・抵当権の譲渡 抵当権者が抵当権を持っていない債権者に抵当権を譲る。 ・抵当権の放棄 抵当権者と抵当権を持っていない債権者が抵当権を同順位で持ち 合う(準共有―所有権以外の権利を共有すること)。 ・抵当権の順位の譲渡 後の順位の抵当権者と順位を逆転させる。 ・抵当権の順位の放棄 先順位抵当権と後順位抵当権を同順位で持ち合う(準共有) 8-11 以上に当てはめていく。 1 ○ 「BがEの利益のため、抵当権を譲渡した場合」 Bが、2000万円の一番抵当権を、抵当権を持っていない2000万円の債権者Eに譲渡すると、一番抵当権は全部Eのものになる。よって、売却代金5400万円からは、2000万円の一番抵当権を有することになったEに2000万円、2400万円の2番抵当権を有するCに2400万円、そして、残りの1000万円は4,000万円の三番抵当権を有するDに配当されるので、Bへの配当は0となる。 2 ×「BがDの利益のため、抵当権の順位を譲渡した場合」 2000万円の一番抵当権者Bが4,000万円の三番抵当権者Dに順位を譲渡すると、BDの順位が逆転するので、売価代金5400万円からは、一番抵当権2000万円は全額Dに 二番抵当権2400万円はCに、そして一・二番抵当権に配当した残りの三番抵当権への配当1000万円も、被担保債権2000万残っているDに優先されるので、Bへの配当は0である。 3 ○ 「BがEの利益のため、抵当権を放棄した場合」 2000万円の一番抵当権者Bが抵当権を持っていない2000万円の債権者Eに抵当権を放棄すると、一番抵当権をBEが持ち合うことになる。よって、一番抵当権への配当2000万円をBEの債権額で按分比例した各1000万円の配当となる。 4 ○ 「BがDの利益のため、抵当権の順位を放棄した場合」、2000万円の一番抵当権と4,000万円の三番抵当権を、BDが持ち合うことになるので、5,400万円の売価代金から、一番抵当権と三番抵当権への配当金をBDの抵当権額に応じて按分配当するとになる。そして、一番抵当権と三番抵当権の配当金は、一番抵当権の満額2000万円と三番抵当権への一・二番抵当権への配当後の残りの1000万円の合計3000万円になるので、B2000:D3,000で按分した、B1000万円:D2000万円の配当となる。 |
類題 18-5(抵当権の順位の譲渡・放棄 抵当権の実行により甲土地が競売され3,000万円の配当がなされる場合、債権金額2400万円の一番抵当権者Bが債権金額200万円の一番抵当権者Cに抵当権の順位を譲渡していたときは、Bに1,400万円、Cに1,600万円が配当され、BがCに抵当権の順位を放棄していたときは、Bに1,800万円、Cに1,200万円が配当される。) |
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