27-6権利  抵当権
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【問 6】抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除き、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。

2 抵当不動産の被担保債権の主債務者は、抵当権消滅請求をすることはできないが、その債務について連帯保証をした者は、抵当権消滅請求をすることができる。

3 抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する。

4 土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
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解答解説 正解 2
 過去類題が頻出している抵当権の定番問題である。これは、取らなければならない。
1 ○ 賃借地上の建物と敷地の賃借権には財産的な一体性があるので、賃借地上の建物の抵当権の効力は、敷地の賃借権にも及ぶ。8-7
2 × 抵当不動産につき所有権を取得した第三者(第三取得者という)は、その不動産を適当に評価して、一定額を代価として抵当権者に提供する代わりに、抵当権を消滅させるべき旨を請求することができる(抵当権の消滅請求)。が、当該抵当権の被担保債権の債務者保証人がたまたま抵当目的物の第三取得者になった場合には、抵当権消滅請求は認められない。本来抵当債務を弁済して抵当権を消滅すべき立場にあるものだからだ。よって、保証人は抵当権消滅請求をできるとする記述は誤り。8-16
3 ○ 記述のとおり、「抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する。」代価弁済という制度だ。8-15
4 ○ 土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、(抵当地の競売のジャマになるので)、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、(建物に抵当権の効力が及んでいるわけではないので)その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。一括競売という制度だ。8-19

類題 
抵当権の効力の及ぶ範囲

25-5(借地上の建物の抵当権の効力は、借地権も及ぶ)
19-7(ガソリンスタンド用店舗建物の抵当権の効力は、抵当権設定当時に存在した従物である地下タンク等に及ぶ)
元-7(抵当権の効力は、抵当権設定当時の抵当不動産の従物にも及ぶ)
抵当権消滅請求
21-6(被担保債権の保証人は、抵当権消滅請求をすることができない)
2-6(抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができる)
一括競売
14-6・4-6・元-7