赤い国からの訪問者
第20話
9月29日、Nミ(N−Meeting’02)前最後のサバゲーの日だ。

2週間後に開催されるNミのために、今日はNミ形式でゲームが行なわれる。

ちょっと面倒なのだが、フィールド入場から練習するために、ゲームのたびに駐車場まで降りなければならない・・・。

しかし、本番でミスって恥ずかしい思いをするよりかはましなわけだが。

実を言うと今年俺はチームマスターという大役を任されたのだ。

チームマスターとは、A〜Dの計4チームあるうちの1つを総括する身分なのだ。

俺はその中のDチームのチームマスターとなったのだ。

ツンドラの1匹狼を自称する俺に、人を束ねるべきこの大任が果たせるのか若干心配でもあるが、

それほど仕事があるわけでもなく、チームの象徴的な存在でしかなさそうなのでむしろ俺向きかもしれない!?

1ゲーム目から、本来Nミのラストを飾る全体戦の練習だ!

全体戦とは、通常A対Bのようにチーム同士の対戦となるところが、

AB対CDのように2チームを1チームとして全4チームが対戦するものなのである。

だから仮に200名の参加者があったとして、

フィールド内でそっくり200人がサバゲーをするという普段なかなか経験する事が出来ない規模のサバゲーが出来るわけだ!

それ故にそれが生かせるゲームを考えねばならないわけなのだ!

それで今年考えられたのが、上下戦で、スタート地点が各チーム2箇所ずつというやり方なのだ。

当然上側の方が有利なので、下には陽炎メンバーが全員動因される事となった。

実際にゲームをするとなおさら上が有利だったが、下からの方が攻め甲斐があって楽しめそうだった。

しかし、この時俺は勘違いをしていて、

上下戦を左右戦だと思い込んで下側の時にもうひとつの味方を敵と勘違いしてアンブッシュしていたために

まったく敵と遭遇するどころか、味方すらほとんど見かける事がなかった。

全体戦の配置で2回、通常戦の配置で4回くらいゲームをしてからフィールドの整備をする。

栗拾いならぬ栗のイガ拾いに、枯れ木を切り倒してバリケードにしたり、

草刈やフィールドの周りを囲う境界線テープの張り直しをする作業だった。

その中で俺は境界線の張りなおしを手伝った。

皆が一生懸命作業した甲斐あって、1時間ほどでフィールド整備は大方めどがついたが、

自分の武器等の整備がまだ出来ていなかった。この日のゲームで気が付いたのだが、

AK47Sのバッテリーが古くなっていたために非常にサイクルが遅い!

これでは敵と撃ち合った時に撃ち負けてしまう!!

急遽バッテリーを購入するはめになり財布の中身がますますツンドラになった・・・。

「イワンよ、お前にはβースペツナズがあるだろ?」と、思った方もいるだろうが、

俺は今、ノーマルMgで今年のNミに参加しようと思っているのだ!

ま、どっちにせよβースペツナズも持っていくけど・・・。  

つづく