赤い国からの訪問者
第六話
 毎日2匹の荒れ狂う野獣と共に雪中行軍を行っているせいか、最近身体が軽い。

「だいぶスペツナズ時代の感覚が戻ってきたな!それに顎の具合もいい!」

顎の負傷より1年半、春に向けて顎のバージョンアップをはかりたいところだ。

俺は覚えたてのインターネットでショッ○ーのHPを開き、新型の顎システムをダウンロードした。

しかし、俺はどうやってこの顎システムを自分の顎に移植すればいいのかわからなかった・・・。

「そうだ!こういう時は奴を呼ぼう!」奴とは、旧KGB諜報員で名前はコサッキー。俺のPCの師匠であり、よき友人でもある。

急な呼び出しにもかかわらず、快く駆けつけてくれたコサッキーに、顎のバージョンアップを頼んだ。

そしてコサッキーは、俺なら何時間かけても出来そうもない作業を、軽々と数分でやってのけた。

そして呆気に取られる俺の顔を見て、「こんなの簡単っすよ!」

実際、俺の目の前でわずか数分でやってしまった訳だから、何を言われてもしようがない。

まぁ何にせよ、また1歩最強ボディーに近づいた訳だ・・・。

 実を言うと俺の身体にはあと3ヶ所チューンナップ(デチューンかも)されている所がある。

まず1つめは右肩(鎖骨)、強力なタックルを生み出し、モノによっては弾き飛ばす!

2つめは左手拳、空を裂き、大地を砕く!?3つめは額、弾丸(BB弾)をも弾き返す強度を誇る!

ここまで聞くと誰もが羨むスーパーBODYを手に入れたかのようだが実は欠点もある。

言いたくは無いのだが、冷たい物が苦手になった!

顎をやった時、ハグキも3箇所ほど砕けてしまった。そのために、どうも冷たいものが食べれない。

とくにアイスクリーム、全然ではないが人の倍くらい時間がかかる・・・。

まっ、身体の話しはこれくらいにして。

 そういえばコサッキーの事を忘れていた。ブツブツと呟いていた俺に、今度はコサッキーが呆気に取られていたようだ。

「すまない、俺にはどうも妄想癖があるらしくて、時々1人の世界に埋没してしまう事があるんだ。」

「あっそうだ!」突然大声で叫ぶコサッキー、何かを思い出したようだ。

「そう言えば赤い狐からイワンさんがある機関から狙われているという情報を入手しました。」

突拍子も無いことをいう。それにしても訳がわからない・・・。

「一体何処の機関よ?」

「そこまで赤い狐は教えてくれませんでしたが、その追っ手は陽炎メンバーの中にいるそうで、

あぶらげヒルで狙ってくるだろうから、とにかく逃げ切るようにと赤い狐は言ってました。」

「よーし!SEALSとまとめて返り討ちにしてやるぞ!」

俄然やる気が出てきた!そして再び俺の瞳に赤い炎が燃え滾る!!

つづく