第10話
 9月9日、久々のあぶらげヒルだ。

一応2ヶ月の間ここへはこなかった事になっている。

その間ずっとイワンは来ていたようだが、今日に限って姿を現さない。

どうやらまた奴との決戦はおあずけのようだ。


お盆を過ぎた頃から急に涼しくなってきていたので、「そろそろ私の出番かな。」と、気合を入れてあぶらげヒルへとやって来たのだが。

「オーマイガー!」
なんでも台風の影響によるフェーン現象で、今日に限ってメチャメチャ暑い!!

別に暑さに弱いわけではないが、

黒のジャケットにタクティカルベストを着込んでのサバイバルゲームは、今日、この厚さではやはりキツイ・・・

しかし、そんな事を言ってたって涼しくなるわけでもないので、気合を入れなおしてサバゲーに臨む。

今日は奥からのスタート。

いつもなら下から迂回をする所だが、

最近のゲーム展開の速さを考えてみると迂回が無駄に終わる確率が高いので中央フィールドの下側の縁を攻めてみる事にする。


なるべく低い姿勢で、急ぎすぎない程度に先へ進む。

上から聞こえてくる銃声とアウトコールを聞きながら敵の位置を予想しつつ時々縁から中央フィールドを覗き込み敵を撃つ。

よく狙えば一撃必殺の距離なのだが、今日のこの人数(約40人)、撃っても撃っても敵が現れる。

人海戦術とはよく言ったもので、人数が多いと、まるで波が打ち寄せるように敵が現れる。

それこそ、1人倒したとたんあっちこっちから反撃を喰らったりするので、落ち着いて撃てることが少なかった。

その為、ハンドガン戦のラストなんかは、1Mgくらい撃ち込んでも当たらない、

しかも敵はこっちからは丸見えの状態で、何故か!?よく見ると全然上を撃っている。

あせって撃つと、自分が思っているよりも上に向かって撃っていることがあるみたいだ。

逆に丸見えの状態で撃たれても当たらなかった時もあったが、それも同じ事だったのだろう。

敵は木の影から撃ってきているのにだ。

メンタル的なものが不利を有利に変える事がありまたその逆もある。


こう考えるとサバゲーも奥が深い。
殲滅命の人もいれば、フラッグアタックが好きな人もいる。

連携で攻め込む事が上手い人もいれば、私のように人とからめず一人で攻め込む人もいる。


こういう感じでいろいろなタイプの人がいろいろやるからサバゲーは面白い。


結局、午前中でノーマル戦6ゲームのハンドガン戦4ゲームの10ゲーム行なわれた。

あの暑さもあってか、私は水分を摂り過ぎ胃の調子が悪くなったが皆さんは大丈夫だっただろうか?

せっかく楽しんでも、後で体調を崩しては元も子もないので体調管理にも気を配りましょう。

そう言えば10月にN−meetingなるものが開催されるらしい、

出来ればそこでイワンと決着を着けられればいいのだが。

家に帰りカレンダーを見ると、10月7日の所には既に印が打たれていた。

「ふふふ・・・イワンやる気だな!」姿の見えないルームメイトとの決戦を思い浮かべ、私は胃薬を探す。

つづく