当院の鍼灸治療について

 

1.当院の治療方針
 当院の治療は脉診流「漢方はり治療」です。
 治療の目的は「生命力を強化し体質改善をめざした治療」であります。決して、肩こり、神経痛、リウマチなどという個々の病症を対象とした治療ではありません。  
 生命力が強化されますと、肌は滑らかに美しくなり、ふとりすぎは痩せ、痩せすぎは健康にふとります。高血圧は下がり低血圧は上り、老化は防止され、虚弱体質は無病健康となるという全身的な総合治療であります。 従って、神経痛、肩こりなどはもちろん、すべて生活上の障害は自然に取り除かれるのであります。

 難病痼疾から救われたい人。入院や手術、あるいは薬害を避けたい方。わけのわからぬ病気でお困りの方々は、是非、健康相談のおつもりでお気軽にご来院下さい。

2.心地良い治療
 私たちが主催する「漢方鍼医会」では、三千年におよぶ漢方医学の原典を研修しています。
 臨床では、脉診等により体質別・個人別に適切なツボ(経穴)をとらえてはり治療を施しますので、決して痛くも熱くもありません。その為には、充分に修錬された指先感覚が必要であります。
 私達は研究会を創立し、日夜研鑽努力を積み重ねております。刺激理念による中国バリや現代医学理論を基盤とした針治療とは、まったく違います。
 漢方はり治療は、鍼灸が正しいツボに的中しますと眠気をもよおすように心地良いので、子供でさえにこにこして治療を受けております。

「百聞は一見に如かず」と言います。どうぞ恐れず、こわがらず安心してご来院下さい

3.どんな病気に効くのでしょうか
「先生、糖尿病は治るでしょうか」「高血圧にはどうでしょう」「熱のあるときにはりをしても良いでしょうか」などとよく尋ねられますが、それだけではすべて「いいですよ」とお答えするよりほかはありません。
 しかし、実際には「脉を診、身体に触れなければはっきりと言えない」というのが正直な気持ちであります。
 また、「私の身体には、はりは合うでしょうか」などとよく聞かれます。当院の治療は、生命力、生き抜く力の強化でありますから、生まれつきはりが合うとか合わないとかはないわけで、治療家がその人の体質に合わせるものであります。つまり、合わせることの上手な治療家が名医で、下手な人がやぶ医となるのであります。

4.はり灸治療はなぜ効くのか
 漢方はり治療は、患者の脉を診、望聞問切の診断法によって、すべての症状を統一的に診断し「証」という治療方針を立て総合治療を行うのであります。
 つまり、漢方治療には外科も内科も眼科もなく全科であり、まるごとの人間治療が目的であります。すなわち「生命力の強化による体質改善」なのであります。
 漢方はり治療では、すべてを生き抜く力の異変として統一的に考えて、体質改善を図ることがその目的であります。ですから、病気の治るのは生命力強化による必然の結果に他なりません。

5.正しい治療と健康法
 現代は、原子エネルギー時代とて環境が不良化し、大気中には二酸化炭素や亜硫酸ガス、あるいは六価クローム等が蔓延し、さらには最近、放射能や電磁波なども加わって、大気の汚染は実に驚くべき悪化状態であります。 その上、食品には季節感がなくなり、水にまで化学薬剤が混入されています。その上、人間関係もますます複雑化しストレスも増加しています。
 この様に、我々の生活環境は想像することもできなかった増悪状態にあります。従いまして、我々の健康はこれらの悪条件によって大きく破壊されているのであります。
その結果、今まではあまり知られなかった難病痼疾が激増し、ウイルス感染症やアレルギー症等の病症は日常的になりました。流感・風疹・アトピー性皮膚炎・喘息などがいつどこでもみられるようになってまいりました。
しかし、こうした不良環境の中にあっても、常日頃から健康管理をされている人は、それに負けることなく健康的な生活をしているのであります。

 この様に、「経絡による生命統制のしくみ」をはり灸治療で充分に整えていると、すべての病邪に打ち勝ち健康状態を維持できるのであります。
また、不幸にして何らかの病に冒された場合にも、自己過信や、あやしげな売薬で間に合わせたりなどをせず、純漢方の鍼灸治療によって、全身状態を総合的に診断・治療して健康回復を図るのが、現在のような環境不良化時代に処する、最も合理的かつ賢明な健康法であると考えております。

6.鍼灸医学の歴史と将来
 鍼灸医学は約四千年前の夏・殷・周時代に始まり、口から口へ手から手へと伝えられ、今から二千年前に「素問」「霊枢」「難経」という古典医書に書き残され、その後、仁術として東洋民族とともに発展してきたのであります。 
 日本には、紀元六百年頃の飛鳥・奈良時代に仏教とともに伝わり、平安、鎌倉、江戸時代を経て優れた学者を生みつつ今日に伝えられているのであります。
 その治療法は、経絡系統という生命統制のメカニズムを整えるポイント「ツボ」にはり灸を施し、生体の気の働きを活性化させ、生き抜く力・病を治す力、すなわち生命力を強化させるという理念に立つ治療法であります。

 このような東洋医学の生命観は、我が国ばかりでなく、欧米各国においても支持され、東洋医学へのリバイバルは一種のブームになって世界に広がりつつあります。

7.皮内鍼・知熱灸・小灸について
皮内鍼・・皮内に貼付するはり治療です。入浴や日常生活には全く影響はありません。はり治療の効果が持続致します。
小灸・・・・ゴマ粒大の直接灸です。しかし、極端な熱さもなく、醜い灸痕も残りません。
知熱灸・・痕の残らない気持ち良いお灸です。虚熱の除去や眼の疲れや解消にも大変に効果があります。