第27話
私は今、なんちゃって負傷兵だ。

先月の終わり頃にとある極秘作戦に参加し、なんちゃってながらも足を負傷してしまったのだった。

7月20日、この日はゲーム終了後にあぶらげヒルの整備をすることになっていた。

なんでも、それに参加すると、カレーライスの配給があると言う事で、足の負傷を顧みず、あぶらげヒルへと足を運んでしまったのである。

欲張って来てはみたものの、あぶらげヒルは起伏が激しく、足を負傷している身では、自由に動き回る事が出来ない。

「やっぱり今日は休むべきだったか・・・。」

サバゲーは足で稼ぐ!が、私のモットーではあるが、動けないなりの戦い方もある。

何より1ヶ月ぶりのサバゲーだったので、どうしても参加したかったと言うのが一番の理由であるが。

1ゲーム目、運良く手前からのスタートだった。

この日サバゲー初投入のデザートイーグルをメインアームに、木の陰に隠れ敵を待った。

しかし、この日のゲームの流れは非常にスローで、膠着したゲーム展開であった。

「11時の方向のあの木まで行ける!!」

そう思ってもこの足ではそこまで行く前に蜂の巣だし、とにかく悪化させてはいけないのでその場から動けずじまい・・・。

そんなゲームが続き休憩になった。たいして歩いてもいないのに、足が痛くなってきていた。

実際フィールドを歩いてみて実感した。

「起伏のある地面を歩くだけで相当足に負担がかかる。」

それでも今日は這ってでもサバゲーがしたかったのだ・・・。

「ん!?待てよ!這ってでも!!そうか、匍匐すればいいじゃないか!!」

休憩後の5ゲーム目は手前フラッグなので、その次の6ゲーム目にそれを敢行した。

中央フィールド奥の塹壕の裏から、縁をぐんぐん匍匐で進んだ。

「これなら足に負担がかからずに侵攻できるぞ!」

うまい具合に敵の側面を取り、1〜2人をヒットした。今日はこれで満足だった。

その後正面から撃たれアウトになったが、中央フィールドの半分くらいまで来れた事が嬉しかった。

次のゲームが本日のラストになり、通常戦5ゲーム、ハンドガン戦2ゲームで本日のサバゲーは終了した。

「もうこれで、あとはカレーライスを食べるだけだな。」

とは言っても、実際のメインはフィールド整備なのである。

カレーライスだけ食べて帰るなどと言った日には当然、陽炎メンバーに蜂の巣にされる事は必定!

しかし、足はかなり痛み出してきている・・・。

しかし私はなんちゃってながらもNAVY SEALSだ!当然弱音は吐かないのだ。

フィールドをいったんあとにし、駐車場のテントの前まで行くと、もう、数人の陽炎メンバーがカレーライスを食べていた。

辛口トークのガイア氏の手作りカレーだったが、辛さは中辛ってとこだった。

色々と手の込んだカレーライスでニンニクや黒胡椒が入っており、個人的にはかなりいただけた。

とくに肉に軟骨がついていており、軟骨好きの私にはたまらないものがあった。

カレーをたいらげ、フィールド整備に取り掛かる。

なるべく歩かないで済む仕事をするつもりだった。

しかし、上フィールドの更に上には、まだまだゲームに使えるスペースがあることを店長に聞き、実際に登ってみると、
かなり私向きのルートを確保できる事がわかった。

「ここが使えれば、また新しいゲームの流れが生まれるぞ!」

急遽、上フィールドのエンドラインを稜線まで上げることになった。

この作業は楽しかったがこの作業が一番足に堪えた・・・。

「次のゲームでこの稜線を使ってみるか!」

その前にしっかり足を治しておかないと、とてもここまで登って来れないのだが・・・。

次回のサバゲーは8月10日、この間、極秘任務もない予定なので足もきっと完治するはずである。

今から待ちきれない思いで、フィールド整備を終えフィールドをあとにした。
 



                               つづく