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各種疾患と鍼灸治療

五十肩
  五十肩は腰痛と同じぐらいに来院数の多い疾患であり、はり、灸が良く効く疾患であります。.
なんとなく重苦しい,というものからズキズキ痛む,動かすとズキ−ンと痛む、と云うものまで、程度の差から、痛む部位まで人によってさまざまです。
 原因は、肩関節に石灰の沈着があるとか、骨の変形だとかいわれていますが、肩関節の回りの筋肉の拘縮(固まった状態)や炎症であると思います。

 この拘縮の程度で治り方も違って来るようです。ほとんど拘縮が無い場合は、1回〜数回の治療で痛みが取れると動き方も一変します。

 拘縮が強い場合、痛みは取れても動かないということになります。この拘縮をとるには、アイロン体操、風呂で温めての自動運動、痛みと反対に動かす操体法。治療院でのはり、灸、マッサージなどがありますが程度によって回復はかなり違います。

 拘縮がひどく、動かないものでも痛みは取れますので早めの鍼治療をお薦めします。


五十肩と糖尿病
 五十肩と糖尿病には、大いに関係があります。。
 鍼灸の治療院に、糖尿病の治療を受けに行こうと、最初から思う人は、あまりいないと思います。
 私が糖尿病の治療を始めたのは、五十肩の治療で来た人が、五十肩が治った時に「先生、糖尿病も治るでしょうか?」と聞かれて、「治ると思いますよ。」とこたえて始めてからです。
 何故か、五十肩の治療から、糖尿病の治療を始める人が、数人続きましたので、五十肩と糖尿病の因果関係を考えてみたのです。
 簡単に言ってしまえば、血糖異常は、慢性的な運動器疾患(筋肉痛、神経痛)を起こすという事です。つまり、糖尿病(血糖異常)は五十肩だけでなく、運動器全般に関係するという事です。
しかし、膝関節などの痛みなども、血糖異常と関係はあっても、治り方が五十肩ほど劇的ではないので、膝通が治った後に、「糖尿病も治療してください。」ということにならないのでしょう。
 それほど、五十肩は治療効果が見えるわけです。
 糖尿病は、ある程度食事をコントロールして、軽い運動、それと鍼灸で改善します。
 

腰痛
 はり灸の治療院で扱う疾患では、腰痛が一番多いと思います。そして、よく効きます。

「一回で治ってしまった。」と聞く事があるかもしれませんが、全ての腰痛が一回で治るわけではありませんが、1回から数回の治療で改善します。

腰痛と一口に言っても、いろいろなパターンがあります。慢性腰痛、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、分離症、すべり症、などなど。
 この中で分離症、すべり症は骨折から来るものなので、はりきゅうの適応ではないかもしれません。

 慢性腰痛は、鍼灸が良く効きます。

 ギックリ腰の痛みは激烈ですが、治りも早いです。

 坐骨神経痛を伴う椎間板ヘルニアは手術をしない方が治りが良いようです。

 ひどいギックリ腰はやがて慢性腰痛に移行するようです。きちんと直さなかったので癖になったと、よく言いますが、捻挫などもそうですが、一度伸ばした靭帯は元に戻りません。

 腰のほうも痛めたところは弱くなるのでしょう。疲れがたまると痛みになります。疲労のバロメーターだと思って、疲れをためないようにしましょう。

前屈時に痛む、後屈時に痛むもの、痛みにも違いがありますが部位は違っても全て筋肉痛です。病院に行ってもレントゲンを撮られるだけで、何の治療もありません。


マッサージも効果は1次的ですし、痛む腰をひねっても返って痛めるだけです。

腰痛の場合、余程のことが無い限り、傷む部分に鍼を打つようなことはありません

坐骨神経痛
 坐骨神経痛も治療院でよく扱う疾患です。

 男性、女性共にありますが、女性のほうが治りが悪いような気がします。
女性の場合比較的若い女性でも難治です。男性の場合、かなり高齢の方でも治っていきます。東洋医学では、男は気、女は血。と言います。同じ坐骨神経痛という名前で来ても、本質的なものは違うのかもしれません。
坐骨神経痛の原因は、ほとんどが椎間板ヘルニアだと言われていますが、椎間板に異常が無くても坐骨神経に沿って痛むというものがあります。

 梨状筋症候群とよばれるもので、坐骨神経が臀部に出るところで、梨状筋に圧迫されて痛むものです。こちらは、筋肉が主ですから、治りは早いようです。

 治療は、坐骨神経の走行にそって圧痛を治療点にしますが。治りの悪い時は痛みの無いほうに治療点を探します。古典に「病右にあればこれを左に取る。」というのがあります。巨刺の法といいます。 

巨刺に変えてから、快方に向かった例はたくさんあります。
腰痛に伴って痛むものや、足だけ痛むものなどさまざまですが、やはり、鍼治療がよく効くようです。


股関節痛 
 股関節痛も中年以降の痛みやお産の後からの痛み、先天性股関節脱臼などによるものなどさまざまです。
 先天性股関節脱臼の可動の制限は、難しいものもあるとは思いますが、痛みに関してはかなり改善します。
 股関節の痛みや、術後の可動制限や違和感などに、鍼灸は治療効果を挙げています。

先天性股関節脱臼の手術後に、可動制限のあった患者さんで、可動域が大幅に改善した例もありますので、股関節で苦労されてる方は、是非お試しください。


ひざ関節痛
 ひざ痛で来院する患者さんの多くは高齢の方です。

 病院で痛み止めを注射したり、ひざの水をとったりした後に来院する方がほとんどです。
 スポーツ選手のように若いうちにひざ関節痛が出る人もいます。早くはりきゅうで治療する事をお薦めします。

 他の病気もそうですが、早いうちのほうが治りも早く、歴史のある膝はやはり治りも遅いです。
 当院では症状によって違いますが、はりと灸を併用して効果をあげています。

 局所にお灸をする圧痛点治療。反応良導点治療。患部から離れた場所に治療点を探して治療する経絡療法や経筋療法。冷えている膝の場合の打ち抜きの灸。など場所や痛みによって治療方法も多彩です。

 最近の治療例で80歳以上の高齢者で、体重も重く、変形も強い患者の痛みがかなり軽減されています。足首のほうにお灸をするのですが、かなり高い確立で痛みが軽減しています。

 膝のお灸をしていると何故か風邪を引かなくなります。お灸にはそれだけで免疫力を挙げる効果があります。


頚腕症候群
 頚の回りの筋肉が硬くなる事によって、血流障害が起こりその為にいろいろな症状が出る。(頚の痛み、腕の痛み、肩の凝り、腕の冷え麻痺、指の麻痺.etc。)
 
 このような症状は頚筋を緩める事で血流を改善し、痛み、痺れ、麻痺を治します。こう云う治療は、はり灸の得意とするところです。
 数年間麻痺していた母指、示指が動き始めた。10年間痛んだ頚が楽になった。等の症例があります。

寝違い
 中国では落沈といい、朝目を覚ましたら首が動かずに、強烈な痛みに泣きたいほどです。
前記の頚腕症候群の中に入るものかもしれません。

 寝違いを治すには、最初のうちは絶対患部に触らない事です。鍼治療は脚、腹、腕のほうに治療します。マッサージをするなら、患部の周りの筋肉を緩めるような治療をします。

 手の甲に落沈というツボがありますが、これも良く効くツボです。

ばね指
ばね指の原因は医学辞典を見ても出ていません。

 使い過ぎの腱鞘炎なのでしょうか?鍼灸では、腕、肩、頚、背中の筋肉の凝りを目標に治療します。それと、東洋医学特有の考え方である、おけつ症が関係しているようでもあります。

 おけつというのは、内出血や、手術の時の腹部に残った血液、(血液の役目を終えた血液、非生理的血液)のことで、腹部にたまっていろいろな病気を引き起こしたり、治りを悪くしたりするのです。

 おけつは肝臓の経絡とおおいに関係があり、肝臓の経絡はスジを主る。といわれています。ばね指の原因はおけつかもしれませんね。

腱鞘炎

上記のばね指も腱鞘炎のひとつでしょうが、腱鞘炎もいろいろで、最近多いのは赤ちゃんを抱いていて拇指のつけねが痛むというもの、また手首が痛むものなどあるようです。
 これらは、みな筋肉の使いすぎによる、炎症や硬化が原因だと思われます。鍼治療の良く効く疾患だと思います、早めの治療をお勧めします。

ヘバデン結節
 
腱鞘炎とは違いますが、指先の関節が変形して痛みます。閉経後の女性の、手の使い過ぎによるものだと言われています。
 治療は、腱鞘炎と同じような治療で、痛みの軽減がはかれますが、変形は治りません。


捻挫

 足関節捻挫は、湿布して時間が経たないと治らないだろう、と思っている人が多いと思いますが、じつはこれにもお灸がよく効きます。捻挫の中心部で最も圧して痛いところに、少し大きめのお灸を一つします。腫れているときは、晴れの周りに1cmぐらい置きに小さなお灸をします。その後、脛(すね)の外側の筋肉とふくらはぎをよく揉みます。腫れのひきも早く、治りも早いようです。


リウマチ
リウマチとは何か?と言うと、ギリシャ語で「流れる」という意味で、日本語だと「わからん」ということだと、澤田流の故澤田健先生は仰ったそうです。実際には、冷え込みであるとも言われたそうです。
当院ではリウマチの治療を冷え取りと免疫【扁桃】の強化を主に、鍼灸中心の治療をしています。

故長野潔先生は、リウマチは扁桃を元病巣とする二次疾患であるとおっしゃっています。
医科歯科大の堀口申作教授は、鼻咽腔炎を治すとリウマチが軽くなったり治ったりすると言われました。
東大医学部の西原克成医師は、「咽頭扁桃リンパ輪」を傷めることが難病の発生と関係があるとおっしゃっています。つまり、リウマチに限らず、膠原病など現在の難病は、扁桃を元病巣にしているものが多いということです。病院でもリウマチ等には決め手がないようです、鍼灸を併用してみるのもいいのではないでしょうか。
当院では、扁桃治療(免疫治療)と自己免疫疾患の治療により、好成績を挙げています



花粉症
      
花粉症は胃と腎の病として治療して好成績をあげています。免疫強化法とアレルギー治療で改善されています。
以前から、花粉症の治療を考えていましたが、初期の頃は目の周りのつぼや、眉間の印堂というつぼ、鼻の脇の迎香というつぼを使用していました。
 顔面部にあるため女性には使いにくいつぼでした。そこで耳針に変えてみたところかなり効果が有りました。(目、内鼻、内分泌、といったところに留鍼して、副腎に円皮鍼をするというもの。)
 
 現在の治療はこれとは少し違いますが、狙いはやはり副腎です。つまり腎の治療ということになります。
腎の治療という事は、冷えの治療です。花粉症の人は足の冷えている人が多いです。
 「寒邪にあたって発病するものを傷寒といい、春に至って発病するものを温病という。」と古典にあります。
つまり、花粉症は体が冷えにやられ病状が春に出る温病であるといえます。では胃というのは何かと言うと花粉症の人が最も辛い、目と鼻を通る経絡です。
 
 皆さんがやるべき事は、目薬をつけることではなく、マスクをする事でもなく、布団を干さない事でもなく、あくまでも身体を温める事です。

 食べ過ぎ、水分の取り過ぎに気をつけストレスをためぬようにしましょう。
 

更年期障害

更年期障害は、閉経に伴うホルモンバランスのくずれから起こる、さまざまな不定愁訴であります。なかでも、眩暈がつらいと訴える人が多いようです。
 治療は自律神経のバランスをとる(副交感神経を刺激する)べく鍼灸をすると調子が整うようです。

 かつてひどいめまいで、2年間も立ちあがる事が出来なかった女性の更年期障害を治療した事がありましたが、お灸が良く効いたと思います。

 自律神経も整い、お灸効果で免疫も向上し、的確な経穴により脳の血流も改善されたものと思います。

つわり(悪阻)
つわりは妊娠3〜4ヶ月くらいにでるもので、だんだんと軽くなってくるものですが、人によっては絶えられずに中絶してしまう事も多いようです。昔、つわりの薬としてサリドマイドが使われて悲劇が起きたのは有名な話です。薬物はできれば使用しない事です。漢方薬は良く効く事があります。小半夏加伏令湯(しょうはんげかぶくりょうとう)が効くと聞いた事があります。漢方薬屋さんで聞いてみてください。はり灸の場合は足の裏にある裏内庭と言うつぼがよく効きます。足の裏の第二指の中央に墨をつけてその指を曲げてその墨のついた場所が裏内庭というつぼです。そこに熱くなるまで灸を据えます。
 また、ハリではなんですから、つまようじで胸の正中線(胸骨〜みぞおち〜へそ)をちくちくつついても楽になります。特にみぞおちとへそのちょうど真ん中に中カンと言うつぼがありよく効きます。試してみてください。つわりというものは精神的なものでも大きく変化しますので、ご主人や同居している人たちの協力と理解が必要です。また、南天の葉か、実を2〜3枚か、2〜3粒噛んでから吐き出すと吐き気が止まるとありました。ちょうど庭に南天の木がありましたので葉を2枚噛んで見ましたが特に強烈な味があるわけでもなく、こんなので効くのかな?という感じです。


さかご
さかごの治療を何度か経験していますが、簡単に治るものから、難治なものまでいろいろです。35週に入っていて、胎児の腰がかなり下にさがってしまっていて返らなかったものや、子宮筋腫が邪魔して返れないものなどが失敗例になっています。本などには8ヶ月までに治しておかなければいけないと書いてありますが、臨月に入ってからでも治った症例もありますので、あきらめずに試すべきだと思います。

 治療はいたってシンプルで、右足の小指の外側の爪の付け根にある、「至陰」と言うつぼに、胎児が動き出すまでお灸を据えます。




膵臓炎
慢性膵炎は、急性の膵炎から始まり、完治しないまま慢性に移行するものです。
腹痛、下痢、嘔吐が主な症状です。下痢、嘔吐は自然治癒力の一つですので無理に止めるのは良くありませんが、長く続くと体力を消耗します。臍を中心に温めるようにすると良いようです。


糖尿病
やはり膵臓に関係した病気で糖尿病があります。原因もいろいろと言われていますが、私見を述べさせていただくならストレス(欲求不満)を、食べる事によって解消しようとするものだと思います。つまり代償作用。そして、食べ過ぎたものが燃焼できずに、体の中に湿邪となって残るのです。
 東洋医学では病気の原因を内因(怒、喜、思、憂、恐つまりストレス)。外因(風、寒、暑、湿、燥、熱、つまりストレッサ-)。飲食労倦。という風に分けています。食事のコントロールが必要な事はいうまでもありません。
 しかし、食事のコントロールは出来ているんだが、血糖値がなかなか下がらないという人は、運動を少しやって、鍼灸を試してみると良いと思います。

 週1回の鍼治療と、毎日のお灸で、血糖値が劇的に下がります。



 最近、腰痛の患者が、腰痛治療後に実は痔が痛いといいます。

 女性なのでどうも言い出しにくかったそうです。

 あまりひどくなった物にはどうかな?という気もしますが、痔にもお灸は良く効きます。

 お灸は前腕の孔最というつぼにします。お尻を出す訳ではないので女性には喜ばれます。脱肛の場合はこれに百会といって、頭のてっぺんにもすえます。一度試してみるといいですよ。

眩暈(めまい)

 更年期障害のところでも少し触れましたが、眩暈も患者が長く苦しむ疾患の一つだと思います。

 メニエル病といわれる目がくるくる回る回転性のものから、なんとなく身体がふらつくというようなものまで人によってさまざまです。

 吐き気や嘔吐を伴うもの、難聴耳鳴りを伴うもの、原因も内耳の半規管や前庭のもの、後頸部の凝りから来る椎骨動脈の不全によるものなどさまざまです。 

そして眩暈も鍼灸の取り扱いの案外多いものです。

鍼灸で頸肩の凝りをとって、脳の血流を改善することによって、眩暈が治っていきます。
眩暈にも軽重あると思いますが、眩暈に鍼灸が効果的です。

椎骨動脈不全症
 一過性の眩暈や頭痛、嘔吐、四肢の麻痺やしびれ感、半盲、視力障害、嚥下困難、歩行困難などの症状を伴う。

 原因不明でどこへ行っていいのか困るような愁訴が、頸の後ろを通り脳を栄養する椎骨動脈の不全の場合が結構多い。
 
ある程度の年齢になると、少なからず、この動脈の不全を念頭に置くべきである。脳に送られる血液が順調になると、若さを保つ事も可能である。

動悸
 動悸は心臓病の重篤な物から、疲労などから来る軽いものまでさまざまです。

 病院で問題にされないような動悸は、おけつが原因のことが多いようです。

 朝方にドキドキッとして、慌てて目が覚めるといった事で、気になって治療を受ける人が多いようです。心臓がどきどきっとすると、やはり気になるものです。東洋医学の考え方に「心ひとり病まず。」という言葉があります。「心臓と言うのは非常に活性の良い臓器で、心臓そのものが悪くなる事はない、しかし、他のどの臓器が悪くなっても心臓にこたえるものである。」といいます。ドキっとした時に、心臓が悪いと思わずに、疲れているのかな?と考えたほうが体にいいかもしれません。
 おけつを下す治療で、改善した例もあります。


アトピー性皮膚炎
 アトピー性皮膚炎は現代の難病かもしれません。どこでもなかなか決め手にかけるようで苦労しています。ステロイド剤は是か非かという論争も尽きることが無いようです。20年ほど前になりますが、膝の内側に湿疹が出来てかゆくて仕方が無かったときに、皮膚科に行って、もらった薬が副腎皮質ホルモン剤でした。「かゆみが止まるまで塗りなさい。」と言われて塗ったところ、あっという間にかゆみは止まり、皮膚もきれいになりました。
 すごい薬だと思いました。
 数週間するとまたかゆみが出ました。また薬を塗るとかゆみはあっという間に消えました。そういうことを繰り返しているうちに皮膚はがさがさになったり、きれいになったりを繰り返して、毛細血管がういてきました。
 以来、薬を使うのをやめて我慢するようにしました。今ではかゆみはありませんが、皮膚は周りのものとは明らかに違っていますし、毛が生えています。怖い薬です。
 私の娘は、子供のときに肘の内側と膝の内側に湿疹ができ、医者に見せたらアトピー性皮膚炎といわれ、塗り薬をもらいましたが一度か二度つけただけで捨ててしまいました。乾燥肌でしたが、それ以上悪くなることも無く、いつの間にかアトピーということも忘れてしまいました。今一児の母になっていますが、アトピーは無かったことのようです。
 自分と娘の症例だけで、アトピー性皮膚炎を語ることはできないと思いますが、とりあえずステロイド剤では完治しないという事で、使用を控えたほうがいいと思います。
 井穴刺激療法はアトピー性皮膚炎の痒みを多少抑えることができます、そして何より副作用は全くありません。



 
にきび
井穴刺絡学に、にきびは副交感神経を抑制することによって、症状が非常によく改善されるとあります。。
 症例は少ないですが、効果はあるようです。。

 喘息
喘息は当院での取り扱いは、多くはありません。しかし、数少ない症例ですが、鍼灸は効果があることが認められます。小児喘息は、副交感神経の異常興奮であるといわれています。
年配の方の喘息を、井穴刺絡で治療したことがありますが、副交感神経を押さえるつぼで楽になりました。
 最近増えている、咳喘息というのがあります。喘息になる前段階だといわれています。
 風邪をひいた後に、咳だけが止まらずに頻発します。当院に来られた患者さんも三年前からの咳喘息でした。
 この方は、井穴刺絡はやらずに、長野式治療法で治療しました。喘息のつぼと、扁桃強化の治療で咳は一回目から激減しました。



 痺れ
痺れはどこにでも発生して、非常に不快なものです。
東洋医学では、「しびれは、風、寒、湿の三邪が体に入ったもの」で、治りにくいとされています。
糖尿病の神経炎による、足に出る痺れや,手根管症候群による、手のひらの痺れ等があります。原因は血流に尽きますが、長野式治療法では「しびれは、血糖異常と酸素不足。」ということになっています。そしてこの治療によって、かなり頑固なしびれも治癒に向かっています。
 
 野口英世の「病因一元論」に「病は全て酸素不足である。」というものがあります。なるほどな〜と、考えさせられます。

 
 下痢
 下痢は、いろいろな病気にともなってくるものや、冷え、食あたり、単純に食べすぎ、飲みすぎによるもの、酒の飲みすぎによるものや、もっと恐ろしいものまでいろいろでしょう。
 
 本来下痢は体に備わった防衛反応で、体に入った悪いものを、吐くと同様に、下す、つまり体の外に排泄するという働きなわけです。
 悪いものが出てしまえば、吐き下しは止まるものですが、下痢の場合、神経性のものでいつまでもぐずぐずして、おさまりのつかないものがあります。
 
 過敏性大腸炎などがそういうものなのでしょうが、こういった自律神経の狂いによるものも、鍼灸がよく効くようです。


 便秘
 腸の蠕動の速いものが下痢で、遅いものが便秘であるともいいます。
 一日一回出ないとすっきりしないものですが、出ない人は一週間も出ないという人もいます。
毒素が体に回ってよくないともいいます。体に溜めておいていいはずがありません。 
 以前、三十年間、薬なしで出たことがないという人の、便秘の治療をした事があります。 
 鍼と灸と按腹(お腹のマッサージ)で、 2〜3日に一回ですが、薬なしで出るようになりました。 薬で出すのは、冷やして出すので、必ず下痢になります。すっきりとした快便には、遠いものです。


耳鳴り、難聴
耳鳴り、難聴でお困りの方はかなり多いのではと思います。
当院でも、耳鳴り難聴の治療にこられる方は、結構多いです。しかしながら今までは、すぐに結果が出る疾患と違い、どのぐらい続ければよくなるか、といったことも良く分からずにいましたので、治療も中途半端に終わっていました。しかしながら、ここにきて3人の患者さんが、「耳鳴りが、静かになってきた。」「まったく聞こえずに、諦めていたものが少し聞こえるようになってきた。」という風に、改善されるものが出てきました。

 三人とも、耳鳴り難聴だけの治療をしているわけではありません。一人の患者さんは、足腰の治療を続けていて急に「このごろ、耳が良く聞こえるようになってきたんだよ。」とおっしゃる。
 たしかに、鍼灸は、耳が悪いから耳にお灸するという訳ではありませんが、やはり目標は耳の改善を考えるわけです。ツボはどこでもいいという訳にはいきません。
足腰のつぼを使って、耳の治療になっているかと言えば、経絡(気の流れ)で考えれば、耳の治療にもなっているなあ、と思います。
 耳鳴り難聴も、程度の差や、個人差があると思いますが、改善される事は間違いないと思います。


起立性調節障害
 低血圧症を調べると、この病名が出てきます。朝起きた後に眩暈、吐き気、頭痛、腹痛、倦怠感などが起きる。
 昼過ぎから夕方には何ともなくなってしまうので、怠け病のように云われたりで、本人は苦しむのであります。
 
 古い記事ですが「鼻咽腔炎」堀口申作教授の文章があります。

「鼻咽腔炎」という鼻の病気がある。あまり知られていないこの病気は、1000人の内70%がかかっているという結果であった。
これを治療するとリューマチ、糖尿病、頭痛、蕁麻疹や自律神経症状など、さまざまな病気がよくなったりなおったりするという。
 他にも、肩こり、下痢、便秘が治った例もあり、他の内科的疾患との関連もありそうだ。

 鼻咽腔炎と起立性調節障害の関係だが、起立性調節障害の患者のすべてが、鼻咽腔炎をもっていて、これを治療すると、起立性調節障害もよくなるケースが多い。のだそうだ。

 当院では四人、高校生と中学生の患者を診ました。片方の患者は、長期間病院で薬物治療を受けていましたが、あまり思わしくなく、薬が増えることを嫌がって鍼灸の治療に切り替えました。
 もう1人の患者は、三日間朝起きると眩暈と吐き気があり、夕方は何ともなくなります。
 母親に連れられて、治療に来ました。

 治療は、自律神経の調整、副腎と扁桃の治療。身体に冷えがありますので、冷たいものと飲み物をひかえるようにして、1日1回の鼻うがいをするように指導しました。
 一人は翌日から学校に行けるようになりました。

 治療は継続中ですが、快方に向かっています。



肩凝り、背中の凝り
肩凝りや、背中の凝りで苦しんでいる方も多いと思います。自分も背中が張ると息苦しいほどに辛くなります。
 そういった、背中の凝り感に鍼はよく効きます。
この場合は、その凝った背中の筋肉や、その筋肉の付着部などに鍼をします。治療後の爽快感は申し分ありません。

肩凝りも病気のうちです、病気の全ては血行の不良からくるわけですから、肩凝りは万病の元かもしれません。


背、腰の曲がり
背中や腰が前に曲がって伸びない。

高齢者に多く見られますが、内臓の下垂によってだんだん前かがみになってくるようです。

前かがみの姿勢が長く続くと、腰周りの筋肉が硬くなってきて伸ばす動作がますますしにくくなるということになります。

 この腰周りの筋肉の硬化を、鍼とお灸で柔らかくしていくと、徐々に腰も伸びてきます。

 脊柱管狭窄症の強度なものや、すべり症などのように手術が必要なものは鍼灸の対象ではないかもしれませんが、試してみる価値はあると思います。

小児の疾患(小児鍼)
子供の治療に使う鍼は、小児鍼といって、先が丸いものや、擦るだけのものなど痛みを感じない針(針というより道具)になっています。
 そんな道具で、身体をさすったり、つついたりする程度で子供の病気が良く治ります。


小児の風邪

うつ伏せにして、首を持ち上げさせると、背中に凹みができる。ここが、チリケ(散気)と呼ばれるつぼです。
 小児の治療はこのツボが中心になります。
 風邪で熱のあるときはここを温灸器で暖めます。

小児の下痢
 子供は、お尻がただれるようなひどい下痢をすることがあります。小児鍼をすると、ひどい下痢も良く治ります。
 お腹や腰などを小児鍼で気持ちよくさすります。

夜泣き、癇の虫                                     
夜泣きは、夫婦喧嘩の原因にもなったりして困るものです。

昔、「おたのみ爺さん」という人がいて、子供の夜泣きをよく治して、大変繁盛していました。

 これは、小児鍼の治療を応用したもので、子供の夜泣きは小児鍼がよく効きます。
 癇の虫の場合は、少し気長に治療する必要がありそうです。

小児喘息
小児喘息も小児鍼が有効です


      
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