湯峠からの女神岳



 女神岳(930m)は,野倉穴平からは,何回か登った事があったが,最近出た「長野県,北信,東信,日帰りの山」を見ると,湯峠からのコースというのが出ていた。このコースなら登山といってもいいかな,かといって時間もそれほどかからないし,という訳で,2月8日(土)登ってみました。写真は,塩田平の西端にある塩田西小学校付近から見た女神岳です。手前が山田地区。山田地区の中を通り抜けて,湯峠への登り口(写真右端の山麓の白く見えるあたり)へ車を置いて出発,10時15分頃でした。写真の右端から登り出し,写真のスカイラインになっている尾根を右から左へと頂上まで登っていきます。登り出しの標高が600mくらいです。
 車を置いた場所から右上へと峠道がありました。「日帰りの山」では,別所温泉側から登るようになっていましたが,いずれにしても,峠の頂上まで10分程度であっという間についてしまうような小さな峠でした。そんな小さな峠だからこそ,この車社会の今でも生き残っているのでしょう。雪の中に踏み跡もあり,人が利用する現役の峠道でした。車が通れなくて,登山目的でなく,実際に人が仕事などで使っている峠は現在では非常に珍しいものでしょう。山田地区から別所へ通勤や入浴などに今も利用している人も多少はいるのかなと思われました。写真は峠の頂上付近です。女神岳へは,ここから尾根の上に出て,この尾根上を登っていきます。
 峠から少し別所側に下りて写真を撮りました。峠のすぐ近くまでリンゴ畑でした。峠の別所側の登り口のすぐ上には,有名な公衆浴場の「大湯」があります。峠の頂上まで戻って,尾根に乗りました。スノーシューの足跡がついていて,雪が結構降った時,こんな所で試しに歩いている人もいるのかなと思いました。松林の尾根上を行くと,松茸小屋があり,そこを下った所から,ビニールをまたいで,尾根のすぐ左側の踏み跡に入りしばらく行って,尾根上に戻ります。松茸小屋へ行く階段のような尾根上の道を行くと有刺鉄線をまたがないと行けなくなるので注意して下さい。
 いかにも松茸林といった松林の尾根をずっと登っていくが,山頂付近に近づくと,落葉樹の林に変わります。雪も20センチくらいと多くなってきましたが,一人分の足跡があり,それをたどっていったので少し楽でした。最後の部分は急でした。
 足跡は山頂までは行かず,山頂部をはちまきのように巻いていました。山頂部の北端は山城になっていて小広い台地状になっています。踏み跡も全く無い山頂。独鈷山,夫神岳,子檀嶺岳など上小三十山の山々や,まっ白い北アルプスや高妻山など北信の山々の一部が樹間から,きれいに見えました。冬ならではの景色でしょう。また,山頂から,登り口に置いた車が小さく見えました。
 山頂部は,南北に少し台形状ですが,北端は山城地形になっているようです。南端まで歩いてすぐ。
 南端は穴平から直登してくる道があり,石祠が二つあります。以前は中央に木の祠があったのですが,来るたびごとに壊れていき,今は無くなってしまっていました。「2000年,野倉公民館登山記念」などという名前を書いた木の札も立てかけてありました。帰りは雪の斜面を半分滑りながら下ってきました。松茸小屋あたりで,12時を告げる別所のお寺の鐘が鳴って風情がありました。湯峠から登ると女神岳も「登山」になるのかな,中々いいかな,と思いました。温泉などと組み合わせても登れます。松茸シーズンの9〜11月はこのコースはだめですね。(2003,2,8)
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