「DESIGNS #1」は2005年9月25日に発売。
「DESIGNS #2」は2007年7月10日に発売。 「DESIGNS #3」は2008年9月25日に発売。 また、2007年2月に番外編の「SCHOOL DESIGNS」が発売されたため、所感and考察を加えています。 旧設定をまとめた内容とは云え、デザインズに掲載されている情報の一部は新設定に準拠された内容になっているため、連載再開後に公開された情報を踏まえて追記を書き込んでみました。 追記分は青地で表示してます。 |
■ DESIGNS #1 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
基本的には書いてある説明イコールこれまでの様々な考察の「解答」ということになるので、残った疑問点とトピックスだけをまとめます。 ■ 今更ながらしっかりと表記されていること (p7) デザインズには、これまでに凡そほとんどの読者が予想していたことで、センセーもちゃーんと仄めかしていて、しかしながらしっかりと明記されることがなかったことが、少なからず説明されている。 例えば、p7ではザ・ウィル星団暦7777年に再会した天照とラキシスが「融合」することが明記されていたり、p68ではクロークル・ハーマンとハインド・キルが同一人物であることがはっきりと書かれている。その他にもログナーの正体(少なくともカラミティ・ゴーダース星団皇帝、つまりアイエッタ姫の息子)やランドの右目と左腕はオリジナルが失われていることなど(以前は趣味で入れ替えているとか機械化して寿命を延ばしているとか云われていた)、確定情報が多い。 だからどうしたという訳ではないんですが、うちみたいなサイトだとこれが結構助かる情報だったりします。ヨカッタヨカッタ。 (2005.09.27) ■ A.K.D.パート:p40までの目立った設定変更・新設定 (〜p40) 40ページまでのパートで目立っている設定変更や新設定。 ・天照は処女懐妊や単相ではなく、完全に「無」から出現した存在であるということ。 ・メル・リンスと東の君は、それぞれ天照の命とリトラの能力をコピーした「天照の分身」であるということ。 ・シトロン・メナー・天照からシトロン・フリーズ・メナーに名前を変更(フリーズ・カッティスと統一か)。 ・爵位の意味合いが「EG」の解説文から変更になり、現在の地球上の爵位に近いものとなった。 ・A.K.D.における称号「左大臣」と「右大臣」の追加。 ・メル・クール・リトラが非常に優秀なパラ・サイマルであったこと(ハスハの巫女並み)。 ⇒メル・クール・リトラはライヒ・ナカカラと同時期に出現したハスハの巫女(=詩女)として再設定された。 ・ダイバーたちの総本山がカステポーの「聖宮ラーン」。 ・K.O.G.のエンジンはイレーザー1050(他のミラージュは1051)。 ・また「ザ」を付けて呼ばれるK.O.G.は、ナイト・オブ・ゴールド[ラキシス]のみ(以前はアトロポスのK.O.G.に付けられていた)。 ・ルミナス・ミラージュの正式名は「ポコちゃん1号」。 ・東方10国の名称が微妙に変更。アトワイト公国のピタ区がメナー家の領地であることが判明。 ・フロート・テンプルのクィーンズ・プレートが、星団法制定モニュメントであることが判明。 爵位については、単語辞書に登録してあるので参考にしてください。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の大まかな説明を入れてあります。 左大臣は律令制で云うところの太政官(つまり内閣)の長官で、太政大臣の次の位のこと。右大臣は左大臣の次の位。A.K.D.軍における官職ではログナーの方が上位に位置するが、アイシャはやはり天照家の直系王族ということもあって、より位の高い左大臣になっているようである。太政大臣という役職(もしくは称号)は存在していないようなので、単純に「天照の次にエライ」のが左大臣、「その次にエライ」のが右大臣と考えればいいか。 ちなみにお雛様の飾り付けでは、この左大臣と右大臣が弓矢を持っているのだが、コミック10巻p164で描かれた天照家創興4400年を祝う壮宋祭でも、アイシャは弓を持っていることが確認できる。ログナーの槍は絵のバランス重視で持たされた可能性が高いが、おそらくこの時の2人の格好が、左大臣と右大臣の正装だろう。 ⇒左大臣および右大臣のさらに上に太政大臣の位があるが、現在は空位となっている設定。マキシを太政大臣にする考えもあったようだが、天照は早々に諦めたようだ。 ポコちゃんと云えば、菓子メーカー不二家のキャラクター(男の子の方)である。ルミナス・ミラージュのピンクのボデイ、そこに描かれたハートや花びらがお菓子のようなイメージを醸し出しているということだろうか。ピンク色と細身の機体はクロスの雌型を彷彿とさせるが、K.O.G.は男の子ということで「ポコちゃん」となるのは正解。意外とアイシャがヨーンに貸し与えるMHがクロスの雌型だったとしたら、こちらが「ペコちゃん」と呼ばれるのかも知れない。 あと、ピタ区の設定をセンセーが忘れていなかったのは驚き。「CH1」に掲載されてからは一度も出てこなかった設定なので。 (追記 2023.01.08) ■ MHパート:p66までの目立った設定変更・新設定 (〜p66) 66ページまでのパートで目立っている設定変更や新設定。 ・L.E.D.ミラージュは対スタント遊星戦(おそらくはサタンとの戦い)のためだけに作られた戦闘兵器であるということ。 ・バクスチュアルとパートナーを組んだ騎士として、アイシャ、ログナー、ランド、ダグエランが追加。この辺の隠し設定はエストに近いモノがある。 ・C型ミラージュはカルバリィC(クロス・ミラージュのプロトタイプ)のみを表す型式に変更。その他、型式はほとんど全て変更。 ・ルクス、ルガー、クルツ、フレイムの各ミラージュがお蔵入りに(涙)。 ⇒いずれも新設定において名称変更の上で復活した。ただし、本編登場がいつになるかは不明。デザインもまだ確定していない模様。 ・雌型クロス・ミラージュのカラーが変更。上半身と下半身が同色に。 ・ワンダースカッツがヴンダーシェッツェに、クラウドスカッツがヴォルケシェッツェに、それぞれ名称変更。ヴンダーシェッツェはカラーも変更。 ・またヴォルケシェッツェはステージ1からステージ3までのバリエーションが追加。メイン搭乗者がカーレルとティータに変更。 ・MHエレシスがほとんどルージュ・ミラージュの別名扱いに(既に「ルージュ(赤)」という名前の意味が無くなっている)。 ・雷丸イコールバビロンズであることが確定。 えーっと、とくに考察ポイントはなし。 ヴォルケシェッツェのメイン搭乗者がカーレルとティータになったのは、「エルガイムMk.IIの頭部に収まっていたファティマはティータ」という懐かしい設定を思い出させますね。 型式の変更は、通常の兵器の開発ではよくある話なので、素直に納得していたのだが・・・カレンによる仕業というのがどうにも。クロス・ミラージュのプロトタイプと同様に、E型やF型に相当する試作機がこれから設定上に加わってくる気がしますねぇ。それともカレンが開発途中の試作機をタイカに持ち込んで、勝手にE型やF型の兵器として完成させたとか。カレンはクフィルもタイカに持ち込んでいたようなので、そういった無茶をしている可能性もある。 ただ、こうなってくるとアルファベットNo.とかその辺の符合もどんどん大変なことに(涙)。 ⇒型式の変更はいずれもGTMへの改変を見越した内容になっている。また、ジョーカー世界に改変をもたらしたのは、カレンと大雲上=ビヨンド・クラスファー=最高位存在アマテラスという設定になっている。 この設定変更もまた魔導大戦で描かれるエピソードのギミックになっている模様。MHの設定は消え去った訳ではなく、アウクソーの中にはシュペルターの記憶が残っているようだ。 プラスして、センセーは以前、少なくともL.E.D.ミラージュについては各機体の歴代搭乗者、その時の機体No.、撃破数の全てを整理すると云っていたんですが・・・相変わらず設定を明かすつもりはないようですね。 (追記 2023.01.08) ■ JOKERによる天照の監視 (p74) コミック6〜8巻で天照の力が一時的に失われ、再生蘇生すらできなくなっていた原因は、なんとJOKERによる抑制があったためらしい。なぜJOKERがこのような行動に出たのか・・・説明文では「不明」となっているが、これはこのエピソードの「結果」を見直すことでおのずと見えてくるのではないだろうか。 JOKERによる干渉が無くとも、ソープとすえぞうが出会うことはできたかも知れない。しかし、ソープとすえぞうがアトロポスに出会ったこと、アトロポスがすえぞうを預かることになったのは、天照の力の消失が遠因となっている。 また、アトロポスは一連のエピソードを通してMHに乗ることの意味を知り、ヒトの命を奪うことの是非を知り、妹と戦う自分の未来を知ることになる。さらに、すえぞうに「私を殺して」とお願いするのは、アトロポス自身の意志によるものであるが、このエピソードで最も重要なのは、アトロポスが「ファティマに終焉をもたらす」という宿命を受け入れたことだろう。 8巻のラストをもう一度見直すと判るが、この宿命を教えたのは「グリーン・ドラゴンの元で眠っていたクーン」であり、彼女は「クローソーが(既に)決断した」ことを伝えることで、アトロポスにも決断を促している。アトロポスとクローソーが2人揃って死後にゲートキーパーに成るというのも、ある意味ではこの瞬間に決意したのではないだろうか。クーンが物語上で果たしている役割については、未だ不明な部分が多いが、この時点で彼女はより高位の存在としてアトロポスを導いていることになる。 つまるところ、JOKERは天照の力を抑えることにより、L.E.D.ドラゴンやクーンの協力を引き出し、アトロポスに自身の宿命を受け入れさせた、というのが桜牧師の見解。「宿命から逃れようとしていた女神に自覚を持たせ、アンタの心配事を片付けてやったんだぜ〜」と思っているのか、ソープを出迎えたスペクターは「片付けた」ことを意味するパフォーマンスとして「はき掃除」をやって見せている・・・と考えるのは深読みしすぎか。でも意味深なんですよね。ポーターはホウキを持っていても掃除はしていないので。 (2005.10.05) ■ ドカスポルトカラー (p88) ファティマ・ソルティアのスーツのカラーは、ドゥカティのスポルトから用いられた色らしい。 ドゥカテイ(Ducati)は1926年にアンドリュー・ドゥカティとマルチェロ・ドゥカティが創業したイタリアのバイク・メーカー。創業当初はラジオの部品製造メーカーだった。スポルトは後のSS(SUPERSPORT)シリーズの基本形となった750SPORTのことを指していると思われるが、このスポルトの開発された年がソルティアのデザインされた年と同じ1988年である。 ネットで検索すれば、ソルティアのスーツとほぼ同じ赤い色がドゥカティのイメージカラーになっていることが判るはず。当時のセンセーはバイクに関してはかなりミーハーだったのね。・・・現在はKAWASAKI一本槍のような感じですが。 (2005.11.06) ■ 右翼大隊パート:p96までの目立った設定変更・新設定 (〜p96) 96ページまでのパートで目立っている設定変更や新設定。 ・第1期ミラージュのメンバーが変更。ビュビュス・コーダンテが抹消となり、メルカ・ルーモアズがNo.3に繰り上げ。パルトーク・クリサリスが抹消となり、ガルシアと呼ばれる新キャラがNo.7に登録されている。 ・ジャコーがNo.Aという設定は、No.1に変更。ソープがNo.Aであることを考えれば、妥当な変更ではないだろうか。 ・一部のミラージュ騎士の名前が変更。ヒューズレス・カーリー→ヒューズ・カーリー、ヴィンズ・ヴィンズ→バイズビズ、ベルナルド・パッカーズ→バーナー・ダウド、フリーズ・カッティス→シトロン・フリーズ・メナー、クリッツァー・スペック→エルディアイ・ツバンツヒ、リキッド・アラバスタ→ライキッド・オーシャン、ヘルバルティン→パゴナ・ヘルバート・・・まあ、左翼の名前変更は仕方ないか。 ・ベルベットが剣聖に(マキシが最後の剣聖という設定は抹消)。 ・ミラージュ騎士団はログナーの思想を具現化した集団であるということ(つまり対サタン用戦闘集団であるということ)。 ・ファティマ・イエッタの名付け親はログナー。 ここもとくに考察ポイントはなし。 ビュビュス・コーダンテは事故に見せかけて暗殺されたことになっているので、さすがにミラージュ騎士がその程度で死ぬのはマズイということで設定変更になったのかも知れない。 また、劇中にメルカ公の名前で登場した人物は、ライム公の間違いではなく、ちゃんとメルカ公で正解だったことになっている。メルカは女性騎士という最初期の設定は完全に抹消ということで。 L.E.D.ミラージュが本能で動くMHであるという説明(リィ・エックスの解説文)を読んで、要するに天照は、サタンに対抗するための「人工のサタン」を作り出したのではないか、と思ってみたり。フレーム・ランチャーの出す焔が、スタント遊星の放つブラック・フレアのプロミネンスと同質という設定も、微妙に(スタント遊星と共に現れる)サタンをイメージする設定である。 (2005.11.06) ■ スパイダーシルクについて (p121) ミラージュ騎士のスーツの解説で書かれているスパイダーシルク。特定のクモが生み出す強靭なクモの糸のことで、鉛筆くらいの太さに束ねると、飛行中のジェット機ですら止めてしまう強度をもつらしい。現在はバイオ技術を用いてさらに強靭な糸を大量に生産する方法が研究されているそうで、これが完成すればマジで絹よりも柔らかく鉄よりも硬い繊維が誕生することになる。地球においてイレーザーエンジンや人工生命体を作り上げることは夢のまた夢であるが、服飾に関してはわずかながらジョーカー星団に近付きつつあるといったところだろうか。 ついでながら、スパイダーシルクはクモが出す牽引糸と呼ばれる糸で、一般に想像する粘着力はない。クモは目的に応じて複数種の糸を放出しており、粘着性の糸はクモ自身もちゃんと粘着するそうである。 (2005.11.06) ■ 左翼大隊パート(4000年代右翼含む):p124までの目立った設定変更・新設定 (〜p124) 124ページまでのパートで目立っている設定変更や新設定。 ・ミューリー・キンキーのファティマはコークス博士のイルペオ。ケーリッカクは天照預かり。 ・メイザー・ブローズほか、エルディアイやエックス家の娘たちが新規キャラシートで追加。 ・マドラの真なる人格としてアルゴン・プロミネンスが追加。アッサラム・スキーンズやビビアント・クルマルスと並ぶ超帝國の剣聖である。 ・パナール・エックスもリアル女子高生騎士団ルミナス・ナイツの一員? ・エルディアイ・ツバンツヒのプロフィールの追加。パートナーはオーハイネ。 ・コミック1巻に登場していたとされるウピゾナはやはり別人ということで最終回答。ま、その方が納得が行くし。 ・ゴウト・ミラージュはジ・エンプレスと同一の機体?(タワーの解説より) ⇒同一の機体で確定。 アルゴン・プロミネンスはラキシスのガードナー。問題は「何」からラキシスを守るのか、という部分であるが、これまでの解説を見る限りではやはりサタンたちの手から守る、ということで間違いないだろう。天照と共にハスハ入りする彼女に対して、魔界から何らかの接触があるということか。毎月NTを購入しているヒトであれば、今後間もなくの展開でカレンが登場してくることもご存知のはず。つまり、またもやコミック6巻のようなドタバタが展開するということだろう。 今回はログナーやマキシなども絡んでくるので、かなり注意深く読まなければならないってことですな。 ⇒この詳細はコミック16巻で描かれることとなった。 バイズビズの胸のバラは、やはりローゼンクロイツつながりの紋章ってことで。 パナールの父親は不明。んが、「TT」には星団暦2990年にアトワイト王女(リィ)夫婦がバランシェ邸を訪れた、とチャーティ・ウッドさんが話している記事がある。意外と身近なヒトなのかも知れない。・・・って、センセーもたぶん忘れてると思うけど。 ・・・エックス家の娘さんは皆、タイツがすみれ色で統一されてるのね。 カーレルの服装はちょうど彼が乗り込むヴォルケシェッツェの機体色にマッチしていてカッコイイ。「黒騎士を狩る」役目をもつクリサリス家のイメージカラーは、やはり「黒」に反する「白」ということなのだろうか。渋いですね。 NT連載時の考察で書いたが、ティータの別称である「Show Must Go On」はQUEENが1991年に発表したアルバム「INNUENDO」に収録した「The Show Must Go On」からの引用と思われる。「ショウは続く(続けなければ)」という意味で、センセーの解説を読めば、彼女が今後もFSSを引っ張っていくキャラクターであることが理解できる。いや、むしろセンセー自身の意気込みと決意をティータに背負わせたとも読み取れるだろう。 ちなみにこの歌のサビの部分では「The Show must go on」の後に、「Inside my heart is breaking, my make-up may be flaking, But my smile still stays on.(心砕かれ、メイクが剥げ落ちても、笑顔だけは絶やさない)」と続いている。エストと同じく、FSSの中心に位置するキャラクターとして、彼女も数々の悲劇に見舞われる運命を背負っているのかも知れない。 パナールのところでも書いたが、アラート・エックスのタイツもすみれ色。すみれ色と云えば、シャーリィからロレッタ、パナロッテに受け継がれていくイメージ・カラーである。第2部の最後にアラートが選択する運命がどのようなものか・・・このすみれ色が暗示していると読めなくも無い。 他にもファティマにしてアトール騎士のタワーがオペラピンクのスーツを着ていることも実に暗示的である。彼女もまた運命の3女神級の謎を抱えているということか。また、NT連載時の考察で書いたように、シシステスケスレムとヴィッターシャッセのスーツはそれぞれオレンジライトとグリーンレフトの色になっている。今回のデザインズでは「色」もなかなか重要な要素となっているようである。ファティマ・フォーカスライトのスーツ・カラーもウルトラマリンに変更されてたりするし。ウルトラマリンはナッカンドラ・スバースのMHスーツと同色(「TTの解説より」)であり、おそらくはフェイツ公家のイメージ・カラーである(ウラニウムの服の色)。 プロフェッサー・ビリジアンことギルフィー・ビリディンについても、とりあえずは放置の方向で。首もとの血管とか、実に怪しい人物である。ただし、アシリア・セパレートはこの人物とシアン公爵夫人の協力で誕生するらしいので、登場する時はコンビで単なるお笑いキャラになってしまう可能性がある。 ⇒連載再開後の設定変更でアシリア・スーツの登場時期は星団暦2400年代となり、システム・カリギュラのギルフィー・ビリジアンがアシリア・インジェクター・パーツの基本構造を提唱・開発した人物として設定された。 エレーナやトモエなど忍者騎士の身長については、以前、うちの考察ページでも触れていたので、まあ読みがはずれていなくて良かったなと。 (追記 2023.01.08) ■ A.K.D.軍パート:p144までの目立った設定変更・新設定 (〜p144) 144ページまでのパートで目立っている設定変更や新設定。 ・星団暦4000年代における星団全体の技術力低下、騎士の弱体化について補足。 ・ルンは参謀長官でもある(意外と重要な設定で、これを知ることで7〜8巻の彼女の思考・決断の「重さ」が見えてくる)。 ・装飾品、賞受章、勲章の解説(大変有難い内容)。 それにしても、A.K.D.軍の解説ページはセンセーが意地で入れたのか、見出しが全て英訳と独訳で入っている。これはドイツ軍における軍隊内の呼び名と照らし合わせることで、地球ではどのような役割に相当する兵士・兵器なのかが判るので、うちのようなサイトには非常に有難いとりまとめ方である。 戦艦のスピードで出てくる「ソル」とは「S.O.L:Speed Of Light」つまり「光速」を表している。ベル・クレールのスピードはかなり遅い方で、ヤクト・ミラージュなんぞは本編中で光速の3×365倍のスピードでボォスに向かっているシーンがある。ジョーカー星団の各恒星間は約1.5光年。ベル・クレールのブースト時のスピード(ソル30.5)でも約18日間掛かる計算である(ヤクトは12時間)。民間船で約1週間の移動時間という設定もあったはずなので、少し遅すぎるのではないだろうか。 (2005.11.07) ■ アルセニック考察 (p149) これまでのセンセーの解説に出てきたように、ジョーカー星団の全ての生物には共通した生体コードが隠されている。「モナーク・セイクレッドののぞみ」という言葉が何を意味しているのか現時点では不明だが、モナーク・セイクレッドについてはメタな設定が明らかにされているので、多少暴走を含めて想像することはできる。 171ページにしっかりと書かれているように、「モナーク・セイクレッド」は「あなた」つまり我々読者である。ジョーカー星団に存在するほぼ全てのキャラクター(ヒトや動物を含む)は読者の意志と希望から生まれている。それを象徴しているのが「生体コード」と考えれば・・・ここでセンセーは「FSSを支えているのは、あなた方、読者の皆さんの意志ですよ」と云い切っていることになる。 読者が望む限り、FSSの世界は無限のキャラクターを生み出し、歴史を紡いで行く。 がしかし、FSSにも何時かは終局が訪れる。物語には終りが無ければならない。では、読者の意志と希望を断ち切り、FSSを終わらせるのは誰なのか・・・。 懸命な読者であれば、センセーが「コミック8巻のラストでログナーがあるセリフを口にすれば、FSSを終わらせることができた」と云っていたことを思い出せるはず。また70ページのログナーの解説にも「この物語は彼のことばで終わる」と書いてある。つまり、ログナーこそが「物語の終局を知る人物」=「モナーク・セイクレッドの終りを知る人物」であることが判る。おそらく、ドラゴンに生体コードが隠されていないように、ログナーにも生体コードが打ち込まれていないのではないだろうか。彼らは読者の意思を一切無視して物語を終わらせる役目を持っているのだから。 アルセニックの死に際に彼女を訪ねてきた人物は、タイ・フォンが探索している「モナーク・セイクレッド」の存在とその「終り」をアルセニックに伝えた。故にアルセニックは安らかに逝くことができたと・・・つまり、彼女の死を看取った人物は「モナーク・セイクレッドの終りを知る人物」であるはず。 ステートバルロやブラフォードなど、間者として設定されているキャラクターは劇中でも登場しているが、「彼」ほど読者から見て常に「間者」に位置している人物はいないであろう。我々は、センセーの意図によって最も重要な人物の情報を常に隠匿されている訳である。 ・・・と、ここまで書きましたが、あくまでも桜牧師の考える戯言なので、適当に読み流してください。 ついでに・・・モナーク・セイクレッド(Monarch Sacred)は意訳すると「君主ですら破れない神聖なるモノ」となる。そしてバビロン(Babylon)はアッカド語のBab-ilim(「神の門」の意)が語源になっている。モナーク・セイクレッドの騎士でバビロン王でもあるログナー・・・この2つを見通すと、彼は「聖典を守護する番人(門番)」ということになるのではないだろうか。うーん、違うか。 (2005.11.07) ■ フェイツ公国のパート:p152までの目立った設定変更・新設定 (〜p152) 172ページまでのパートで目立っている設定変更や新設定。 ・ウラニウム・バランスがバランス家の初代公爵に変更(つまり公国となってからの初代バランス家当主)。6代目という設定は抹消か。 ・ファテイマ・フォーカスライト=アウクソー=デルタ・ベルンという長年に渡って囁かれていた設定が、今度こそほぼ確定情報に。ただし、デルタ・ベルンというファティマにはヒト型とエトラムルの2タイプが存在しており、ジュノーンの頭部に収まっているのがどちらになるのかは、未だに確定されていない。 ⇒NT2021年4月号にて星団初のファティマであるフォーカスライトのみ、強制リブート能力をもつことが明かされ、この特性がアウクソーへ、そして、デルタ・ベルンへ引き継がれることが判明した。 つまり、クローソーを載せたまま休眠状態となっているSR4を唯一再起動できるファティマがデルタ・ベルンということになる。また、デルタ・ベルンはミース製作の3体目のファティマとなることが明かされたものの、どのような経緯で完成するかは未だに不明である。 それにしても純血の騎士に仕えることを望むアウクソーが最終的に「デルタ・ベルン」と呼ばれるファティマとなり、クローソーを見守る・・・つまりコーラス26世をマスターとするというのが、何とも微妙な設定である。コーラス直系の血はコーラス4世ではなく、セイレイが残していくことになる。彼女の相手が誰になるのか、まさか純血の騎士の血を継ぐ誰かではないよね。 ⇒NT2022年5月号でコーラス王家は超帝國剣聖ララファ・ネーデルノイドの技量と知識を受け継ぐ一族であることが明かされた。よって、コーラス王家は純血の騎士の血を求めるフォーカスライトの嗜好を満たす一族ということになる。 (追記 2023.01.08) ■ シルヴィスとラキシス外伝に関する情報の変更と公開 (〜p165) ・とりあえず、名前がシルビス・レィス・ビーナスに変更。 ・また、タイカ宇宙へと移動したマキシが人間的な感情を学び、タイカ・シバレースとして成長することに。 ・S.I.L.と呼ばれていたキャラクターが、シルビスとマキシの因子を継ぐシルビス・ミラーに変更。 ・うーん、となると・・・ユーリヒはシルビスとマキシの子孫という設定も抹消か。 ・クフィルとマンティコアは大きさが変動する。そしてラキシスのポケットやK.O.G.のコクピットに入れられて一緒に旅をする。 ・最強のサイボーグ兵器ビュランコートの追加。 ・ラキシスはタイカにも出現する。 ⇒この詳細はコミック16巻および巻末の設定資料で補完された。 シルビス・ミラーはルシファ・センタイマの子孫でありながら、シルビスの意思を継ぐ者とされている。ユーリヒについては出自が明かされておらず、マキシやシルビスとの関連性は不明。 S.I.L.は、センセーが「PSO」をやる際に使用していたメインのキャラをFSSに持ち込んできた格好になる。確かHUnewearl(ハニュエール:ハンターのニューマン)だったはず。桜牧師はオンラインをやらず、ひたすらスタンドアローンで遊んでましたが、やはりハニュエールで遊んでました。まあ、女性キャラで剣を持とうとするとこれになっちゃうんですよね。 (追記 2023.01.08) ■ 懐園剣とサタンとログナーについての考察 (〜p171) さて、今回最も厄介なポイントとなる神々の設定である。 問題を整理する前に大まかなポイントを列挙すると以下のとおりとなる。 まずログナーについて。 ・本名はカラミティ・ゴーダース星団皇帝。そしてモナーク・セイクレッドの騎士。ドラゴンたちの主人。そして「人間」。 ・母親はアイエッタという名前。 ・炎の女皇帝は彼の正体を探っている。またモンソロン大帝も彼のことを知っている。 ・彼の父親がクローン化可能な体にしておいた。が、現在、クローン体は尽きており、ドウター・チップにより無限に生まれ変わることが可能。 また、これまでの情報公開や連載時のセリフから。 ・サタンたちとの対戦記録がある。ジェネリック・オーバーロードのタンツミンレに一度だけ敗れている(炎と呼ばれる人物を庇って)。 次にサタンについて。 ・目的は「命の水」と「ラキシス」。 ・サタンをジョーカー宇宙に遣わしているのは、バスター宇宙の大剛神モイキュード。モイキュードはカレンとユーリヒの敵。 ・サタンたちはログナーを知っている。 そして懐園剣について。 ・カレンが天照の警護のために生み出し、ジョーカー宇宙に送り出したもの。 ・時間と次元を自由に行き来する。 ・雄剣の正統な所有者はマキシ。 ・雌剣の最終所有者はカレン(以前のNTの記事ではシルヴィス)。 これらの項目と2003年12月号のNTの記事をなるべくストレスの無いように融合すると、ジョーカー宇宙における懐園剣とサタンの戦いの歴史は以下のように整理される。フーバーク大帝を最も古い時代の話として整理すると、おおよその流れが一気に整理される。
前述のとおり、サタンがジョーカー宇宙に出現するのは、大剛神モイキュードが彼らを遣わしているため。つまりタイカ宇宙とバスター宇宙の戦いが主体となっており、彼らは何らかの「裏の手」を求めてジョーカー宇宙に干渉しているということになる。
表にして並べてみると、AD世紀以前の戦いは純粋に「命の水」を巡る戦い。星団暦2000年頃の戦いはカレンの父である天照を狙った作戦。そしてコミック6巻でのルシファ・センタイマの干渉やこれから展開されるであろうエピソードは、カレンの母であるラキシスを狙った作戦という感じがしてくる。 また、面白いのが、ログナーがドウター・チップを使うことになる時代と、懐園剣の初出現時期が重なっていることである。 これはつまり、ログナーのコピー体がそろそろ尽きることが予測されたため、天照を守護するために、「モナーク・セイクレッドのハイペロン」がカレンに依頼して懐園剣を送ってもらった・・・ということになるのではないだろうか。ログナーのコピー体が尽きそうなことを予測できるのは、ログナーの父親やログナー自身など、わずか数人に限られるはずである。となると、ハイペロンの正体はログナーの父親やログナー自身、おそらくは「カラミティ・ゴーダース・ハイペロン星団皇帝」とも呼べる人物になるのではないだろうか。ログナーが「モナーク・セイクレッドの騎士」であるならば、あながち間違いではないと思うが・・・。 ただ、そういった依頼を出した後で、結局、ドウター・チップによりログナーが「超常の不死王」になることは、ハイペロンも予測していなかったということか。 ログナーは天照がジョーカー宇宙を創造した神であることを知っており、彼が天照大神となってサタンを上回る存在になるまで、何度でも蘇り守護していくのかも知れない。上記にまとめたログナーの戦いの記録は、おそらく彼が経験してきた数多くの戦いの一部であり、とくに懐園剣が出現するまで期間は彼とドラゴンが全てのサタンたちを駆逐してきたのではないだろうか。 今までうちのサイトで書いてきた、ブーレイ−シオ−カリギュラ−サタンというラインは全くのハズレだったということで。 ⇒懐園剣の出現と戦闘記録については、コミック16巻の内容でかなり大きく変わったので、上記の内容は読み流してください。 懐園剣は「マドラの望みを受けて赤子の天照が生み出した武器」という扱いになっており、出現に関してはカレンもログナーも全くの無関係である。 ⇒ログナーについてはコミック17巻に収録されるエピソードで詳細が明かされる。 ログナーは機械神(モナーク)が現世に関わるために生み出した現身。超古代におけるジョーカー星団の星王がバビロン・ハイペロン総帝で、その保存個体の最後の1体がログナーのオリジナル体とされている。 つまり、ハイペロン総帝の時代に造られた太古の巨大兵器がモナーク。そのモナークが現身を造る際にハイペロンの保存個体を使用。その最後の1体が2020年(天照の誕生年)に死亡し、ドウター・チップによって復活させられたと。 AD世紀以前の時代においては、モナークがモナーク紀、伝承紀、モンソロン紀、アズデビュート紀と4つの時代において、人類を監視し、サタンの侵攻を食い止めていたようだ。 (追記 2023.01.08) |
■ SCHOOL DESIGNS |
中身は15名プラス1名の女学生(もしくはかつて女学生であったヒトたち)のキャラシートとその解説。学校案内手帳というだけあって、ほとんどが星団内の学校に関る情報で占められています。んで、新規の謎情報も散りばめられていると・・・。一部の設定はDESIGNS #2で詳細が明かされるようです。 ■ 解説の最初からバリバリ新規設定の嵐 (p19) ジョーカー星団の学校システムの解説の部分で、新規の設定が追加されている。 ・天照家のための専門学業機関にして、ダイバーズ・パラ・ギルドの養成機関でもある「典星舎」の存在。 ・そしてカステポーのラーン聖宮にある「ラーン教導学院」の存在。魔導大戦中はフンフトがここの教導神学長を務めるらしい。 ・大戦終結後はマグダルがその地位を引き継ぐ。 ・MHマイト(と思われる)ダリ・キアが開発した「アトラ」は聖導騎士団「アイル・フェルノア」に配備される。 ・「アイル・フェルノア」の騎士団長はキャナリア・アイデルマ神聖教官。 ・天照が星団侵攻の際にラーンに手を出さずにいたのは、ラーンに「エンドレス」と「彼女」がいたから、らしい。 ラーン教導学院というのは、コミック12巻で名前だけ出ていた「ラーンの神学院」のことだろうか。フンフトが教導神学長を務めるのは、おそらく彼女がアース・ドラゴンに連れられてラーンに入ってから後の話になると思われる。魔導大戦終結後にマグダルがその地位を継ぐというのであれば、本来は歴代アトールの巫女がその役目を負うことになっている、ということだろうか。 また、天照とムグミカは立場や肩書きを越えた信頼関係のようなものが見て取れるが、天照家の「典星舎」とカステポーの「ラーン教導学院」は敵対関係にあるという。コミック12巻でも、ハスハとラーンの間にはいろいろと不都合があったらしいことがゲンジャとベクターの口から語られていた。この辺の情報から察するに、巫女とラーン教導学院の間には考え方のズレがあるように思えてくる。 聖導騎士団「アイル・フェルノア」は、デプレが指揮することになるネードル・ナイツとは別の集団ということになるだろうか。ネードル・ナイツの設定がまだ生きているなら、前者はラーンの防衛騎士団、後者はアトールの巫女を守護する皇帝騎士団といった扱いになると思われるが・・・。ダリ・キアとか、アトラとか、キャナリア・アイデルマとか、この辺は全く想像できませんね。 「エンドレス」と「彼女」については、とりあえず「すえぞう」と「アトロポス」を指しているのではないかと思える。エンドレスという永続性を感じさせる名前から、アトールの巫女やログナーをイメージさせる単語だが、天照が侵攻をためらう相手となると、この2名しかいないのではないかと。 ⇒上記は間違い。連載再開後の設定公開で、「エンドレス」の正体はSR4ジ・エンドレス=ジュノーンであることが判明した。つまり、「彼女」とはクローソーのことである。ではなぜ、ジュノーンとクローソーが聖宮ラーンに移されているのか・・・その理由は明かされていないが、おそらくはファティマ・デルタ・ベルンの搭載によるジュノーンの再起動を狙ってのことではないかと考えられる。 (追記 2023.01.08) ■ ミラージュ関連の追加設定 (〜p27) グリース王立内宮高等学校に通うミラージュ騎士関連の追加情報。 ・コミック12巻p158で餅を焼いていたパナールとじゃーじゃーの制服は、中学校の時の制服。 ・タイトネイブの本名はシージラック・オリビー・タイトネイブ(元服後)。 ・ミューリー・キンキーの一族、キンキー家は天照家の衛生王族。彼女は一族初のミラージュ騎士らしい。 ・シトロン・メナー・天照はムムカーラ・シナーテ王家の長女で、メナー家の筆頭という設定(?)。 ・かつてミラージュ・レフトのメンバーとして設定されていたフリーズ・カッティースという名は、シトロン・メナーのあだ名(「フリーズ」、「カッティース」という2つのあだ名)、ということで落ち着いた。 ・また、シトロン・メナーはルミナス・ナイツに加わることになるらしい。 ・エルディアイ・ツバンツヒの本来の使命は、魔導大戦のバランス調整、天照の調査、「ショウメ」と呼ばれる存在の調査であったらしい。 ・ミラージュ入団後はそういった使命をほとんど忘れて居候する形になり、ウィル星団暦7777年まで天照に付き合うことになる。 この辺はとくに考察する点はなし。 カッティースの意味が不明・・・cuttys?、cutties?で「切れるような鋭さ」といったイメージのあだ名だろうか。また、「ムムカーラ・シナーテ王家の長女で、メナー家の筆頭」という設定の意味がイマイチわからない。斑鳩が旧シナーテ家で、シトロンはメナー家という設定ではマズイのか・・・。メナー家始祖として名前が挙がっているワルプルギス・メナー・ムムカーラ公爵はシナーテ家から分家した人物である。そういった意味でシナーテの名前も引き継いでいると考えればいいだろうか。 エルディアイの好物として書かれている石井のチキンハンバーグはレトルト食品。錦松梅はフリカケ。タコさんウインナーや梅干しも含めて、全て弁当に入れるのに適した食品である。弁当づくりにハマっている彼女ならではの好物と云える。ちなみに塩分17%以上の梅干しとは、昔ながらの製法で作った梅干しのことで、近年出回っている梅干しよりも若干塩分が高い。桜牧師もこれぐらいのショッパイ(酸っぱいではなく)梅干しが好き。 ショウメについては、未だ判らずじまいですね。 ⇒ショウメの正体はコミック13巻で明かされる。 (追記 2023.01.08) ■ 典星舎とリトラ (〜p29) 典星舎は、ダイバーの子供しかも女性のみを集めて天照家の女官および魔導結社メンバーの養成を行う特殊な学校であり、一部の有能なメンバーはそのまま歴代皇帝の近衛部隊に入るらしい。命(ミコト)さまの近衛部隊は「銀衛隊」、天照の近衛部隊は「幻影隊」と呼ぶ。コミック6巻に登場していた浮遊城ヘル・タワーのダイバーたちが、この幻影隊に当たるのだろう。連載時の扉絵には、ダイバー以外にディスペラー(霊払い)、パラ・サイヤー(霊媒師)、ミコ(神子)といったメンバーが描かれており、それぞれ異なる力をもつエキスパートが揃っていることが判る。 これまでに名前だけ登場しているル・ゾラやフリエといったダイバーも、もとは典星舎の出身ではないだろうか。 今回の設定では詳細が明らかにされていないが、リトラは天照家にはない特殊な能力をもつ人物であったらしい。当初から天照の妻として典星舎に迎え入れられ、ミコトと同等の立場を持っていたという。 うーん・・・ミコトが幼少時の天照に心を植え付けようと苦心していたことを考えると、リトラの能力もそれに係るモノであったのではないだろうか。例えば、心を閉ざしたヒトの深層心理というか精神世界の奥底にダイブして、心をサルベージするような能力である。リトラが天照の精神世界(そもそも心がないから精神といったものもないのかも知れないが)に入り込んだことで、神という存在に触れてしまい、その寿命を縮めてしまった・・・という設定があっても面白い。 ⇒前述のとおり、メル・クール・リトラはライヒ・ナカカラと同時期に出現したハスハの巫女(=詩女)として再設定された。 ところでリトラの設定で唯一気になるのが、リトラは「ミコト亡き後の実質的な代表者」であったという部分。リトラはミコトが亡くなる以前に既に他界していたはず。これはつまり、高位体となってから代表者になったということだろうか。・・・んが、ミコトさんも亡くなった後に高位体になってるし、しかも今現在のなおA.K.D.を支えている人物である。リトラの出番は一体どこにあったのか。 (追記 2023.01.08) ■ その他の新規設定 (〜p45) その他の新規設定。 ・ちゃあの通っていた学校は、FSSの並列外伝「プロムナード」に登場した学園の設定をそのまま引き継いでおり、やはりメサ・ルミナス学園と呼ぶようである。 ・NT2007年2月号の付録カレンダーに描かれていたノルガン・ジークボゥは、ちゃあのクラスメートであり親友でもあった。 ・ノルガンは大国の王族クラスのVIPだったようで、彼がこの学園にいることが知れ渡れば、魔導大戦がより拡大・混乱する可能性があったらしい。 ・ナイアス・ブリュンヒルデはレーダー王家の名門バリトー家の出身。バリトー家はアネッサ・ティルバーの家系でもある。 ・ニオ・ハスラーはエラルド・フィルモア王家の警護騎士を務めていた家系の出身。 ・ミースは、モラード、シアン夫人、マギー・コーターらが所属していたバルチック・アカデミーで勉学に励んだ。 ・トモエはデルタ・ベルンの南半球、ガス・ガル連邦の出身。 ネタとして面白いのが、ナイアスの好物として挙がっているベルーガ。おそらくベルーガから取れるキャビアを指していると思えるが・・・ベルーガとはチョウザメの一種で、ロシア語で「白」を意味する「beloye」が名前の由来となっている。ナイアスがフィルモア白騎士団の所属騎士にして、且つ、ブーレイ傭兵騎士団で「白の一番(ブランシュ・トップ)」を名乗っていることを考えると、なかなか面白い符合である。 ついでに、彼女が民族学を専攻していることは、後々本編の展開に響いてくるように思える。なんせフィルモアはカラミティからボォスに民族大移動をしようとしているのである。そのきっかけを作るべく(?)、ナイアスがブーレイを率いて暴れている・・・と考えると、彼女が民族学を専攻しているというのも意味深である。 ミースの出身校については、「PS」では大学院卒業までA.K.D.の王立教育機関にいたことになっていたが、今回で「大学を1年で卒業してバルチック・アカデミーに入った」ことに設定変更されたようである。 彼女の好きな科目もなかなか面白い。原始医学、始祖科学はおそらく個体進化に係る学問。エネルギー編成理論やバスター限界演算理論はイレーザー・エンジンやそれを超える機関に係る学問。天文物理学、太陽機構史、太陽集積理論、恒星軌道理論はおそらくスタント遊星の軌道やカラミティの衝突につながる学問。さらに彼女は元素集積理論や衝突分類基礎を専攻しており、おそらくは元素の集積・衝突の動きから天体の衝突を予測しようとしているらしいことがうかがえる。バランシェから引き継いだ研究も多いと思われるが、ミースが見つめている先にはジョーカー星団の根本的な謎を解き明かす鍵が隠されているように思える。彼女もまたFSSのメイン・キャラクターということですね。 トモエさんの出身国であるガス・ガル連邦は英訳でUnion of Guast-Gullと書くらしい。「重戦機エルガイム(1984)」に登場した5つの惑星のひとつ、ガストガルが元ネタになるだろうか。ちなみにエルガイムの舞台となったペンタゴナ・ワールドはサンズと呼ばれる二重太陽と、ガストガル、トライデトアル、ミズン、コアム、ファの5つの惑星で構成される太陽系であった。このうち、ファはかつて惑星カラミティの衛星だったという裏設定もある。この辺の符合もなかなか面白い。 他にも、自然を愛するコーラス王家の性質を引き継いでアルルが環境学を専攻していたり(好きな食べ物も南国のコーラスを反映して沖縄料理が多い)、タイトネイブが音楽を専攻していたりするなど、キャラクターのバックボーンを考慮した設定に注意。 (2007.02.09) ■ んで、????さん (p46) 最後に登場している????さんについては、文字どおり、全く不明の人物なので考察しようがないです。 せいぜい印象として天照家の顔立ちに近いイメージをもつこと、服装のシルエットがレディオス・フォーカスライトに似ているかも〜という程度。ただ、FSS本編の9巻以降の「終着点」、そしてファイブスター物語の「出発点」に絡むキャラクターというのであれば、FSSの次なるフェイズ・・・3159年にスタートする天照の星団侵攻につながる人物ということになるのではないだろうか。魔導大戦の集結がまだまだ先であることを考えると、この辺が描かれるのは10年以上先になりますかね。 ⇒連載再開後に明かされた設定に拠ると、東宮西宮の乱の勃発時にラーン教導学院の高等司政科に在籍していた学生で、名前はツィー・ミーンとのこと。ただ、彼女については未だに詳細が明かされていない。 (追記 2023.01.08) とりあえず、以上です。 |
■ DESIGNS #2 |
発売されてから結構な時間が経ってしまいましたが、とりあえず考察and所感ということでつらつらと書きました。 ■ 星団表・各惑星世界地図 (〜p16) 星団内にある各惑星の世界地図が公開。 まず目に付くのが、スタント遊星系第3惑星第2衛星ネードル(以前の設定では第3衛星)は人類生存星である、ということ。現時点では考察のしようもないが、エレキフォート・アズデビュートという国名を見る限り、宗帝アズデビュート関連ということになるだろうか。この辺はノータッチ。どうにも判らんです。 また、各惑星に超帝國の遺跡があるという点にも注目。クラウン銀河全域を支配していた超帝國だけに、むしろこういった遺跡が散らばっていない方が不自然だったかも。 デルタ・ベルンについては、天覇(ティン・バイア)の母国であるイーミュ王国、ジュート・マキの出身地ネブトの位置が判明。どうということはないが、とりあえずの第一印象として「東方10国の領地が異様にデカイ」ということ。もっとずっと小さい小国の集合体だと思ってた。 アドラーについては、トラン連邦共和国を構成する主な国家・自治区の名称が新たに確定。レントは自治連合となり、ラ・バカン共和国やスークール州といった国家・自治区が追加された。また、ランダース姉弟の出身国マルサラ(後にジュノー出身に訂正)、ソープとバランシェが出会ったボカージュ共和国の位置なども判明。ボカージュの位置などは、剣聖ディモスが単独で内戦に参加していたことを考えると、陸続きで妥当な位置という気がしてくる。 ダスニカ神聖連合とディ・ヨーグンについては後述する。 ジュノーについては、マドラ・モイライがかつて仕え、後に王族を抹殺したというネマ王国(ネマ地方)の位置が判明した。また、桜子の出身国ピチカート公国はメロディ公国に隣接していることも判明。おそらく、フンフト・アトールとの不義によって子を成したピアノ・メロディ3世が、お家の取り壊しに際して桜子を隣国に預けた形となっているのだろう。桜子はこの公国の侯爵位をもっているという設定。 太陽紀においてジー・ボリショイ王国が成立することになるボリショイ大陸は、現時点では造山活動が活発な荒地となっているようである。 カラミティについては、魔導大戦に参加してきたドレンノ連邦やウルッシ国、コーラス3世とラルゴの因縁の地となったサマンザやマルタラの位置が判明した。また、ミラージュ騎士ステートバルロの母国イラカ国は、現在、イラカ民族連邦になっていることが読み取れる。彼はこの国の王族の末裔という設定があるので、王政廃止から連邦制移行という激動の時代から逃れてA.K.D.に入ったことがうかがえる。 その他にも、MHイザットを旗騎とするポアラン、スティール・クープの所在地であるモートランド、イマラの出身国アティアの位置なども確認できる。 ジュノーと同じくオーハイネ海という大洋があるのは誤植だろうか。 ボォスについては、ハスハ連合共和国に加入しているはずのナオス国が黄色字で示されていないなど、誤植なのか設定変更なのか微妙な部分がある。イースト・カステポーはイースト・ハスハに変更されたらしいが、もともとカステポー地方の西側に位置していたので、この変更は妥当だろう。 地図左下のカラッカ地方はブラフォードの出身地。その隣にあるケルタ共和国はコーララの出身国である。彼らの肌の色が黒いのは、この地域の特徴ということになるだろうか。また、アンサ首長国連合はトリオに在籍していた当時のヒューズレス・カーリーが派遣された場所であり、彼女がパートナーを失った土地である。カーリーが暗殺稼業に手を染めたのも、このことが影響しているという設定があったはず。 その他にも、ロード・ヘリオシスや5つの星の道など、微妙に怪しい地名がチラホラ見られる。 その他の説明文を読んでいると、モンソロン大帝の時代は超帝國以前の時代に当たり、彼のいた惑星こそが人類発祥の地であるという予測もできるが・・・モンソロンについてはNT連載時に「アズデビュート・デルタベルン・モンソロン大帝」という単語も出ており、デルタ・ベルンこそが人類発祥の地ということでほぼ間違いないのではないだろうか。まあ、フーバーク大帝というこれまた厄介な設定もあるため、この辺は断定できない訳だが。 ⇒NT2022年5月号でモンソロン紀とアズデビュート紀が明確に分けられた。よって、アズデビュート・デルタベルン・モンソロン大帝はおそらくボツ設定。 (追記 2023.01.08) ■ トラン連邦共和国のパートで目立つ新規設定 (〜p39) トラン連邦に関して新規設定の追加。もしくは設定変更あり。 ・首都がミルクワーシュからノーフォートに変更。 ・トラン共和国、ラ・バカン共和国、シュリーズ共和国に関する設定公開もしくは設定変更。 ・ミント、アイデマ、ミルスといった自治区、共和国の名称は抹消された模様。 スバースの血筋について新規設定の追加。 ・サローン・バスコの娘として、新たにネリス・バスコが追加され、その息子がデューク・ビザンチン、孫がヘリデ・サヤステという位置づけに。 ・アラド・バスコは天照家の秘密結社「典星舎・幻影隊」に所属していた。典星舎については、「SCHOOL DESIGNS」の考察(このページの上の方)を参照のこと。 ・トラン連邦の誕生の背景にA.K.D.、ハスハ、クバルカンの賛同があった模様。 ・リーフとサーパのフルネームが判明。ナデジダ・リーフ・・・名前の元ネタはボリショイ・バレエのナデジダ・グラチョーワか。サーパ・ビュラードはなんとミッションの奥さん。ミスA.K.D.にも劣らないかなりの美人である。 取り立てて考察するべき点はないが、サローン・バスコがレントに移った際、ナッカンドラがどのような立場にいたのかが気になる。星団初の4ファティマが完成した時点でフェイツ公国の騎士団長だったはず。奥さんと一緒に娘のいるレントに移ったということか。 センセーが、レコーディングミキサーに関連して「消え去ったインタシティ」と云っているが、インタシティ社は一応現在も存続している。 トラン連邦の誕生の背景には列強国の賛同があった。ということは、歴代ルース家当主は、大国の王族・貴族に対して然るべき礼儀をもって尽くしてきたのではないだろうか。ミッションが王族・貴族に対して偏見を持ってしまったのは、ひとえに母親スジャータとの確執に原因があるのかも知れない。 息子ミッションに騎士の血が現れなかったことについて、過剰なまでに反応していたスジャータだが、p124を見ると実はスジャータも騎士で無かったことが判る。自身に現れなかった騎士の血を、息子に求めた結果がああいったやり取りなのかと思うと・・・かなりやり切れない。ミッションの苦しみも判るというものだ。 (2007.08.08) ■ 運命の3女神〜クローム・バランシェのパートで目立つ新設定 (〜p74) 微妙な新設定あり。 ・天照の娘カレンによる星団への干渉は、ラキシスの意志もしくは指示によるものらしい。 ・懐園剣の正体は、ラキシスが放浪中に出会うことになる最終兵器「ビュランコート」。また、魔導大戦ではこの真の姿が登場するらしい。 ⇒懐園剣とビュランコートの関係性はコミック16巻で明かされる。 ・バランシェの本名が、クローム・バランス・アイツ・フェイツ・エルフに変更。 ・L.E.D.ドラゴンの別名「ライブ・コントローラー」・・・そのまんま、生命を操作するモノ、という意味だろうか。 ・バランシェのファクトリー・ファティマとして、ヨーキ、パトラ、ナゴンが追加。 ・ファティマ・オデットはクローター・ダンチヒから離れ、バランシェ邸預かり→ノルガンのパートナーになった模様。 ・ちゃあは魔導大戦(後半)のヒロイン。・・・ちなみに、前半はクリスがヒロインだったはず。 ・ムーンチャイルドのマスターは「不明」。以前はダイアモンド・ニューという設定だった。 ・・・とりあえず書いておきたいのが、p64〜65のソーニャ・カーリン。 なんとなく気付いていた方も多いと思いますが、このHPの「ソーニャ・カーリンのレポート」というタイトルは、作品集「ツイン・タワー」に掲載されていたソーニャ・カーリンのインタビュー記事を元ネタとしてつけた名称でした。今回、インタビューの2回目が公開されたということで、私個人としては非常に嬉しかったりします。 彼女のキャラシートも初出ですね。スタイルが最強だす。 んが、英訳表記が「Sogno Karlin」だったのはショック。以前は確か「Sougne Karline」だったはず。サイト名を修正することは簡単ですが、リンク先に修正をお願いするのは手間が掛かるので、表記は現状維持でいきたいと思います。 ビュランコートが懐園剣に変化して、雄剣と雌剣の2本の剣に分離したのであれば、イメージ的に麒麟のような外観をもっているのかなーと。麒麟はオスが「麒」、メスが「麟」という想像上の生物で、雌雄合わせた名称で呼ぶのが一般的である。ちなみに、麒麟は中国において四霊に数えられる聖なる生き物・・・ほかには、鳳凰、亀、龍が同列に置かれる。麒麟→ビュランコート、鳳凰→クフィル、亀→マンティコア、龍→ドラゴン・・・と当てはめてしまうのは暴走し過ぎだろうか。 ファクトリー製ファティマの製作・管理をしていた頃のバランシェは、バキン・ラカン帝国に所属していたらしい。バランシェとソープと出会った時の会話に出ていた「マルシェ」という地名は、バキン・ラカンの中にある都市または地域を指していたことになる。 ヨーキ、パトラ、ナゴンは「歴史上の女性の名前」ということなので、楊貴妃、クレオパトラ、清少納言が名前の元ネタだろうか。 p52のアトロポスのオペラ・スーツをよーっく見ると、スーツの表面にK.O.G.アトロポスが反射して映り込んでいるのが判る(K.O.G.の手首の装甲、肩装甲の一部が見えている)。つまり、このショットはK.O.G.アトロポスの前に立っているシーンということになる。今まで気付かなかった。 (追記 2023.01.08) ■ レント自治連合のパートで目立つ新規設定 (〜p80) ここでも設定変更が少し。 ・ユーバーについて、商人上がりの領主という設定から、旧貴族の出身そして政治家であったという設定に変更。 ・ビョイトとトローラのフルネームが判明。しかもビョイトは騎士に格上げ。びっくり。 ・ロッゾで使用するデボンシャ型MHの名前が「バルンシャ」。ロッゾではバルンシャが制式型ということ。 ユーバーについて、「商人上がり」から「旧貴族の出身」に変更・・・とそのまんま受け取ることも可能だが、こう考えるとどうだろう。 ユーバーはもともと貴族そして政治家であったが、ミッション・ルースの執政によって貴族・王族の特権が廃止されたことで没落してしまった。没落したユーバーは、共和制を確立したミッションと、貴族・王族のままで居続ける他国のVIPに対して復讐することを決意。商人として成功することで再び富と権力を獲得し、同じような恨みをもつ者たちと結託して星団暦2988年の時点で見事領主の地位を奪い取るまでに成長したと。 そう考えると、彼がコーラスに恥をかかせようとしたことにも別の側面が出てくる。クローソーを奪われたことに対する仕返しであると同時に、貴族・王族であり続ける者に対する復讐、という側面である。・・・うーん、劇中のユーバーを見る限り、そこまで厚みがあるキャラクターには見えないか。 とは云え、沸々とした感情をもって成り上がって来た者であるからこそ、狂騎士のデコースも味方として加わったのでは・・・と考えてみても面白い。 (2007.08.17) ■ シュリーズ共和国のパートで目立つ新規設定 (〜p98) 解説の多くはこれまでに副読本で明かされてきた設定の再録。 ・4代目黒騎士のバントラインは、天照のボォス侵攻時にエストを得ているらしい。星団暦3199年前後ということになる。 ・プリズン・コークスから、プリズム・コークスに名前が変更。 ・ヤーボは、ハスハの巫女の血統に連なる人物であったらしい。 ・アウクソーは、ナッカンドラとカイエン、2人の純血の騎士の情報体をもっている。 ・スクール・デザインズで既に発表されていた騎士団アイル・フェルノア、騎士団長のキャナリア・アイデルマ、マイトのダリ・キア、そしてMHアトラについての補足説明。スクール・デザインズを持っていないヒトにとっては、新規設定となる。 うーん・・・とくに考察ポイントはなし。と云うか、考察不可能。 天照の星団侵攻以降、コーラス26世が活躍する時代まで、聖宮ラーンが舞台となるエピソードが度々出てきそう。 (2007.08.14) ■ あれれ? (p111) センセーがセルについて解説しているページのうち、ラキシスのベクター線画像が載っている部分。p111の下の方なんだけど・・・レイヤー名に「GTM. LACHE. LIN...」と書かれている。 あれ?「GTM」つまり「ゴティックメード」にラキシスが登場するということだろうか。 しかも、ここにあるラキシスのキャラシートの完成版はデザインズ2に収録されていないようだし・・・。 うーん、謎。 (2007.08.17) ■ バキン・ラカン帝国のパートで目立つ新規設定 (〜p126) 剣聖の血筋についての詳しい解説。 ・シリーズ・シアン侯爵夫人の本拠地はエラルド島。カラミティにあるパナフランシス公国は半ば放置しているということだろうか。 ・ティティンシャ・バスコの長男クリュ・バスコは、剣聖ヘリデ・サヤステの娘ヌーノ・ユーゾッタを娶り、長男のグォルム・ユーゾッタと次男のオルカオン・ハリスを儲けた。えーっとp124の家系図を見ると、クリュ・バスコはハトコの娘を娶ったことになるのか。やや近親婚な感じ。ついでに、p124ではヌーノ・ユーゾッタがノーラン・ユーゾッタと表記されており混乱がみられる。 ・ダグラス・カイエンは、ハスハ統一戦争で歴史の表舞台に立つよりも先に、自身の出生を知ったショックで薬物を使用してしまい、昏睡状態に陥っていたらしい。それを復活させたのがボルサ・バスコ・アトール。 ・剣聖慧茄の夫が、フィルモア4世からフィルモア3世に修正された。・・・けど、これでホントにいいのだろうか。 ・ミマス聖帝はランダの娘ではなく、孫に修正。慧茄の妹ではなく、姪になったことになる。 サヤステ家とユーゾッタ家の関係が純血の騎士の系譜に整理されたことで、歴代剣聖の位置づけもかなりシンプルなものとなった。全ては超帝國の血筋のなせる業・・・ということになるが、このことによって逆に新たな疑問が浮き彫りにされた。つまり、「コーラス王家の血筋は、ネーデルノイドの剣聖の力は、一体どこから来たのか?」という疑問である。 p146には、バランシェの推測として「コーラスの先祖に超帝國の皇帝クラスの者がいた」という話も出ているが・・・果たしてこれが正解となるかどうか。あるいは、それ以前の時代や、フーバーク大帝と呼ばれる人物の時代が絡んでくるかも知れない。 ノーランド・フィルモアについて。解説を読み解く限りでは、剣聖慧茄の夫となった人物がノーランド・フィルモア王子で、彼が戴冠した際にフィルモア3世に名を変えたと。んで、家系図を見ると、彼らの息子に改めてノーランドの名を継がせたことが判る。んー混乱しそう。 フィルモア3世という名前も結構微妙で、本編中では既に「4世」と書かれているし、息子のノーランドが皇帝にならなかった以上、ダイ・グが4世にならなければならない訳で・・・この辺がなんとも整理しづらい設定変更である。 同じく、ミマスがランダ帝の孫となったことで、慧茄とは姉妹でなくなった。・・・本編中でダイ・グが云っていた「おばちゃま」は、「叔母ちゃま」ではなくて「小母ちゃま」だったことになる。んー、ミマスと慧茄の年齢差からいけば、こちらの方が正解か。 解説にある、ミマスが「会いたい人物」というのは、おそらくマドラを指していると思われるが・・・根拠を説明しようとしても明確なものがないので省略。 ファティマ・クーンがなぜアース・ドラゴンの下で眠っていたのか・・・という議論が以前からネット上でやりとりされたいたのだが、原因は「カイエンの自殺に対する彼女なりの答え」であったことが明らかになった。ただし、5種のドラゴンの中でなぜアース・ドラゴンを選択したのか?という疑問が残る。本編中でもフンフト・アトールを運んでいるアース・ドラゴンだが、彼はドラゴンの中でもヒト寄りな性格なのかも知れない。 (2007.08.15) ■ ダスニカ神聖連合とディ・ヨーグン統一連邦 (p128〜129) ダスニカとディ・ヨーグン・・・天照の星団侵攻の直接的な原因となる国家の登場。もしくは大義名分を与えてしまう国家と云うべきか。 魔導大戦で疲弊しきった星団各国を尻目に、新たな枢機軸となるべく動き出す・・・といった感じだが、彼らの背後にカリギュラやシオが潜んでいる可能性もある。p8の地図にあるヨーグン大陸のグレート・マルフェスとは、おそらくマルフェス国のことだろう。コミック12巻p150を見ると、シオの門番が既にマルフェス国に協力していると云っているシーンが確認できる。うーん。微妙につながっているのか。 今回のデザインズ2では、トラン連邦共和国とバキン・ラカン帝国の背景が語られ、それぞれに剣聖の血のつながり、クバルカン法国やフィルモア帝国とのつながりが示された。この辺のつながりを考えるに・・・ダスニカやディ・ヨーグンがアドラーで勢力を伸ばそうとすると、トランとバキン・ラカンに圧力が掛かり、その結果としてクバルカンやフィルモアも動くという状況が想像できる。とくにフィルモアは、民族大移動のきっかけを作ろうと必死なので、アドラーに戦乱の兆しがあれば必ず軍を動かしてくるはずである。魔導大戦に引き続いて大国間の争いが激化していくという状況・・・この争いの連鎖を見て、ビュラードが何を考え、何をソープに伝えるのか・・・おそらく、その言葉こそが星団侵攻のきっかけとなるのだろう。 星団暦に書いてある「3159年 トラン連邦へ武力侵攻」という項目は「ディ・ヨーグン統一連邦グラスフォートに侵攻」に変更されるはず。・・・連載再開と同時に星団暦にも新たな修正が入るかも。 (2007.08.16) ■ コーラス王朝のパートで目立つ新規設定 (〜p159) こまごまとした設定変更・公開が目立つ。 ・旧ハグーダ帝国の首都名ほか、一部の地名に変更あり。 ・星団法の制定に関する人物・組織として、クバルカンのアルカード・サヤステ法王、聖宮ラーンが追加。レーダー2世からユミ・フィルモア2世に変更。 ・設定変更ではないが、クローソーの新デザインはアシリア・セパレートに対応したスーツになっているらしい。 ・クローソーはすえぞうの烈火によって焼かれる。 ・コーラスの家系図を見る限り、アルルもちゃんとメロディ家の血を遺すことになるらしい。ロレッタ・ランダース、ディジナ・マイスナー、そしてアルルの子孫で、新暴風トリオといったところだろうか。 ・コーラス23世にはマイトに近い才能をもっていた・・・らしい。 ・剣聖ハリコンはシステム・カリギュラとの戦いで命を落とした。 ・エンゲージ・シリーズのナンバリング変更。SR4はコーラス・ハグーダ戦の直後に改修されていたらしい。 ・ベルリンについて、SR2アーリー・ハスハの設定が追加。ややこしい。 ・ディジナはマグダル・アトールとも面識がある。つまりマグダルは4000年代まで生きるということ。1000歳ぐらいである。 ・ファテイマのデルタ・ベルンは半エトラムル型らしい。これもエトラムル型だったりヒト型だったり、設定の変更が目立つ。 ・MHマグロウが、ハグーダ産ではなく、ロッゾ帝国産に設定変更。 クローソーがすえぞうの烈火に焼かれるのは、星団暦4100年のデルタ・ベルン消滅・・・クェーサー・フレームの一撃によるものだろう。となると、ラベルとユーパンドラの一騎打ちの後、すえぞうが突如として来星したために反天照軍全軍とザ・ウィルがデルタ・ベルンより離脱。クローソーとアトロポスは回収されることなく、そのままデルタ・ベルンと共に消滅・・・という感じだろうか。コミック巻末の星団暦を見ている限り、アトロポスとクローソーは相討ちで死亡→昇華するものと思っていたのだが。・・・もしくは死んだ後に焼かれるということだろうか。 コミック3巻p122で匂わされていた天照とクローソーの再会は、少なくとも通常の次元においては成し得ないということで。 剣聖ハリコンは、カリギュラとの戦いで命を落としていた。コミック12巻の考察でそれっぽいことをまとめていたのだが(コチラ)、アルルの弟子マヨールが「カリギュラ」と「シオ」について事前に情報を持ち得ていた(コミック12巻p151)のも、この時の戦いが何らかの形で伝えられていたからなのだろう。おそらくは、ハリコンの血筋であるメロディ家・・・フォルテ・メロディ2世、ピアノ・メロディ3世、そしてアルルへと伝えられたのではないだろうか。当然、懐園剣を所持しているアルル自身もシオの干渉を予測していると思われる。 コーラス24世が「自分によく似た少年」から何かを教えてもらうらしいのだが・・・解説を読む限り、この「少年」はおそらくハリコンということになるだろう。あるいは、アルルもかつてこの「少年」から何かを教えてもらったのかも知れない。 エンゲージSR4にはジュノーンではなく、全く違う名前が付けられているらしい。これまでの設定から云えば、「o.d.k.」とか「ユニコーン」といった名称を指しているのかも知れないが・・・個人的に、永らく謎とされているK.O.G.の6番機、シリアルAmkd.1006に該当する機体のような気もしますね。つまり、4100年に天照がジュノーンを再改修して、勝手にK.O.G.シリーズに加えたのではないかと。 ⇒これはGTMに置き換わることを前提にした解説で、SR4にはジ・エンドレスちという名前が与えられる。 巻末でセイレイがクダまいているのも、永野センセーの中でGTMへの移行が確定しているから。この時点で既に匂わされていたと。 ラキシスとアトロポスにK.O.G.を1騎ずつプレゼントしたのだから、クローソーにも1騎プレゼントしてあげるのがスジってものだろう。・・・とは云え、K.O.G.の5番機、Amkd.1005はカレンが使用するバイナスになるため(おそらくザ・ウィル星団暦7777年に完成)、4100年に6番機が作られる訳がない。桜牧師のただの妄想ってことで。 (追記 2023.01.08) MHステーブルについては、とくに考察なし。・・・ざっと書いてきましたが、とりあえず以上です。 最新設定に合わせて単語帖も更新したいところですが、その辺はまたいずれ。 |
■ DESIGNS #3 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カラミティとボォスの設定公開ということで、AD世紀末期や魔導大戦後半の状態についていろいろと解説あり。 設定の矛盾と思われていた部分にも新たな解釈が加えられており、いろいろとスッキリしてきた感じですね。 考察・予想できるようなポイントは少なめ。 ■ フィルモア帝国騎士団までのパートで目立つ新規設定 (〜p52) AD世紀末期のラント・フィルモアから現在に至るまでの歴史、フィルモア帝国の王家の詳細が新たに公開された。 ・現在のフィルモア帝国、クバルカン法国、そして周辺の国家はラント・フィルモア帝国から分かれたもので、これらは総じてグレート・ショルティ国家連合と呼ばれる。 ・ラント・フィルモアを構成していた各国家と他星統治領、フィルモア・イーストとウエストの分離、それに伴う統治領・属国の分離について解説あり。 ・フィルモア帝国の超名家・バルバロッサ王家の家長(大帝)が魔導大戦に参加するらしい。 ・ラルゴ・ケンタウリはレーダー王家の一派ケンタウリ・バナー家の王子。 ・ギエロ・スガスコーニチはノイエ・シルチスの赤グループ所属。ラルゴの副官的立場であったらしい。 他にもいろいろと細かい設定がテンコ盛り。 ラルゴがレーダー家の王子なのか否か、バーバリュースが黒グループ所属なのか青グループ所属なのか、クルップの家系は結局どうなっているのか・・・という微妙な議論に決着がついた。スッキリ。 ラント・フィルモアの構成国については、記憶の片隅に置いておく程度でいいだろう。なんといっても国家名が多すぎて覚えきれないし。 グレート・ショルティの国家名や都市名は地球の有名なコンサート会場の名が元ネタになっているとのこと。 ざっと調べてみた・・・が、下記の数箇所しか判らなかった。 フィルモアは、アメリカはニューヨークにあるライブハウスFillmoe West(フィルモア・ウエスト)から。もしくはサンフランシスコ市にあるThe Fillmore(ザ・フィルモア)から。 アルクは、アメリカはマサチューセッツ州ボストンにあるコンサート会場のThe Ark(ジ・アーク)からか。 ハイドパークは、ロンドンにある8つの王立公園のうちのひとつハイド・パーク(Hyde Park)から。ローリング・ストーンズやピンク・フロイドもここでコンサートを開催している。 マディソンは、アメリカはニューヨークにあるマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)から。 モントレー共和国は、おそらく1967年6月にアメリカはカリフォルニア州のモントレーで開催されたモントレー・ポップ・フェスティバルから。世界各地で開催されるロック・フェスティバルの源流とされる。 こればっかりはホントにロックが好きなヒトじゃないと判らないので、何か情報をお持ちの方はぜひともお知らせください。 うーん・・・図示されている内容と解説文の内容で微妙に設定が異なっていたり、デザインズ2の設定と食い違っていたりするのがナントモ。誤植も少しアリ。 ・慧茄の解説にあるMHクラトーマは、ファティマ・クラトーマの間違い。 ・星団法制定に関わったフィルモア皇帝はヨミ・ルーカ・フィルモア2世(前巻では、ユミ・フィルモア2世)。 ・慧茄の旦那さんはフィルモア4世で確定(3世としている資料もある)。 ・ノイエ・シルチス赤グループの使用するサイレンはB型がおそらく正解(p39とp58で矛盾)。 ・ナイアスはもえぎ騎士団(特務騎士団)と教導騎士団の団長を兼任している、ということか? ・帝国の元老院議長のポストは、アネッサ・ティルバーからド・ラ・フィルモアに移るのか?(p33とp36・37で矛盾) まあ、あんまり気にしなくてもいい部分だとは思いますが。 (2008.09.29) ■ フィルモア帝国のMHのパートで目立つ新規設定 (〜p63) ヘンシェル・クルップ家と並ぶMHマイトの家系として、新たにブラウニー家が加わった。 ・MHサイレンの基本設計は、星団暦初頭のMHマイト、ブラウニー・ライドが担当。その後、ゼビア・コーター、バルミドラン・シャープス、ルミラン・クロスビン、リーキ・クルップなどの手が加わった。 ・ゼビア・コーターはブラウニー家の出身。また、ルーテン・シャープスの家系もブラウニー家に連なる一族。 ・A.K.D.の兵器ブランドと知られるクルップは、アトワイト・ヘンシェル家がもつ会社名「アトワイト・クルップ社」から。 ・クルップ家のマイトの血はフィルモア帝国のリーキ・クルップ、メリンダ・クルップに受け継がれている。 ・また、フィルモアにはMHを製造するクルップ・ショルティ財閥があり、社名は「ショルティ重化学工業」となっている。 ・ルーテン・シャープスのミドルネームはバルミドラン(バルミドランの直系という意味だろうか)。 ・ジ・エンプレスの基本設計もブラウニー・ライド。その後、ゼビア・コーターが改装。 ・ファティマ・タワーは「ショウメ」の一部を吸収することでスーパー・ヒューマンとして誕生するらしい。 MHマイトの名前は銃器メーカーの名前が元ネタになっているとのこと。 解説にあるとおり、ブラウニーはブローニングなので、アメリカの銃器メーカーBrowning Arms Co.(ブローニング・アームズ社)から。現在はベルギーのFN社傘下。 バルミドラン・シャープスは、おそらくアメリカのSharps Rifle Manufacturing Co.(シャープス・ライフル社)から。 ゼビア・コーターはコルトとのことなので、アメリカの銃器メーカーColt's Patent Fire-Arms Manufacturing Co.(コルト社)から。 ヘンシェルは、第二次世界大戦中にドイツ軍の兵器開発を行ったHenschel Werke G.m.b.H.(ヘンシェル社)から。 クルップは、同じく第二次世界大戦中にドイツ軍の兵器開発を行ったFriedrich Krupp A.G.(フリードリッヒ・クルップ社)から。現在はタイセン社と合併している。 ついでに・・・ パラベラム・スタームは、アメリカのSturm, Ruger & Company, Inc.(スターム・ルガー社)から。また、パラベラムは銃弾の名前である。 ヘッケラー・バシントンは、ドイツの銃器メーカーHeckler & Koch Inc.(ヘッケラー・ウント・コッホ社)から。 ルーザーン・アストラ(現在はボツ設定か)は、おそらくスペインの銃器メーカーAstra Unceta y Cia(アストラ・ウンセタ社)から。 スカイドラ・ボーチャードは、おそらくボルヒャルトC-93モデルの設計者であるHugo Borchardt(ヒューゴ・ボルヒャルト)から。 ・・・で、いくら調べても元ネタが判らなかったのが、ルミラン・クロスビンとストーイ・ワーナーだったりする。 情報をお持ちの方、教えてください。 ショウメについては未だに詳細な設定が明かされていないが、以前は「超絶的なパワーを誇るシンフォニッカー(=ダイバー?)」とされていた。 ⇒ショウメの正体はコミック13巻で明かされる。 この探索に当たっていたのが、後にミラージュ騎士となるエルディアイである。えーっと・・・この部分の考察は後回しにします。 (追記 2023.01.08) ■ クバルカン法国のパートで目立つ新規設定 (〜p80) いろいろと面白い設定変更あり。 ・国家マーク(p67)が変わった。 ・ミューズはスゴートルズ地方の豪族の出ではなく、平民出身でストラウス公の養子、という設定に変更。 ・ミューズはカステポー放浪中に枢機卿位を剥奪されていたらしい。 ・S.S.I.クバルカンのフルネームはSCHOLTI Super Immortal KUBALKANS(ショルティ・スーパー・イモータル・クバルカン)。 ・ストーイ博士の正体はエルディアイ。 クバルカンの国家マークが変わり、十字架と5つの円形で構成されるマークになった。 この5つの円は、赤、青、黄、緑、黒で構成されており、オリンピックのマークに似ていなくもないが、ドラゴンの各色を表しているのかも知れない。 赤:LED、青:サンダー、黄≒金:フェザー、緑:アース、黒:ジェットの5頭である。ただし、クバルカンとドラゴンを結びつける歴史的な背景はないようので、これとは別の意味があるのかも。 クバルカン法国の別名は「ダルマス・クバルカン」もしくは「カルマ・ソユーズ」。 ダルマ(DHARMA)は仏教でいうところの「法」、ヒンズー教では「徳」の意。また、カルマ(KARMA)は「業」や行為そのものを指す。クバルカンの教えはこういった宗教的な観念とは関係が無いが、解説を読む限り、ルーン騎士に求められている精神は修道的・僧侶的なモノとほとんど変わらない。曰く、「ヒトを導くモノであれば、まずその行為をもって道を示せ」というものである。ルーン騎士にあるのは「正義」では無く、国民全体に示すべき「模範」・・・もっと単純に云えば「私利・私欲を捨てよ」ということになるだろう。 この背景を理解した上で、ミューズが幼少時のヨーンと出会い、ルーン騎士団に誘ったシーン(コミック10巻p102)を思い出すと、非常に面白いドラマであったことが判る。 かつて「人形使い」になることを見込まれた少年・・・しかし、今現在のヨーンにあるのは「エストと共にいたい」という私利・私欲だけ。ルーン騎士に成り得るはずも無い、歪んだエゴをもつ人物である。では、その歪みを生み出したのは誰か・・・ファティマ・静が「恐ろしい」と評したのは誰であったか。 MHバッシュの稼動に全てを捧げるバーシャの思考・行動は、クバルカンの教えを真っ向から否定するものである。センセーをして「クバルカンのファティマはさすがクバルカンのファティマ」と云わしめる静であったからこそ、「恐ろしい」という言葉が口から出てしまったのだろう。そして、その静が予見したバーシャの本性によって、私利・私欲に生きるヨーンが生み出されてしまった訳である。 こういうドラマに気づかされただけでも、デザインズ3を購入した価値がある。同様にデザインズ各巻を見た上で再度コミック1巻から読み直すと、アチコチ発見があるかも知れない。・・・設定変更の嵐に泣かされる場合も多々あるが。 破烈の人形の開発に関わるエピソードで、開発開始が星団暦初頭にまで遡るというのがビックリ。以前は2600年代から3200年代まででわずか17騎が製作された(この数字自体は変動の可能性もあったが)という設定であった。システム・カリギュラが絡んでいた点も興味深い。 ⇒連載再開後の設定で、破烈の人形をマーク3に位置付けるための前振り。現在の設定ではワンオフ騎となる。 もう既にボツ設定になっていると思われるが、天照が大侵攻の際に破烈の人形を鹵獲し、O型ミラージュにチューンしてミラージュ入りした静に使用させる、という初期設定があった。 本書で公開されたバングの弱点を読んでいて、「天照であればエンジンを載せ換えて弱点を克服できるのになぁ・・・」と思ったファンも少なからずいるはず。 ストーイ博士ことエルディアイの設定をまとめると・・・ ・システム・カリギュラとつながりをもつMHマイトとして、破烈の人形やブーレイの開発を担当。年齢4000歳以上。 ・「カリギュラの手」を体にもつ騎士、つまりシオの門番であり、生体兵器を体に隠し持つ変体性ファロスディー・カナーン・シュバリエのひとり。 ・謎の存在「ショウメ」の探索の途中でミラージュ騎士団に入団。 ・さらに、モラード公に協力してファティマ・タワーの製作に参加。 タワーは「ショウメ」の一部を吸収してスーパー・ヒューマンになることから、エルディアイはミラージュ入団後もショウメの探索を一応継続しており、最終的にはその正体を突き止めた、ということになるだろうか。また、タワーの完成は星団暦3100年であり、モラードと共にA.K.D.入りするという設定もあることから、エルディアイとショウメのエピソードに絡んで天照が多少なりとも絡んでくるかも知れない。 さらに、ショウメはその後もミラージュ騎士団に居残り、天照の大侵攻にも参加することになる。 エルディアイの行動の一貫性の無さによって、ますますシステム・カリギュラの目的が判らなくなるなりますねぇ。ふーむ。 ⇒この辺の詳細はコミック13巻で全て明かされた。エルディアイの一貫性の無さは、天照への恋心に拠るもので、モラード候の情報提供によってカリギュラから離れる形となる。 (追記 2023.01.08) ■ カーグ・ジャスタカーク連合〜ウモスまでのパートで目立つ新規設定 (〜p99) ジャスタカーク以外はほぼ新規の設定。 ・ジャスタカークの魔導大戦参加の目的は、フィルモアと同じくボォスへの移民。領土奪還は大義名分であって真なる目的とは異なるらしい。 ・アイオ・レーンがブーレイ傭兵騎士団の団長という設定は、おそらく完全にボツ設定。 ⇒この設定はコミック17巻に収録されるエピソードで回収される。 ・ロッゾ帝国は帝政国家というより連邦制国家。ジュノーのアルマ地方に植民地域をもつ。 ・サリタ・アス・ジンクは女性マイト。ロッゾ南部のグラウロッゾ産業都市在住。エーロッテン・ニトロゲンに師事していたとのこと。 ・ムーン・カッパー、パローラ・ブラスもロッゾ南部に在住。 ⇒パローラ・ブラスの正体はギルフィー・ビリジアンであることが後に明かされる。また、エーロッテン・ニトロゲンとガリュー・エトラムルは同一人物であり、ビリジアン博士とも旧知の中。 ・フェードラの派生型として、ロッゾMHのツァイト、ガマッシャーンMHのルビコンがある。基本構造は全て同じ。 ・ウモスは一党独裁の政治形態をもつ。中心となっている政党が「青い影」。古くは資源の流通を専門とする結社であった。 ・MHローテキャバリーのマイトは、ユーゴ・マウザー。この設計を引き継ぎ、弟子のヘッケラー・バシントンが青騎士(ブラウキャバリー)を製作。 ・さらに青騎士の基本構造がデヴォンシャに受け継がれた。 キーヤ大陸関連で面白いのが、宇宙民寄りのアティア王国、植民地・他星統治領をもつロッゾ帝国、カーマントーやアンスリノを圧迫しているウモス国家社会主義共和国、この3者がひとつの大陸に居座っている点である。ウモスやロッゾによる宇宙民への圧迫が激化すれば、アティアがそれに反する動きを見せる可能性もある訳で、微妙な火種が既に存在していることになる。解説にある「ウモスの工場衛星」のエピソードにおいて、宇宙民とウモスのイザコザが起こるのであれば、この辺の背景も覚えておいて損は無いだろう。 また、フィルモア・イーストからバキン・ラカンやハスハ中部が独立する際に炎の女皇帝の干渉があったのに対し(本書p28)、フィルモア・ウエストからクバルカンやロッゾが分離した際にシステム・カリギュラの干渉があったというのも面白い。女皇帝とシステム・カリギュラの思惑が同じ方向を向いているのか、似て非なるものなのか、今後の展開で見えてくるかも知れない。さらに、カラミティのウモス、ボォスのコーネラ帝国、アドラーのマルフェス国など、FSS本編にこれから絡むであろう国家全てにシステム・カリギュラが関係している点にも注目したい。 MHマイトのユーゴ・マウザーは、おそらくドイツのMauser Werke A.G.(マウザー社)が名前の元ネタだろう。モーゼル社とも呼ばれる。 また、フェードラ、ルビコン、ツァイトはタンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream)のアルバム名が元ネタ。フェードラ(Phaedra)は1974年、ルビコン(Rubycon)は75年、ツァイト(Zeit)は72年のアルバムである。ちなみに、ツァイトはドイツ語で「時間」の意。 ウモスの首都プロコルハルムは、1961年にイギリスで結成されたR&BバンドProcol Harum(プロコル・ハルム)が元ネタ。彼らのデビュー曲が「A Whiter Shade Of Pale(邦題:青い影)」である。こういう判り易い元ネタだと助かります。ヘイ。 (追記 2023.01.08) ■ 主惑星外国家および勢力のパートで目立つ新規設定 (〜p130) 宇宙を主戦場とする騎士団およびブーレイ傭兵騎士団について補足・追加の設定あり。 ・ダイアモンド・ニュートラルはいずれ出雲から離れる。また、彼の成長を見守っている組織があり、そこに移籍することになるらしい。 ・タイトネイブは天照家の子供を産む可能性あり。 ・オーダ宇宙海賊という武装集団が登場するらしい。 ・三条香は魔導大戦のラストで「この世のものではない何かの力」を見るらしい。 ・スクラープを製作したマイトは、サリタ・アス・ジンクで確定。 ・バイパー将軍の経歴が明らかに。 ・ラインシャル・ヒューメトリはバイパー騎士団に供与されていた。 ・マエッセンはミラージュ入り確定(ただし、入団するのか一時的に行動を共にするだけなのかイマイチ不明)。 ・MHブーレイの製作者はストーイ博士だが、近年はユーゴ・マウザーが担当。 ・コーラス・ハグーダ戦に参戦したブーレイはT-232型スプートニク。本編で言及されていた2騎の予備騎は抹消(空色は使用されて、茶色・朱色が抹消になる)。 ほぇー・・・という感じで、考察するところはとくになし。情報が限られていて今後の予想もできない。 ニューの移籍先はシステム・カリギュラもしくは聖宮ラーン関係になるだろうか。 三条が出会う謎の存在は、ファーンドームの星王もしくはカレンといったところだろうか。 イオタに配備されるテンプル・シリーズは、これまでの設定がイキているならハープーン・テンプルになるはず。 ブーレイの名称は旧ソ連の打ち上げ式ロケットの名前(もしくは打ち上げた人工衛星・宇宙船の名前)に由来している。T-232がスプートニクで、T-233がボストークであるなら、これからモルニヤ、ボスホート、ソユーズといったブーレイが出てくるかも知れない。ちなみに、スプートニクはロシア語で「旅の道連れ」、ボストークは「東方」の意。 (2008.10.02) ■ ミノグシア連邦とカステポーのパートで目立つ新規設定 (〜p165) ハスハの裏事情と魔導大戦後半の勢力図について解説あり。 ・ハスハ連合共和国が崩壊したため、魔導大戦の後半以降はハスハ一帯をミノグシア連合と呼ぶようになる(らしい)。 ・歴代巫女の名前にラーン、ナオス、ダルタン、シドラが追加。 ・ハスハの巫女の本来の執政所は聖宮ラーン。歴代の巫女に倣わず、ムグミカがベイジにいたこと自体がイレギュラーな状態であった。 ・ヤーボとカイエンの間で子を生すことができたのは、歴代巫女の力がヤーボに注がれていたため。歴代の巫女は、マグダルが最強のダイバー・フォースとして生まれてくることを予見して彼女に希望を託したらしい。 ・ファティマ・ニーブは極秘の場所にいる。 ・魔導大戦後半ではAP騎士団の一部が離反する。勢力図に大きな変化あり。 ・元ミラージュ騎士のランドがAP騎士団スバース隊の隊長として参戦。 聖宮ラーンに関する情報は、連載開始後の情勢把握に役立つと思うので覚えておきたい。長期間の巫女不在、神官と官僚による行政と腐敗などなど。 ニーブのいる場所については確定できないが、ジキジディーの名を出している点から云えば聖宮ラーンになるだろうか。となると、今後のエピソードで登場する可能性もあるということ。以前あった「母体消滅」という設定がイキているのであれば、別のファティマとなって登場してくるかも。 ⇒後にニーブは浮遊城で休眠中であることが判明。母体消滅はボツ設定。 魔導大戦の開戦前と開戦後のAP騎士団の動きが判りにくいので、一覧表にしてみた。 本書中でもp148が3045年時の状況、p149が3031年時の状況なので結構混乱してしまう。 下表で、開戦前のMH配備数は以前の設定から持ってきたものだが、現在の設定からいけばかなり増加しているはずである。
ラーン近衛騎士団の騎士団長は3045年時で不在・・・となっているが、おそらくヘアード・グローバーが元騎士団長であろう(後述)。
彼女はマグダルと共に動いたため、ニナ・エリスと共にラーン本隊から除籍となり、それ故に近衛騎士団がラーン神官議会の指揮下に置かれたのではないだろうか。 魔導大戦の終結後、ツラック隊の支隊長ナルミ・アイデルマがラーン近衛騎士団長になるらしい。 アイデルマという名前から察するに、スクール・カレンダーで設定が公開されたキャナリア・アイデルマはナルミ本人もしくはその縁者ということになるだろう。キャナリア・アイデルマは聖導騎士団「アイル・フェルノア」の神聖教官であることから、ラーン近衛騎士団が何らかの形で再編成を受け、アイル・フェルノアとして発足するのかも知れない。 (追記 2023.01.08) ■ カステポーのパートで目立つ新規設定 (〜165) ドラゴンに関係して新規設定が目立つ。 ・ドラゴン・ネイチャーの攻撃には一定の法則があるが、今現在、その法則を知り得ているのはラーンの巫女のみ。 ・システム・カリギュラもかつてはドラゴンによって壊滅寸前まで追い込まれた。 ・ヘアード・グローバーはドラゴン・ドロップを所有している。ある特定の条件下でのみ使用可能。 ・炎の女皇帝は現世には存在していないらしい(「今は亡き」と記述されている)。 ⇒これはおそらく設定の凡ミス。炎の女皇帝は存命中。 ・アース・ドラゴンの幼生は花櫚(オーリーン)と呼ばれる。花櫚は「カリン」のこと。のど飴などに入っているアレである。 ・預かり屋の裏にはシステム・カリギュラやザンダ・シティといった裏社会の関与がある。 うーん・・・とりあえずそういうことでって納得するしかないか。 デザインズ3の最後の方でネタが明かされているとおり、ヘアード・グローバーはラーンの神官という立場にある。もしくは、マグダルが聖宮ラーンで正式に戴冠した後(記憶の継承を受けた後)に神官という役職に付くのかも知れないが。まあ、神官の衣装とナールーシャのスーツの意匠が共通しており、デカダン・スーツの時代から着用しているのであれば、現時点において既に神官である可能性が高いか。いずれにしても、5種全てのドラゴン・ドロップを所有していることと、神官の立場にあることは無関係ではないだろう。 センセーが解説しているとおり、ドラゴンは「契約」によって動く。ドラゴン・ドロップは契約の証と云えるだろう。したがって、ヘアードがもつドラゴン・ドロップも契約の証として与えられたものであるはず。特定の条件下でのみ使用できることから、彼女個人に与えられたものではなく、神官という立場・その役割に対して与えられたものであることが想像できる。なぜ、巫女ではなく、神官がこれを所有するのか?、神官の役割とは何なのか?という部分が、今後のエピソードの肝になってくると思われる。 5種のドラゴン・ドロップ全てを所有する、というのはあまりにも尋常ではないため、この宝玉はかなり特殊な状況で生み出されたモノではないだろうか。個人的に、炎の女皇帝がドラゴンと和平条約を結んだ際、その契約の証として人類に与えられたドラゴン・ドロップのような気がします。 コミック10巻以降のエピソードで、バッハトマの追撃から逃亡していたヘアードは、マグダルの言葉を聞くまで「ラーンに向かう」という選択をしていなかった。彼女がラーンの神官であるならば、真っ先に思いついてもおかしく無い選択肢である。この点から察するに、ヘアードはこの時点で既にラーンとは一定の距離を置いていたことが伺える。つまり、ラーンの腐敗を知っているが故に、ラーンの庇護を受けるつもりがない、もしくは受けることができない状態にあったということだろう。巫女を守る皇帝隊の隊長=強力な騎士であると同時に、神官としての役割を持ち、且つ、聖宮の腐敗を知るが故に距離を置いている人物・・・そう考えると、3045年の時点で不在となっているラーン近衛騎士団の団長は、やはりヘアード・グローバーということになるのではないか。 ところで・・・LED、フェザー、アースの3体のドラゴンが転生を開始し、且つ、ログナーも成人していない状態、ミラージュ騎士団はバラバラで、レッド・ミラージュも完成していないという状況・・・これは、サタンたちから見てラキシスを襲うチャンス以外の何者でもない。ハスハを訪れるソープ(天照)に不調の兆しでも現れたら、まず間違いなくサタンが出現するはずである。デザインズ1でもそろそろカレンが登場するらしいことが匂わされていることだし、久々にコミック5巻並みの混乱が見られるかも知れない。 ⇒この詳細はコミック16巻で描かれる。 ドラゴン・ドロップの解説にある、ログナーがドラゴンを召喚した場合は、例え幼生であっても成体となって出現するという部分は、まさにそういった展開になるというセンセーの予告ではないだろうか。魔導大戦のAct.2の連載が開始された時期に発表されたキャラシートで、ソープ、ラキシス、すえぞうの3者が一緒に描かれているものがあるが、これも劇中で3者がニアミスすることを予告しているのかも知れない。 いんやぁ、ドラゴン・ネイチャー5種のデザインは絶対に公開されると思ってました。残念。 (追記 2023.01.08) ■ ボォス星の新興勢力のパートで目立つ新規設定 (〜201) コーネラ帝国関連で設定公開が目立つ。考察ポイントは少なめ。 ・ハツーダン大陸南部のマグナ・バイブレーションは、アース・ドラゴンが超帝國南都ハツーダンを消滅させた跡地。 ・ビューティ・ペールの本名は、ビューティ・ペール・アザミド26・アッセルムラトワ・ディスターブ。ズームも彼女のルシェミで生み出された。 ・ガスト・テンプルの発注者はユーコン財団で確定(以前はディ・バローだったりメイユ・スカだったりした)。 ・メヨーヨ朝廷における「僧」とは戦闘カウンセラーのこと。より強くなるための心の持ち様を解く坊さんということか。 ・コーネラ帝国の初代皇帝はルーパート1世。 ・バルター・ヒュードラーは、ユーゴ・マウザーの遠縁に当たる。MHシンカーの製作者。 ⇒ユーゴ・マウザーの遠縁という設定はボツ設定。 ビューティ・ペールはアッセルムラトワ・ディスターブ皇帝団直系のダイバー。出自がイマイチ謎なボスやんとは異なり、彼女は正真正銘超帝國皇帝の末裔らしい。炎の女皇帝の粛清や、AD世紀末期のナッカンドラ・スバースによる破壊工作を逃れた一派がいたということだろう。 アシュラ・テンプルの試作騎について、以前、ニュータイプに掲載された情報によれば、製作数は3騎であったという。 ひとつはイラー・ザ・ビショップの搭乗騎。もうひとつはクライマー・パイドルの搭乗騎。のこるひとつが量産騎製作の改良雛形として使用されたらしい。もっとも、パイドルの搭乗騎は中身が量産型に入れ替えてあるらしいので、純粋な試作騎はイラーが使用したものだけ、ということになるだろう。 バルター・ヒュードラーの名前の元ネタはワルサーとのことなので、ドイツの銃器メーカーCarl Walther G.m.b.H.(カール・ワルサー社)から。 (2008.10.09) ■ 最後に うーん・・・ナインと歴代皇帝の言霊を継いでいるマグダルが、ジ・エンプレスとその専任搭乗者タワーの双方を天照に渡す格好になっているのが気になる。 ここからはただの妄想。 アマダ・ジーの「封印の地」に眠っている「超帝國最高の力と技術と作品」というのが、何らかの形でタワーに引き継がれるのではないかと。 超帝國の技術と記憶がファティマ・タワーに引き継がれ、そのタワーが4100年に天照と共にジョーカー星団から旅立つ・・・つまり、超帝國が築き上げた技術は天照と共に生きて未来永劫まで残される格好となる。ムグミカの死に際してナインが何と云っていたか・・・「死んだ者のことを思い出してくれる者がいなくなった時こそが真の死」・・・光子結晶体に精神を移し、永遠ともよべる時を生きてきたナインの言動は非常に達観したものであるが、「超帝國最高の力と技術と作品」を残したことからも、一時代を築いた王として、その名を人々の記憶に残したいという欲求くらいはあったのではないだろうか。超帝國が確かにそこに存在していたという記憶を、他ならぬこの宇宙の創造者に託すことができれば・・・超帝國皇帝団の争いの歴史と数多の死も全くの無駄ではなくなるだろう。 ナインと歴代皇帝の記憶を引き継ぐマグダルが、炎の女皇帝を象った最も美しいMHと、その専任ファティマを天照の許へ贈った背景には、「我々の記憶をアナタに託します」という、ごくごく人間的な感情があったのではないか、と思うわけである。これもまた妄想になるが、ジ・エンプレスとタワーを天照に贈ったマグダルは、おそらく記憶の継承を止めて最後の巫女になるのではないだろうか。もっとも、彼女は4100年以降もかなりの期間を生きていいくらしいので、その後どうなるかは全くの不明な訳だが。 炎の女皇帝が星団を離れてスタント遊星に向かったのは、魔王を討伐するためであった・・・と仮定してさらに妄想を続ける。 ラキシスが3239年に星団から消失し、天照も4100年に星団から離れることになれば、おそらく魔王襲来の危機はほとんど無くなるはずである。デザインズ1で明かされているように、魔王襲来の目的の半分はラキシスである。また、残る半分の目的は命の水であるが、4100年には全てのドラゴンが転生を終えているはずで、命の水が出現するまでには数千年後の次の転生期まで待たなければならない。そういった意味でも、魔王の襲来から星団を守るという、炎の女皇帝が自らに課した使命は、一応の終わりを迎えるのではないだろうか。 コミック12巻でも、ナインがソープと出会う時に「一万年にわたる長き旅が終わる」と云っているので、おそらくは4100年にいろんなことが終わって、天照に超帝國の記憶もあずけたし・・・はぁー満足満足ってことで炎の女皇帝も一斉に消える「大決算」になるのではないかと。・・・あ、炎の女皇帝はAD5000年代に抽出されたらしいので、星団暦4100年じゃ1万年に満たないか。うーむ。 (修正 2023.01.08) 今回は考察も少ないし、文章も荒いしで、最後まで読んでくださった方、申し訳ないです。 とりあえず、以上です。 |
■ CALENDAR 2009 |
カレンダー2009に関する感想・考察などです。 デザインズとは別モノですが、デザインズ4からの先行発表も含んでいるようなのでコチラに整理。 ■ 1月:天照 天照家の3種の神器・・・剣、珠、鏡をもつ姿でリファインされた天照。以前のデザイン画より妖艶さが増してますなぁ。 解説の英訳表記のところに「CENTLY'S DROP on Gorget」と書いてあることから、これまでに名前だけ公開されていた「セントリー」の正体が窺える。ゴルゲットの中央に飾られている宝石はすえぞうのドラゴン・ドロップであることから、セントリー=L.E.D.ドラゴンである。 2008年現在の公式サイトに掲載されている情報を見ると、アトロポスとクローソーは、セントリーの誘いによって精神生命体となり、ジョーカー星団を見守っていくことになるらしい。 ただし、「CENTLY」の意味は不明。「SENTRY」であれば「哨兵」や「見張り」の意。 (2008.11.29) ■ 2月:カイエン カイエンの左腕にうっすらと見えているイレズミのような痕。どこかで見た模様だなーと思って調べてみたら・・・GTMの設定画で描かれている花の紋章と似ていなくも無い。 NT2006年7月号の表紙となったGTMカイゼリンの頭部に刻まれている紋章である。おそらく、花の詩女を象徴する紋章であろう。 で、なぜカイエンの腕にこの紋章があるのか・・・まあ、単に似ているだけかも。 (2008.11.29) ■ 6月:デコース うーん?・・・デコースが天位騎士になっとる。誰から天位をもらうことになるのか。アトールの巫女やバキン・ラカン聖帝がおろすとは思えないので、マドラあたりが妥当か。 パンツが乗馬ズボンのような形なので、黒騎士のスーツであると同時にバッハトマの将校服を兼ねているのかも。 (2008.11.30) ■ 7月:リィ リィ・エックスの旦那さんは不明とされているが、少なくともチャーティ・ウッドさん(バランシェ家のスチュワード・バトラー)は知っているはず。 作品集「ツインタワー」に掲載されたソーニャ・カーリンのインタビューによると、バランシェが亡くなった時・・・星団暦2990年に夫婦揃ってバストーニュのバランシェ邸を訪問しているのだ。 ソーニャ・カーリンの3回目のインタビューがあれば、ぜひウッドさんに聞いておいて欲しいところである。 天照やリィのスーツを見れば判るとおり、楔形のパーツで構成された十字架は新しいミラージュ・エンブレムになるらしい。 デザインズ2の裏表紙に描かれていたラキシスとアトロポスのスーツでも、同様のエンブレムを確認することができる。 (2008.11.29) ■ 10月:ティン 解説を見る限り、ティンの本名はクー・ファン・シーマ・イーミュー(公藩司馬衛深癒)となるらしい。イーミューは彼の母国、そして王家の名前である。 英訳表記にある「BTZ」が何の略語なのか不明。後述のフリエの解説でも同様に「BTZ」と書かれていることから、おそらく「魔導師」を意味する言葉であろう。 うーん・・・ドイツ語で「Beruf Technik Zauberei」と書いて、無理やり「魔術職」とすることもできるか。 ⇒連載再開後の設定でボルテッツの略語であることが判明。 (追記 2023.01.08) ■ 12月:ラキシス 解説にあるジミー・チュー(Jimmy Choo)はマレーシア出身の靴職人。 1996年に自身の名を冠するブランドをロンドンで立ち上げ、後にバッグやアクセサリーの製造・販売を開始。 マノロ・ブラニクと並び称される高級ブランドで、ダイアナ妃が好んだブランドとしても有名らしい。 フェラガモやプラダについては、単語辞書にまとめているので参照のこと。 (2008.11.30) ■ デザインズ4より ノルガン・ジークボゥとフリエ・シグダが先行公開。 ウークーツのアシリア・セパレートもシルエットで登場。 フリエとル・ゾラはかなり強力なダイバーで、ボスやん、ビューティ・ペールと共に星団の四強に数えられるらしい。 ノルガンに関して、これまでに公開された情報・設定を集約すると・・・ ・3040年の時点でおそらくファティマ・オデットのマスター。 ⇒オデットは3040年の時点でブラウ・フィルモア王のパートナー。ただし、モード変更でジークの妹である茄里をパートナーとする。 ただし、家族であるジークも一応マスターとして認めていることになる。詳細はコミック15巻で。 ・この人物が魔導大戦に参戦していたならば、かなり大事になっていたらしい(おそらく、それだけ影響力のある大国の関係者ということ) ・魔導大戦中にチャアを追ってミノグシアに潜入。ただし見ているだけ。 ・後にエストのマスターとなる。使用するMHは蒼い機体で「皇帝」と呼ばれるらしい。 ・エスト・カレンダーの情報と合わせるなら、「Son of SUNN Kingdom」というキーワードが関係してくる。 デザインズ3において公開されたバルバロッサ大帝の設定(魔導大戦に参加、家名を隠すためにレーダーを名乗る)や、エストがいずれレーダー9世のパートナーになる、という設定を考えると、ノルガン・ジークボゥ=バルバロッサ大帝≒レーダー9世という感じがしなくもない。エストは3230年前後にはレーダー9世のパートナーとなっているので、ノルガンの年齢からいけばぎりぎり大丈夫だろうし。 んが、カレンダーにあるダイ・グの解説を見ると、バルバロッサは「冷酷」とのことなので、ノルガンの人物像とは異なるようである。バルバロッサ王家を預かる人物が、チャアと同年代というのもさすがに無理があるだろうし。という訳で、個人的にはそのまんまノルガン・ジークボゥという新キャラではないかと考えます。 ⇒後にノルガン・ジークボゥ=レーダー9世であることが判明。バルバロッサ大帝はバルバロッサ家の当主。 ノルガンのキャラシートの構成色が黒・青・銀・・・で、使用するMHが「皇帝」というのが気になるんですよねー。 「女皇帝」の名をもつMHジ・エンプレスの構成色が白・赤・金だったりするので、これと対をなす存在なのかも・・・みたいな。ブラウニー博士あたりが作ってそう。 ⇒「皇帝」はブラウ・フィルモア王家が管理する皇帝騎として設定された。 「Son of SUNN Kingdom」をどう訳すか。ソン・オブ・サン王国?サン王国の子供?・・・SUNNじゃなくてSUNなら「太陽王国の継承者」と訳すのが妥当だろうか。 SUNNはアメリカのオレゴン州にあるアンプ・メーカーの老舗。それから、アメリカのドローン・メタル・バンドでSunn O)))というユニットもあるらしい。発音はいずれも太陽のSUNと同じである。 ウークーツのシルエットと英訳表記を見る限り、アシリア・セパレートでは頭部のヘッド・コンデンサが特殊なモノに替えられるようである。 「Installing MINOGOUSIAN Marguerite Capacitor」を無理やり訳せば「ミノグシアのマーガレット・コンデンサを装着した状態」となる。各国家を象徴する花を象ったコンデンサが主流になるのだろうか。それはそれでオシャレさんですね。 (追記 2023.01.08) ■ 事前予約特典のカードより マジェスティック・スタンドのAct.3について予告あり。 ナルミ・アイデルマさんとラキシスが登場。ラキシスはミノグシアに入る際にフアナという偽名を使うようである。 ラキシスの歯は(柱をかじって)欠損してしまった部分も根性で再生してくるらしい。 サメのように抜け落ちても次々と歯が生えてくる生物は存在するものの、削れた歯が再生する生物は地球上に存在しない(ネズミなどは歯が伸び続けることで損失分を補っている)。これがダブル・イプシロン型ヒューマンの底力ということだろうか。 (2008.12.02) 考察というよりも感想を並べただけすね。すいません。 今回は町のスーツがエロかわいい感じでイイっすねー。 |