大根場(おおこんば)1084m


草湯地区あたりから見た大根場。中央の尾根にふみあと程度の道。中央奥あたりが1084m三角点。右側の方が標高は高くなっている。
写真のすぐ左に写ってはいないが草湯温泉「冠着荘」がある。
 大根場は、大林山の西にある。2万5千図を見て、以前からその山名が気になって登ってみたかった山だ。今回、「さらしな三十山」というのを強引に作ったので、その中の一つに入れた。家からの距離もそれほど遠くないし、こんなシーズンでないと登れないヤブ山のように思えて出かけることにした。
 事前にネットで情報を集めると、「信州山学クラブ」のHPにのっていたのでそれを参考に春山コースの方を登ろうと思った。冠着荘の前の道路に駐車して、見上げると、頂上から南西に向かって急な尾根が降りてきている。これを登れば近いだろうと思う。道平地区をぬけたところ尾根が道路に届いた所に写真の庚申塔がある。(ここから登れることを下りで確認。ここが登山口としていいと思う。)ここから登れるかな、と思ったが、山学クラブのHPにしたがいさらに林道を登る。すると「信州山学クラブ大根場登山口」の標識があったので、そこから沢に下り、南西主尾根へ向かって枯葉のつまったルンゼ状の場所を登りだす。
 すぐにちょっとした岩でさえぎられたので、右に登って尾根状の急斜面を登っていく。松や落葉樹、ソヨゴなどの混じった林だが、ヤブほどではなくて、まあまあ登りやすい。帰りのために、枝などで目印をたくさんつけながら登る。
 間もなく、といっても急傾斜で汗はかなりかいて主尾根へ出た。主尾根は、ヤブなど刈り払った跡もあり、はっきりした踏み跡といっていいくらいで登りやすくなっていた。
傾斜もゆるやかになり雪も出てきた。しばらく行くと、北西尾根と合流する地点になった。ここにも「信州山学クラブ」の標識があった。地図で見るとここはまだ三角点では無いのでさらに東に進む。
雪の中に、北西尾根から登ってきた二、三日前と思われる一人分の足跡があった。しばらく登ると三角点のピークに到達。三等三角点だった、展望はヤブからすけて見える冠着山、八頭山、大林山、らしき山々が見える程度。尾根はさらに南の方に続いていて、ここが山頂という気分はあまりしない。山頂の木に赤いテープで19,1,30 大根場1084m 名前と携帯番号が書いてあって、求む山仲間というのが貼ってあった。足跡の人とは違うな。そんなのを見ていたら、どういう訳か中学の頃いた山好きらしい先生が我々に青春の迷いから登山に打ち込んだような事を少しほのめかして話した事がふと忘れていた記憶の中から浮かんできた。「雪山や足跡一つ我の前」  お茶を少し飲んで下山にかかる。登ってきた斜面を忠実に下ろうと思っていたが、南西へ下る主尾根はふみあともかなりしっかりしていて、ヤブの株も切ってある様子が見える。こちらから下った方が正解かもしれないと思い、主尾根を下る。やはりこちらが正解でした。途中今日唯一のちょっと展望のある場所があった。かなり下の方だ。この時丁度お昼頃の時報が下でなりひびいていた。時間表示にしてなかったので、時間を記録する習慣のない私は、この登山がどのくらい時間がかかったか分からないが、車から歩き出したのが、10時すぎだったことは確かだ。ここから間もなく道はさらにはっきりしたものになり、壊れかかったようなお堂のすぐ下の、左上の写真、庚申塔の場所におりたった。
この登山をしてしばらくしてから、ネットで調べなおしてみたら、「山のてっぺん」というブログを見つけた。それによると、大根場の北西尾根の標高918m地点には硯竜山砦(すずりりゅうやまとりで)跡があり、登り口は旧坂井村役場の近く、杉崎の枝垂れひかん桜から道があるとの事。(写真もあった)
 砦跡などを見ながら、こちらから登るのがやはり一番正解のようだった。
 この方のブログでは(だいこんば)と書いてあった。
冠着荘は、結構人が入っているようだった。道をはさんで西側には、地元の野菜など売るところや、そば店があり、何人かで来るような時は、温泉に入ってソバでも食べていけばいいかな、とも思ったが、なにせ展望もほとんど無く、登っておもしろい山ではないので、ピークハント以外には面白くないかもしれない。山頂付近だけでも切り払って、この尾根道も刈り払いをさらにすれば、観光資源になるのでは?
 帰りに、大根場の写真を撮るため草湯地区の方へ曲がると、角に双体道祖神のような石仏があった。後ろが四阿屋山の方になる場所だ。周辺の散策もよい場所が多いように思えた。
 なお、「信州山学クラブ」のHPには大根場を(おおねば)と書いてあるが、白山書房の「日本山名総覧」にはオオコンバ、とあり、麓の道平地区で、畑にいたおばあさんに聞いて見たら、「この辺の山をコンバって言ってるよ。」とのことなので、やはり「オオコンバ」が正しいと思います。
(2007,2,12)
さらしな30山へ  TOPへ