長者山(ちょうじゃやま)1160m


 長者山、大姥山は犀川より西の山ではあるが、さらしなに近い地域でもあり、面白そうな山なので、「さらしな30山」に入れてしまおうと思う。まずは長者山へ。長野市篠ノ井から信州新町に抜け、「長野県、東信、北信、日帰りの山」のガイドにしたがって左右(そう)地区の登り口に到着する。この辺りはウエストンが針ノ木峠越えをした時に、長野から大町へ越えていった道沿いでもある。(写真は鉄塔側の東屋から山頂を見たところ。)2010、11,2
 登り口でちょうど畑仕事をしていた人がいたので、駐車場所や登山道について聞いてみたところ、近くにあった「長者山遊歩道」の標識を、あれ、そんなのあったかな?くらいな反応であまり歩かないような感じであった。行くなら車で行けるのだから当然かもしれない。翌日に左右で「そば祭り」があるそうだ。熊もそこの柿の木に登っていたので気をつけて、と言われて出発。  道脇に、ラッパ型のキノコがたくさん生えていた。家で調べてみると、毒キノコのウスタケの古くなったようなものにみえる。
 しばらく行くと、左側に登山道の標識があり、山道というか峠道といった感じの道がゆるく登っていた。熊鈴を鳴らしながら登っていく。  ホオの枯葉が目立つ杉林を登っていく。しばらくすると黄葉した雑木林にかわり、道端にチャナメツムタケらしいキノコがたくさん生えていた。入れるものもないのでコンビニで買ったサンドイッチの小さな袋に入れた。チャナメツムタケというしっかりした自信もなかったので7,8個とっただけ。(帰ってきてから上田市キノコ指導員の内河さんに聞いて食べる前に確認した。)本気で採れば周りにカゴ一杯分くらい生えていただろう。残念。
 道は、昔、左右と信級を結ぶ生活道だったのか、山仕事の道だったのか、深くほれて谷状になっている部分を過ぎ、尾根に出た。枯葉が積もり、動物のため糞も所々にあり、今はあまり歩く人がいない事が感じられる。アカマツなども混じった落葉樹の林だが落葉樹の種類が多いような気がする。  尾根を直登する道と、右手を巻いていく道の分岐点に古い標識が外れていた。行きは右手を、帰りは尾根道を下ったが、どちらも大して離れていない場所にある道である。
 右手のトラバース道は紅葉や黄葉が真っ盛りではないが、このまま落葉してしまうような感じもある。しかし気持ちの良い林だ。文字通り遊歩道気分で行ったところが尾根側に出ると、西の方からの風が急に強く吹いてきた。帽子がとばされたり、傾斜も急になり、ロープなどもついていて、遊歩道気分は吹き飛ばされた。  山頂部が近づいてきたことが感じられる頃、役行者の像がまつってある場所があった。東側にちょっと下りた岩の下である。その付近からは南東の方向が開けていて、聖山や登り出した左右地区が良く見える場所だった。左右集落の上の山が大姥山の山頂部。(写真は帰りに撮影)
 
 しばらく登っていくと杉林となり、鉄塔の所へ出た。頂上ではなさそうだ。少し下に山の家が見えた。ちょっと登ると東屋があり、西の方に山頂が見えた。(最初の写真)  西に向かって尾根を行くと、山の家から伸びている作業道に合流。山頂へ向かって行った。
 作業道から標識にしたがって、ちょっと入ると東屋のある山頂だった。三角点も東屋の前にある。あたりはカラマツの植林帯のようだが、落葉樹もけっこう生えている。  晴れていれば、北アルプスの展望がすばらしいだろうな、と思われたが、今日は冬型の気圧配置になりかかってきているので、雪雲のような白っぽい雲に覆われてアルプスの峰峰は見えなかった。大町あたりの平地も少し見える。日差しはあったが、風もあり休憩もそそくさに下りる。
 山の家の方に行ってみる。今でも信州新町の小中学校などで利用しているのであろう。  登り口で出会った人も新町中学校の生徒が頂上付近で木を育てていた、と話していたが、こんな看板がたたっていた。
 現在こんな林になっているので、間伐などはプロがやらないと世話は無理だろう。たぶんもう関わってはいないのかな?それとも何かしているのだろうか。  帰り道、左右の集落に近づいたあたりの道端の切り株にクリタケがたくさん生えていた。これは知っているきのこだったので、チャナメツムタケを少し袋からすてて、こちらを入れて採って帰った。家で食べてみるとチャナメの方がぬめりがあって美味しかったような・・。キノコなど里山の恵みが豊かな山。私にとってはとても興味深い山に思えた。
 帰りはカーナビにしたがってみたら、大岡に上がって麻績へ出て、しょなら峠を越えて帰るようになった。直線距離はこの道が近いのだろう。ガソリン消費量は?道は、わりと整備されていた。(2010、11,2)
さらしな30山へ                 TOPへ