岩井堂山(自在山)いわいどうやま(じざいさん)793m


 冬休みに入ったが、天候はいまひとつ良くない。だがカゼっぽかった体調も回復して少し登頂欲も出てきた。短時間で登れる山として岩井堂山へ行くことにした。岩井堂山は大林山の東尾根の先端にある高まりだ。この山は20年以上前、坂城町の小学校に勤めていた時、遠足で(多分四年生)登った事がある。下見などでも簡単に登れた記憶があるので、年末のちょっとした時間にちょうどいいかと思い出発。写真は坂城町上平地区から見た岩井堂山。(2007、12,28)
 信州山歩きマップのイラストをプリントして見てみると、記憶に無いものが色々と描いてあり20年以上の歳月の長さを感じた。適当に麓の神社あたりを目指して進み、道端に車を駐車させて歩くと、自在神社の鳥居があった。正月間近で松飾がつけられ麓の人がしっかり管理している神社のようだ。神楽殿がありその横に坂城町の登山標識があった。  そこから石段が続いている。かなり何段もある。最近補修されたようで、割合ちゃんとした石段になっていた。傾斜もそれほどでは無い。何段登っただろうか山の斜面にある自在神社の石垣が城の石垣のようにりっぱに作られていた。これも修理されたのだろう。
 石垣で、少し広い平地が作られていてそこに神社の建物が崖の下に建てられている。いかにもロッククライミングの初級の練習にいいような崖だ。神社広場の西から頂上に向かって山道が登り出している。岩井堂山の南東の尾根状を登ることになる。  登り出しは松林の急斜面だが傾斜はすぐにそれほどでもなくなる。赤松の林床には枯れ松葉が積もっているが、他の低木はあまり生えていなくて、私の子どもの頃の稲荷山の松林の様子と似ていた。(さらしな30山、篠山、参照)しばらく登り、トラバース的に南へ登ると、少し南東の展望が開けた場所があった。昨年の暮から今年の正月ころ登った狐落城、三水城の尾根が手前に良く見える。
 南側の尾根状の地形を登る。曇りの天候のせいもあり、神社上の松林は暗い印象だが、南側の尾根に移ってからは気持ちよい登りとなる。古い石祠が二つある。  頂上付近の松林は気持ちが良い雰囲気で、これならマツタケも出そうだなと思うが、全山にわたって、立ち入り禁止や罰金50万円などの張り紙や立て札があり、シーズンには立ち入らない方がよい山である。昔の遠足も春だったような気がする。
 頂上に到着。麓の鳥居からの標高差350mくらいを一時間ほどかかって登った。体調は良くなかったが、やはり気軽に登れる山である。山頂の砦跡は以前に比べて良く整備されているような気がした。草も刈られて気持ちよい場所になっていた。いかにも砦跡といった感じだ。  山頂の北隅にあった解説版です。
 三角点は北東の土塁上にあった。ここが793m。東側には雪が少し残っていた。晴れていればとても気持ちのよい場所のように思える。西の尾根に林道や大林山へと続く道もある。  東側の木が伐採されたようで、最近登った鳩ケ峰。そこから大道山、大峰山へと続く稜線が良く見える。もし回りに木が無ければ、南西の擂鉢山砦、南の狐落城、三水城、さらに南東遠くに虚空蔵山の山城群、そして北東に村上氏の根拠地の葛尾城が良く見える場所だ。山城間でどうやって連絡を取り合っていたのだろう。狼煙のあげ方も色々あったのだろうか、でも霧などもありうまくいかない事もあっただろう。太鼓や鐘などの音も使ったのだろうか。登った道をそのまま戻る。歴史も感じられ、マツタケ山や神社の山として今も里山として現役だった。(2007,12,28)
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