夫神岳東丘陵の松枯れ跡地     


 上田市の夫神岳東側に伸びる丘陵上の松枯れに気づいたのは2000年頃。小牧山の西斜面の松枯れの処理がされた頃だったと思う。その後しばらく誰の目にも明らかな惨めな姿をさらしていた丘陵だが最近その松枯れ地帯の伐採や植林がされ出して、やはり、市や県でもほっておかないんだろうなと思っていた。この頃では草が生え遠目には緑の丘陵が出来て思わず歩いてみたい気分にさせられる場所となった。そこで2006年の10月〜12月にかけてハイキングのつもりで歩いてみた。
 すると、伐採されて裸地となっているためもあり、松枯れ地帯の全体が何となく実感されてきた。現在整備されて二年くらいたっている場所では、植林の必要も無かったほどクヌギなど雑木の幼木などが生え、松の自然生の幼木も生えている場所もあった。今後の見通しは明るい感じだ。木々が生長する前にはよいハイキングエリアともなりそうである。
 ところが、松枯れ地帯の西端付近に廃棄物焼却所らしいものがあることが分かり、ここからの煙と松枯れの原因は関係なかったのだろうか?と、私は疑問を持ってしまった。今後、できるかぎり調べてみようと思った。とはいえ、因果関係は全然ないのかもしれないし、科学的調査技術など何もないので、現状の記録程度だが。(2007,1)
 松、公害、と英単語で打ち込んでグーグルで検索したところ、ニューヨーク自然史博物館の若者のための(中高生くらいのよう)科学研究コンテスト入選作品が出てきました。高校三年生くらいの人のものですが、松枯れや成長について大気のオゾン(光化学スモッグのこと?)による汚染を研究したものがありました。グーグル検索についている翻訳の変な翻訳文で判読しただけですのでよく分かりませんでしたが、松枯れの原因が大気汚染と正面からとらえていると思います。最後にリンクを貼っておきました。私のように英語がパッと読めない人はグーグル検索でやると、(訳す)というのも出てきますので、それをクリックして判読して下さい。(2007,2,11)
 今年は、上田市周辺の山々に新たな松枯れが目立ちます。全体的であり、山の下から中腹の位置です。冬に市の上に広がる焼却炉や排気ガスのただよう層あたりの気がしますし、大陸からの原因かもしれません。特に目立つのは城山の南西面です。城山の南西面の写真をのせます。(2007,8、15)
 2011年現在、長野県に森林つくり県民税が導入された事もあると思いますが、松枯れ地帯は急速に伐採、整備されています。そこは植林されたり、そのままの場所もありますが、直ぐに自然に前からあった様々な木が生えてきたりすると思われます。(2011、3,21)

これは、丘陵の東端の部分。右端の高みに三角点がある。写真は東端から西端に向かってならべました。(2006、10,28)
このページを作るに当たって、以前撮った映像を調べてみたら、夫神岳東丘陵が写っているものがありました。これは2002年に撮ったものです。手前の麦畑と後ろの御鷹山などを撮ろうとして偶然写ったものなので、いまいちなものですが。中央の長く延びる丘陵の茶色の松枯れが分かると思います。これは南斜面で、北側の方が松枯れはひどかったような気がします。(2002,6,15)
霊園付近から登って、上記三角点付近。(2006、10,28)
この日は、三角点から舞田峠の神社まで往復した。松は伐採されている。下の舗装道路は舞田峠。ここは伐採されてからしばらくたっている。(2006,10,28)
これも以前の映像。上の舞田峠の仁古田の神社付近から西方向を見たところ。これは2003年5月のもの。この時は、この灯篭のすぐ後ろの斜面は伐採されて植林などもされていたと思う。(2003、5、11)
これも、2003年の5月。上の場所から東方向を見て撮ったもの。これははっきりひどい松枯れだ、と思って撮った記憶がある。(2003、5,11)
舞田峠を西側から見ている。斜面には雑木の幼木が生えだしている。上の写真を撮った神社の一部が左上の斜面に黒く写っている。(2006、12,2)
上と同じ場所。松の幼木が生え出していた。(2006,12,2)
舞田峠から、車道の越戸峠への尾根の途中。整備されていない部分はこんな感じ。(2006,12,2)
同じく、舞田峠から車道の越戸峠への尾根。ここは今年伐採されたような感じ。(2006,12,2)
車道の越戸峠の東側にも三角点がある。そこから西側を見たところ。(2006、11,26)
車道の越戸峠から、山道の越戸峠へ向かう途中。(2006、12,3)
この時偶然撮っていたその辺りの松の切り株。何年前の植林だろうか?「松枯れ白書」では年輪で汚染発生の生育状況を見ている。この木ではかなり前から生育が悪くなっている。これから見ると、大気汚染が原因というより、むしろ間伐がなされず、混みあったり、林床の富栄養化ということが考えられるのか?切り株をもっとたくさん調べてみようと思う。(2006,12,3)
山道の越戸峠は、別所の安楽寺入り口付近から登る。上田市の越戸地区へ続く。峠の頂上付近が荒れて通行できないような感じになりつつある。20年くらい前に遠足で越戸峠を通過した時は、よい峠道で、枯れ松なども無かった気がする。これは山道の越戸峠付近の尾根。まだ枯れ松が残っている場所。(2006、11,18)
山道の越戸峠を越戸側に少し行くと、反対斜面の松枯れ伐採跡が見えた。(2006,11,18)
工場の音らしいようなものがここまで聞こえたので、下を見ると。産廃焼却場?のようなものが見えた。(2006,11,18)
山道の越戸峠のさらに上に別所と青木村殿戸を結ぶ殿戸峠がある。2枚上の写真の松枯れ伐採跡の西端付近が殿戸峠の頂上付近である。ここは自然遊歩道として整備されつつある。そこから東方向を見たもの。松枯れ跡地が東に続く様子が見える。(2006、11,25)
2007,8月 今年は城山の南西面に松枯れが目立ちます。その他、上田市街地から丸子地区にわたってポツポツと全体的に増えているような気がします。城山の南西面はまた伐採されなければならなような惨状です。
城山南西面は、夫神岳東丘陵から北へ間近な場所です。上の写真を撮った場所から振り返り、すでに松枯れが伐採された跡の東丘陵を見たところです。(遠くの山は独鈷山)このページの上から6番目の写真の、遠くに写っている山裾が城山南西面にあたります。何らかの関連性があるようにも感じます。(2007、8、15)
 2008年から長野県森林作り県民税が導入されたこともあるのでしょうか、松枯れの伐採整備が加速されているような気がします。2007年に写した城山周辺でも、伐採が進んでいます。昨年、県民へのアンケートがなされて、森林県民税が生かされているか聞いたところ、あまり生かされていない、という結果だったが、私はけっこう生かされているんじゃないかな、と思う。
 こちらは、塩田平の西端から丸子へ抜ける、御岳堂三等三角点付近。こういう場所は、天気の良い日に歩くのに最適。いずれ植林はされるのだろうが、自然にまかせておいても、けっこう緑の林が復活するのではないかと思う。
 舞田峠の東の地域は、仁古田地区の人達が遊歩道を作り公園化しようとしている。どこも、気持ちの良い丘陵に変わろうとしてるが、舞田峠付近に廃棄物の捨て場になったりしている所が心配だったり、本当の松枯れの原因も何だったのか、はっきりさせたい気もする。(2011、3、21)
 山を考える「松枯れ白書」を読んで         Ozone Pollution and White Pines               TOPへ