編を出された時、ちょっと意味シンな言を仰っていたので、「もしかしてこれっきり!?」と勝手に危惧していましたが、無事に続くようです。よかったよかった。


ICE・LANDINGの水 清十朗サマ、今回は既刊誌の再編本のみで、新刊はありませんでした。バーチャロンフォースのやり過ぎで落ちたそうです(^^;


 

この後は雑記になりますので、興味がない方はショートカットでお戻り下さい。

お読み下さいましてありがとうございました。
m(_  _)m



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雑記

省点

 今回、ご新規サークル様がほとんどありません。思っていたより、初買いしたサークル様が少なかったためです。

 もっともっと開拓精神をもたねばっ。

 というわけで、次回のイベント(コミティア61)は"ご新規様の開拓重視"で行こうと思います。

・名前は挙げませんが

 今回のイベントで、客を放ってお知り合いと話し込んでいるサークル様をお見掛けしました。

 通りすがりの一見客と、ずっと付き合いのあるお知り合いと、どちらが大切か。

 これはサークルの傾向やご本人の考え方の問題ですから、どちらが大切と言い切れませんし、また神有屋がどうこう言えるものでもありません。

 ただ、ちょっと気になったので、ここに書き留めました。


 ...と、与太話をしたところで今回はお終い。

 独断と偏見だけで書かれた文章をここまでお読み下さいまして、ありがとうございました!


終わりです


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