鍼灸医学の参考図書案内 (2004.5.15現在)

鍼灸医学は、臨床現場でその効果を発揮しなければ無意味である。鍼灸関係の学術書もそれが目的とならねば意味がないものと考える。

ここに掲載した参考図書もその目的達成の為にあるものと考えていただきたい(2004.5月現在)。単なる学理論の弄びにのみ用いられる事のないようにして頂きたいものだ。最も重要な事は、自らの治療に対する基本的な考え方を持ってこれ等の参考資料を活用される事にあると考えるが・・・。

トップページへ  ※著書のご紹介

T 絶対に読んでおきたい本 

1.鍼灸医学(臨床)の基礎
『鍼灸真髄』代田文誌 医道の日本社
『わかりやすい経絡治療』福島弘道 東洋はり医学会
『誰にもわかる経絡治療講話』(本間祥白、医道の日本社)
『鍼灸治療の真髄』岡部素道 積文堂
『漢方鍼医基礎講座』漢方鍼医会編 漢方鍼医会
『脉診を語る』東洋はり医会教育部 東洋はり医会
『伝統医学の学び方』長沢元夫 積文堂
『東洋医学入門』大塚恭男 日本評論社
『お灸で病気を治した話1〜10』深谷伊三郎 刊々堂
『お灸療法の実際』深谷伊三郎 自然社
『東洋医学でこんなによくなる』谷美智士 毎日新聞社
『漢方医術復興の理論』竹山晋一郎 積文堂
『東洋医学の鍼』小川晴道 エンタプライズ
『三千年の知恵 中国医学のひみつ』小高修司 講談社ブルーバックス
『鍼とツボの科学』神川喜代男 講談社ブルーバックス                                                   
『やさしい中医学入門』関口善太 東洋学術出版
『私の治療室から 経絡治療治験集』小里勝之
『東洋医学概論』西沢道允
『臓腑経絡からみた薬方と鍼灸』池田政一 漢方陰陽会編
『大地 中国医学の現状と問題点』三浦於菟 緑書房
『中国医学はいかにつくられたか』山田慶兒 岩波新書
『昭和鍼灸の歳月』上地栄 積文堂
『古典の学び方』池田政一 医道の日本社

◆これらの本は鍼灸医学の基礎編であり、初心者向けにわかりやすく書かれてあり全体像を捉えるのに適している。                                                                    

2.東洋医学 〜論説篇〜
『中国古代医学思想の研究』森田伝一郎 雄山閣
『漢方治療百話 全8巻』矢数道明 医道の日本社 
『鍼灸古典入門』丸山敏秋 思文閣
『鍼灸医学と古典の研究』丸山昌郎 創元社
『気−流れる身体』石田秀実 平河出版
『島田隆司著作集 全2巻』島田隆司 日本内径医学会
『仏教医学入門(上・下)』川田洋一 レグルス文庫
『中国医学の誕生』加納喜光 東京大学出版
『道教と不老長寿の医学』吉元昭治 平河出版
『中国医学の気』廬玉起 谷口書店
『夜鳴く鳥』山田慶児 東京大学出版
『中国医学は現代医学を覆すか』林一 朝日新聞社
『道教と気功−中国養生思想史』李遠国 人文書院
『中国医学思想史』石田秀実 東京大学出版
『柳谷素霊選集 全3巻』 積文堂 

◆東洋医学は最近やっと学術的研究が始まったばかりである。書籍の絶対数が少ないため玉石混淆であることもやむを得ない。これらはすべて必読の書と考えて良い。

 

3.『黄帝内経』と『難経』等の古典解説書
『難経の研究』本間祥白 医道の日本社
『素問医学の世界』藤木俊郎 績文堂
『針灸医学と古典の研究』丸山昌郎 創元社
『霊枢・難経ハンドブック』池田政一 医道の日本社
『難経本義大鈔 全3巻』森本昌敬斉玄閑 漢方鍼医会
『黄帝内経概論』龍伯堅 東洋学術出版
『難経入門』遠藤了一 オリエント出版
『難経解説』南京中医学院医経教研組 東洋学術出版
『蔵象学説の理論と運用』宮脇浩 創医会  
『黄帝内経と古代中国医学』丸山敏秋 東京美術
『現代語訳黄帝内経素問(上中下)』南京中医学院医経教研組 東洋学術出版
『現代語訳黄帝内経霊枢(上下)』南京中医薬大学 東洋学術出版
『素問・霊枢』日本経絡学会
『素問・霊枢』宮沢正順 明徳出版
『素問・霊枢の栞』丸山昌郎 日本内径医学会
『校勘和訓・黄帝鍼経 全12巻』丸山昌郎
『校勘和訓・黄帝素問 全10巻』丸山昌郎   

◆この分野は決定版と呼ぶべきものは未だ出ていない。翻訳本は東洋学術のものが比較的質が高いようだ。

 

4.いわゆる「古典」の復刻本・翻訳本・解説本
『鍼灸重宝記』小野文恵 医道の日本社
『脉法手引草』山延年 医道の日本社
『名家灸選釈義』深谷伊三郎 干々堂新社
『脉経(T〜W)』池田政一 谷口書店
『校釈諸病源候論』牟田光一郎 緑書房
『万病回春解説』松田邦夫 創元社
『杉山流三部書』杉山和一 東洋はり医学会  
『中医学と瀕湖脈学』河合重孝[等] 谷口書店
『蔵珍要編』池田政一 谷口書店
『難経校釈』林克 谷口書店
『素問・霊枢・難経』復刻版 日本内径医学会編
『意釈・医経解惑論』小曽戸丈夫 築地書館
『意釈・黄帝内経素問』小曽戸丈夫 築地書館
『意釈・黄帝内経霊枢』小曽戸丈夫 築地書館 
『中国医典質疑録』牟田光一郎 緑書房
『傷寒論解説』大塚敬節 創元社 
『啓廸集 全2巻』矢数道明 思文閣出版

◆一読しておくと大いに参考になるはずである。なぜなら、これらの原書そのものは非常に優れているからである。

 

5.「鍼灸」と「診断」の基礎知識
『鍼灸学原論』木下晴都 医道の日本社
『経絡治療学原論2巻』福島弘道 東洋はり医学会
『図解鍼灸医学入門』蠣崎要、池田政一 医道の日本
『脉状診の研究』井上雅文 緑書房
『鍼灸経絡治療』岡部素道 積文堂
『日本鍼灸医学 基礎編・臨床編』経絡治療学会編 
『脈診入門−六部定位脈診法』山下詢 医歯薬出版
『経絡治療のすすめ』首藤傳明 医道の日本社
『鍼灸学序説』高島文一 思文閣出版
『運気論入門』程紹恩 谷口書店
『中医八綱解説』根本幸夫訳 自然社 
『中医体質学入門』木下繁太郎 谷口書店
『脈診・その手法と古典的背景』船木寛伴 谷口書店
『針灸学[基礎編]』天津中医学院 東洋学術出版
『経絡治療鍼灸臨床入門』小野文恵 医道の日本社
『伝統鍼灸治療法』池田政一 医道の日本社

◆これらの本はそれなりの存在価値を認めざるを得ないが、読者はしっかりとした基本知識と治療学術を持って読まれる事が大切である。 

 

6.「経絡」と「経穴」
『鍼灸治療基礎学』代田文誌 医道の日本社
『図解針灸実用経穴学』本間祥白 医道の日本社
『要穴臨床取穴法』漢方鍼医会編 漢方鍼医会  
『臨床経絡経穴図解』山下詢 医歯薬出版
『経絡十講』杉充胤 医道の日本社
『針灸奇穴辞典』木田洋[等] 風林書房
『標準経穴学』日本経穴委員会 医歯薬出版
『針灸経穴名の解釈と意義』川口準子 近代文芸社
『取穴入門』入江靖二 緑書房
『経穴学の古代体系』桑原陽二 績文堂
『穴性学ハンドブック』伴尚志 谷口書店
『臨床経穴学』浅川要 東洋学術出版社

◆複数の経穴書を見比べてみれば一目瞭然だが、経穴の位置や主治証は皆それぞれに違いがある。これらの本から、学識や技術・経験の違いを味わっていかなければ、生きた経穴を使いこなすことはできない。臨床の場で理解する事を勧める。

 

7.「中国医学の古典」読解のための必須アイテム
『漢文入門』小川環樹[等] 岩波全書
『漢字語源辞典』藤堂明保 学燈社
『医古文基礎』宮川浩也他 東洋学術出版
『中国語学新辞典』中国語学研究会 光生館
『簡明基礎中国語』伊地智善継 東方書店
『日本の漢語』佐藤喜代治 角川小辞典
『説文入門』頼惟勤 大修館書店
『支那史学史−1』内藤湖南 平凡社東洋文庫

◆正統鍼灸医学を実践するには原書を読むしかない。しか、しその殆どは漢文で書かれている。先人は漢字という情報集積媒体を駆使して、膨大な資料を残してくれている。現代の我々はこれを暗号解読のつもりで読み解いてゆくだけでよい。これらはその暗号解読のための工具書である。

 

8.一般教養書 
『漢字の起源』藤堂明保 徳間書店
『五行思想と礼記月令の研究』島邦男 汲古書店
『混沌の海へ』山田慶児 筑摩書房
『内観の法』富士川游 谷口書店 
『気の研究』黒田源次 東京美術
『東洋医学の哲学』桜沢如一 日本CI協会 
『気−論語からニューサイエンスまで』丸山敏秋 東京美術
『中国の名句・名言』村上哲見 講談社現代新書
『陰陽五行学説−その発生と展開−』根本幸夫他 薬業時報社
『医聖 医能医学者列伝』 福昌堂
『ターニング・ポイント』F・カプラ 工作舎
『ユング心理学入門』C・S・ホール[等] 清水弘文堂
『ナチュラル・マインド』A・ワイル 日本教文社
『医者と患者と病院と』砂原茂一 岩波新書
『人はなぜ治るのか』A・ワイル 日本教文社
『漢方薬入門』難波恒雄 保育社カラーブックス
『気が癒す』荒俣宏[等] 集英社
『無双原理・易』桜沢如一 日本IC協会
『腸は考える』藤田恒夫 岩波新書
『人間臨終図巻 全3巻』山田風太郎 徳間書店
『万葉の旅 全3巻』犬養孝 平凡社文庫
『中国医学はいかにつくられたか』山田慶児 岩波新書

◆東洋医学を理解するため、その源である中国哲学の諸相を知る目的で選んだ。

 

9.医学史と東洋医学
『中国医学古典と日本』小曽戸洋 塙書房
『日本漢方典籍辞典』小曽戸洋 大修館書店
『漢方の歴史』小曽戸洋 大修館書店
『日本医学史』富士川游 形成社
『医学の歴史』小川鼎三 中公新書
『中国漢方の歴史』張明澄 久保書店
『世界伝統医学大全』津谷喜一郎 平凡社
『モンゴル医学史』ソロングト・バ・ジグムト 農文協
◆医学史・疾病史の知識は不可欠の要素となる。言い換えれば、医学史を理解しない鍼灸師のままでは古典を理解できないのである。

 

U.読んでおきたい雑誌

月刊「医道の日本」医道の日本社
月刊『経絡鍼療』東洋はり医学会 
月刊「東洋医学」緑書房
季刊「内経」日本内医学会
季刊「伝統鍼灸」日本伝統鍼灸学会
季刊「日本伝統経絡学会誌」日本経絡学会
季刊「TAO鍼灸療法」源草社
季刊「漢方鍼医」漢方鍼医会
季刊「経絡治療」経絡治療学会
季刊「中医臨床」東洋学術出版
季刊「鍼灸OSAKA」大阪鍼灸専門学校
月刊「しにか」大修館書店
復刻版「東邦医学」全8巻付1巻 出版科学総合研究所

 

V.持っておきたい辞書

『大漢和辞典』(全15巻)諸橋轍次 大修館書店
『新字源』角川書店
『中日大辞典』大修館書店
『中国神話伝説大事典』大修館書店
『漢方用語大辞典』創医会 遼原
『図説東洋医学用語編』学研
『標註訂正康煕字典』講談社