Y30 純正ステアリングホイール 牛革編み上げ 2

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Y30の純正ウレタンハンドルは紫外線で劣化してひび割れてきます。

前回対策として牛革を編み上げてみたのですが、どうも美しくない。

主な敗因はやはり色です。明る過ぎます。

あと、革の厚さが2.0mmなのですが、厚すぎます。ハンドルがちょっと太くなってしまいました。

感触はちゃんと革で悪くはありませんが、出来ればもっとシボが欲しい所です。

 

そこで今度こそ純正風にやりなおしてみようと思います。

まず革選びから始めます。レザークラフト専門店を探してみます。

革の種類とか厚さや柔らかさの感触とか良く知らないので、

サンプルを取り寄せる事が出来る店を探します。

LeatherCraft.jp

4cm x 5cm のサンプルを各\54で送って頂く事が出来ます。

6種類程送って頂きました。メール便送料含めても\488です。良心的です。

うちのY30(外装白、内装茶)の革風内装はそもそも何革風なのでしょう?

Y30のお手本といえばキャデラック。アメ車です。

アメリカバイソン?と思ったのですが、シボが深すぎる。ワイルド過ぎる。

ハーレーとかだったら似合うのではないでしょうか。

バッファローは逆にもっと細かい繊細なシボでした。

牛ショルダー(アリゾナ)の焦茶辺りが純正に近い感じでした。

やはり牛ですね。厚さは2.0mmではちょっと厚過ぎたので1.5mm程が良いでしょうか。

 

2018-5、という事で購入したのは、

激安!30cm巾カット販売<牛色革・ダークブラウン> という物です。

デシ単価\90で43デシの物。30cm(3dm) x 約140cm(14dm) で\4,179でした。

クロームなめしで1.4mm厚だそうです。

同時にレザークラフトの道具も少し用意します。

手縫いロウビキ糸の太のそれぞれ焦茶。20mあるので十分です。

それから菱目打ちも買ってしまいます。LC菱目打プロ(4本目)の6mm。

針は前回の付属品があるので今回必要ありません。

 

前回の革は取り外してしまいます。僅か半年の命。残念。

Y30のハンドルに当てながらとりあえず梱包材の紙で作ってみます。

長さは1200mm。今回はスポークも含めて1本物で作ってみようと思います。

\4,000もした革を間違えて切ってしまってはいけないと思うと緊張してなかなか作業が捗りません…。

ちょっと大きめに切り出してみました。

革をつないで輪っかの状態でハンドルに当てながら少しずつ切り詰めていきます。

張り具合を見ながら、長さは1200mmより数cm程切り詰めました。

ハンドル太さ方向は83mmとしました。

縫い方は全て前回同様、ベースボールステッチの1本縫いといわれている方法としました。

革の端は折り返しません。突き当てです。

糸は全て、手縫いロウビキ糸の太を使いました。

革の端から6mmの所に、息子が小学生の時に使っていたコンパスで、鉛筆でキズを付けてマーキング。

LC菱目打プロ(4本目)の6mmを使って6mm間隔で糸の穴を開けました。

 

スポークの所は改めて梱包材の紙を使ってサンプルを作って検討していきます。

一応その時のメモを残しておきます。

角の丸み部分は、部屋に転がっていた22mmのソケットレンチのソケットを定規として使いました。

下半分を縫いました。

スポークの所…。うまくいくのでしょうか。不安になります。

予め切り取ってしまう手縫いロウビキ糸の長さですが、6mm間隔で革の端から6mmなので、

縫う長さx4 + 200mm 程が良いかと。

下半分は約2,100mm、上半分は約4,100mmです。

上半分も縫うと、まぁまぁ形になってきました。

スポークの所はやはり多少のたるみが見られますが、

ホーンボタンの加工もあるのでとりあえず進めていきます。

ホーンボタンの所を切り取ってみます。

ホーンボタンを取り外さずに上から革をかぶせてしまうと、

多分ホーンボタンのマークもつけないと車検に通らないし、

経年劣化で革が張った時にホーン押しっぱなしなんてなったら困るので、穴あけとしました。

ボタンの回りは隙間が少ないので、ボタン周りの革の裏側をカッターを使って少し漉いておきます。

ちなみにホーンボタンは左右同じ部品ではありません。

右用左用があります。なんて贅沢な設計なんでしょう。

右と左を間違えて取り付けたらうまくボタンが動きませんでした。

ホーンボタンのラッパが内側を向いている方向が正解です。

完成。

やはりスポークの根元は少したるんでしまいましたが、それ程気にならないかと。

22mmのソケットじゃでかすぎたっぽいですね。

接着剤や両面テープは使いませんでした。

握る部分は綺麗に張れています。とても良い握り心地になりました。

ホーンボタンは少し固くなってしまいましたが、なんとか問題無さそうです。

純正オプションと言ったら信じてもらえますでしょうか。

VIP仕様(ショーファードリブン)ではなくドライバーズカー仕様を目指しています。

ショーファーの為に革を巻いたわけではありません。私自身の為です。

ちなみに純正オプションの革シートは興味ありません。シートは茶のモケット最高です。

 

ついでに余った革でシフトノブとサイドブレーキにも革を巻いてみました。

梱包紙で型取りして、革を切り出します。

上写真左の四角がパーキングブレーキ用、右の2ピースがシフトノブ用です。

シフトノブの製作過程はあまり写真に撮らなかったのですが、樹脂のパネルとスイッチがあるので、

樹脂部分の革の裏を漉いてから皮革用(にも使える)接着剤(コニシボンドG17)で接着しました。

クランプで圧着しておきます。

樹脂パネルを両面テープで革に貼り付けスイッチのボタンを嵌めるのですが、

うまくスイッチのボタンがはまりません…。

樹脂パネルの位置が革の厚さ分ずれてしまっているからです。

ちょっと力を入れてスイッチのボタンを嵌めようとしたら、

スイッチのボタンが割れてしまいました…。

スイッチのボタンはABS用接着剤で接着して修理しておきます。

革を剥がしてもう一度漉き直しました。

漉き直した事によりスイッチのボタンが嵌まる様にはなったのですが、

今度はスイッチのボタンが押せなくなってしまいました…。

ちょっと強く押したら再び割れてしまいました。まぁいいか。押せる様にはなったので。

シフトボタン(メッキ)部分は本当は内側に丸め込めると綺麗に出来ると思うのですが、

丸め込める隙間が全然ありません。

なので、切ってしまいました。

それからシフトボタンを一度取り外して、穴の周りの革を水で濡らして、

ラップをかぶせて、シフトボタンの穴にシフトボタンを逆向きに入れる方向に、

クランプで押さえておきます。(写真とっておけばよかった…。)

一週間後に乾いたら完成です。

とりあえずボンドを使って接着はしてありませんが、

浮いてきてしまうようであれば接着してしまおうかと思っています。

このタイプのシフトノブはY31やR31、F31、C32等でも使っていたみたいです。

誰か上手い事革巻き仕様にされた方はいないでしょうかねぇ。参考にしたいです。

 

パーキングブレーキは握り部分を取り外しました。左右に回しながら引っ張れば抜けます。

そして革を巻き、穴部分はシフトノブ同様切ってしまい、

穴の周りの革を一度水で濡らして、輪ゴムとラップと電球で型をつけます。

シフトノブの方は写真がありませんが、同じ様な感じで型をつけました。

こちらも接着剤は使いませんでしたが、あまり浮いてこない様です。

この後、車に取り付けて仕上げます。

やはり革は握り心地が良いです。

完成。

暫く運転してみると、ハンドルのタルミと繋ぎ目がちょっと気になるかも。

気が向いたらそこだけやり直すかもしれません。

 

2019-10、結局やり直さないまま1年程経ちました。

良い握り心地です。もうウレタンハンドルには戻れません。

 

2020-4、白くカサカサになってしまいました…。

全くメンテナンスしていなかったのでしょうがないのかと。

レザーは結構好きで、コート、カバン、財布、靴、ヘルメットまでみんなレザーなんですが。

全てメンテナンスしてません。めんどくさいので。

レザーコートは季節毎にカビてしまうので掃除クリームで(嫁さんが)メンテナンスしてくれてますが。

ステージアの純正レザーステアリングが、

全くメンテナンスしなくても12年10万km全然平気だった事もありちょっと怠けてました。

紫外線に当たり放題なので革にとっての環境は劣悪ですからね。

純正レザーステアリングは(多分)顔料仕上げなのに対して、

Y30のは(多分)染料仕上げを選んでしまったから、耐久性が低いのだと思います。

ステージアがUVカットガラスでY30がブロンズガラスの違いもあるのかもしれません。

ナルディやモモ等は使った事が無いしサーキット走行する訳でもないので、

ステージアの純正レザーステアリングの手触りには十分満足しています。

顔料仕上げのレザーで作れば良かったかも。

 

とりあえず現状ではサラサラ滑りやすいし、

手の水分を全て吸い取られてしまう様で握り心地が良くありません。

遅ればせながらメンテナンスしてみようと思います。

まず考えるのがレザーメンテナンス用栄養クリーム。

こちらを購入して、濡れ雑巾でステアリングを掃除して乾いてから軽く塗ってみます。

その結果、サラサラカサカサ+ヌルヌルと変な感じになってしまいました…。

webで調べたらベビーローションが良いとの事なのでこちらも軽く塗ってみますが、

たいして変わりありません…。元の革の感覚が戻ってきません。

これはきっと塗る量が少なすぎるからいけないのではないかと。

上記1909を飽和する程何度も塗り込んでみます。

飽和して白い個体が表面で固まってしまっているので、後日濡れ雑巾でふき取ってみます。

すると。なんか復活の兆しが見えてきました。まだカサカサが少し残ってますが。

という事で、更に後日飽和するまで何度も塗り込んでみました。

そうしたら、少し滑りやすいですがなんとか革が戻ってきました。

良かった。まだ巻き直さないで済みそうです。

 

2023-6、ドライブ動画を撮影してみました。

 

 

 

 

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