なんちゃってSEALS
第16話
最近あの男の存在を忘れていた。

そうだ、イワンの事だ。私は奴を倒し、なんちゃってながらもSEALSが最強の特殊部隊である事を証明しなくてはならない。

しかし、何故か奴は私の前には現れないのだ。

怖気付いて私から逃げているのか?まあ、奴とはいずれ決着を着けるとして、今日はハンドガン戦オンリーの日だ!

前々から楽しみにしていたのだ。

しかし、あいにく今日は極秘任務が11時頃からあるのであぶらげヒルにいる事が出来る時間もせいぜい10時まで・・・。

それでも私はあぶらげヒルへと向かった。

昨日突然の大雨、天気予報では晴れだったのだが、6月ともなると大気の状態が不安定だ。

それでも夜には雨はやみ、サバゲーも極秘任務もなんとか出来そうだった。

あぶらげヒルに到着する。

9時開始の割に皆が悠々していたので少々焦ったが、ブリーフィング開始の頃にはほとんどの人が準備を済ませていて安心した。

とにかく私には時間がなかったのだ。いつものとおりブリーフィング後すぐにゲーム開始。

1ゲーム目は手前からだった。まずは下フィールド側の縁を移動。同じように反対から縁を移動してきた敵と相対する。

電動ガンならお互い必中の距離であるが、ハンドガン故に当たらない。

どうやら先に痺れを切らしたのは敵のほうだった。

回り込もうとして縁を降りきった。そこに私が撃ち込んだところ、ようやくヒットする事が出来た。

ここでずいぶん時間を取った。再び前進し始めたとたん、「あと5分」のコール。

私は焦って縁を登り、塹壕の裏手に出た。そして木の陰の敵を1人ヒットしたところでゲーム終了。

時間切れかと思ったのだが、自陣のフラッグが落とされたのだった。

セーフティーゾーンへ戻り、気が付くとグロック26のマガジン3本をほとんど撃ち尽くしていた。

2ゲーム目は奥からのスタートとなる。また例によって縁を移動していると、敵が数人下フィールドを走っていくのが見えた。

私はすぐさまその敵を追って下フィールドに走り降りる。

下フィールドの1番奥のルート沿いの藪に潜み敵を待つ。

数分後、狙いどおり敵が現れた。引き付けるだけ引き付け、10m切った所で1発打ち込んだ。

はずすはずもなく1人目ヒット。

そのあと来たもう1人の敵は距離が微妙だったために様子を見ていたら、フラッグへ特攻をかけた。

後ろから追っていったが、フラッグに辿り着く前に味方の銃弾(BB弾)の餌食になったようだ。

再び下フィールドへ戻り、攻め上がる。

もう下フィールドに敵はおらず、あっさりと手前側の中央フィールドへのルートを辿り、中央に出た。

既に敵はほとんど倒されていたようで、味方の1人があっさりフラッグアタックを成功させた。

2ゲーム終了したところで10時、タイムリミットだ。私は渋々あぶらげヒルを去った。それにしても残念だ。

つづく