男女倉越


 以前、和田村から霧ケ峰へ登ろうと、地図を見て出かけたが、男女倉から、本沢ぞいに登って行ったら道が荒れていて行けなかったり、二万五千図の男女倉越という道の入り口には、目黒区の施設が出来ていて、道が無いようだ、もうこの道は無くなっているのかと思い込んでいましたが、最近書店でハイキング地図を見たら、この男女倉越のコースが載っていた。目黒区の施設の奥にコースがあるのだろう。ついでに30山表の写真を撮ろうと出かけてみる事にした。よい季節にまた登ってみたくなったコースでした。(2001,11,11)

 霧が峰を歩こうと、久しぶりに男女倉越のコースを歩いてみた。9年前とは違っていたが、ほぼ同じコースで歩くことができた。(2010、8,5)

(すぐ下・2001,11、11の記録・その下に2010,8,5の記録)

新和田トンネル料金所から、長門町鷹山への道へ入り南へ進み、初めのカーブに目黒区民自然の村があります。 施設の中を南奥へと続く道は、ゲートで閉じられているので、車を付近におき、出発。施設の横を通り、南へどんどん林道を進む。 ハイキングコースは、林道の左へ出来ているようですが、林道を進んで行くと、ハイキングコースと交差するので、そこからハイキングコースへ入る。 すぐに古い案内板や道標が出てきて、ハイキングコースに入った事がわかりました。右手の尾根に登ります。初夏のからまつの芽吹き頃には、気持ちのいいコースだろうな、と思いながら登る。今回のコースは周回二時間とある。
尾根の左斜面に道がついている。そんなに急でなく、地面もやわらかいおだやかな道。間もなく林を抜けて、かやとの尾根に出た。 道は、左右に分かれています。右に行くと、男女倉山の西斜面をトラバースして霧ケ峰の高原の北端へ、左は男女倉山山頂へ直登していました。今回は右へ行き、八島ケ原湿原手前に出て、左回りで山頂を踏み、戻ってきました。 男女倉山へ登る途中から八島ケ原湿原の方を見た所。右、鷲ケ峰。快晴でしたが、道には霜が下り、冷たい風が木々をゆらしていましたし、人も全くいない霧ケ峰でした。 二万五千図の、1776mが、男女倉山のようでした。南東には山彦谷南の耳、車山までの草原が、広いスキー場のように広がっていました。美ヶ原から三峰山、鷲ケ峰まで、その後ろに雪をいただいたアルプスなど、すばらしい展望でしたが、風があり、軽装だったので、寒くなってきて、写真を撮ってすぐ下りました。
(2001,11,11)
 2010、8,5の記録
 登り口の目黒区民自然の家という所に行ってみたら、その施設は無くなっていた。事業仕分けなどで整理されてしまったのだろうか?敷地は柵で囲まれて、林と雑草に覆われていた。道の入り口にはゲートがあって、相変わらず車は入れない。整備された林道が奥へと延びていた。登山口などあるかな、と思ったが、標識などの類は一切無かった。林道にそってどんどん行くと、左手に入りすぎてしまうようだったので、もどってくる。
 以前、来たとき道は右手の尾根に上っていったような気がしたので、少しもどり、そのあたりから、ちょうどそれらしく右手の尾根に向かった、いかにもブルトーザーで開いた道を登る。
 うまく尾根に出たので、多分この道だろうと思う。後で分かったが、正面に見える山が、霧が峰の「ゼブラ山」の山頂だった。2001年の時に書いた「男女倉山」と同じ山だ。
 ところが、最後のあたりになって、倒木などで、いかにも、「これは歩くための道ではない。」というような感じになってきた。水溜りには鹿の足跡だらけ。最後の霧が峰の草原に飛び出る間の2,30mは道も無くなってしまっていた。「これは、森林整備のために仮に開いた道なのだろうか?それとも自然歩道などを将来、作るための道なのだろうか?」多分森林整備のためだけなのだろうな。以前、目黒区民の家があった頃は歩く人も多少はあって風情ある山道だったが、もう「男女倉越」という道は失われる運命なのかなあ、などと心配に思う。
 兎に角、霧が峰の一角の道に出る。子ども達の「ヤッホー。」などという声が間近に聞こえる。車の音も聞こえて、何となく観光地へ入り込んだ気配がする。
 以前来た時に登った、ここからすぐ東にあるピークに登ってみようと登りだす。高原の草原に咲く花々がたくさん咲いていて、蝶やミツバチなどの虫が飛び回っている。野鳥の姿もちらほらしている。
 しっかりした標識が立っていて、「男女倉山」ではなくて、「ゼブラ山」となっていた。山頂には登山者の人が一人いて、挨拶をした。その人は、しばらくして大笹峰の方へ歩いていったが今日出会った人はこの人だけ。湿原の周りの道と違って平日などはこちらの道は、それほど人もこないのだろう。後の山は美ヶ原。
 さっき、山頂を見上げた場所を、逆に見下ろす。中央が新和田トンネルの料金所付近。登ってきたのは、正面のなだらかな尾根の右手の窪みから登ってきたのだと思う。高原の花の写真など撮りながら、元来た道を戻った。
 帰り道、一番初めの写真にある林道まで下りてきた時、鹿が道路を横切って行った。行きにもこの辺りで1頭見た。あわてて写真に撮ったが、画面右上の方に少し写っている。これだけの間に二頭見ているので相当、鹿口は多いのだろう。人が歩かず、鹿ばかり歩いているようでは、この道は登山道としては消え去る運命かな?などと思った。それとも将来的に自然歩道などにする予定で整備中なのだろうか?(2010、8,5)
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