自然堂治療室・相談室のPROFILE治療者と各種治療法の紹介
クレニオ・セイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)
アメリカの外科医でオステオパシー医のジョン・アプレジャーが、1971年、自ら立ち会った頚椎部脊髄硬膜のカルシウム斑の除去手術の際に、脳脊髄を包む硬膜が、1分間に約8回のリズムで脈々と力強く動くのを発見し、それが「頭蓋オステオパシー」で見出された頭蓋骨の動くリズムと全く同じだったことから、脳脊髄液の循環に着目して創始した治療法です。このようにオステオパシー内部から生まれてきた療法なのですが、独自の特色をもち、一気に心理療法にまでつながる発展を示してきています。また、閉鎖的になりがちなオステオパシー業界にあって、一般の家庭の主婦や他の職業の人にも、このテクニックを公開して教え始めたことも画期的でした。
脳脊髄液は、脳と脊髄を包む脳脊髄膜のうち、軟膜とクモ膜の間の「クモ膜下腔」というところをみたして循環し、そのまま末梢の神経にも流れて行っています。このためそのリズムは、頭蓋骨や仙骨をはじめ全身どこでも取ることができます。だいたい1分間に6〜12回ぐらいのリズムです。ただし、「5グラム・タッチ」といわれる超ソフトな触手でないと感知しにくいのですが、そうやって頭蓋仙骨リズムを共有し、そのリズムの極をあえて静止点に保つと、やがてもっと整ったリズムが自発的に力強く蘇ってきて、全身的な深いレベルでの治癒が生じるのです。
この「静止点誘導」は、自律神経を根本から調整し、非常に深いリラックスをもたらすので、自然堂でもほぼすべてのクライエントに用いています。さらに本格的な頭蓋仙骨療法になると、難治の不定愁訴や神経障害にめざましい効果を発揮することが、自然堂でも確認されています。またそれを心理療法に応用したものとして、アプレジャーは「ソマト・エモーショナル・リリース(体性感情解放)」を考案しているのですが、自然堂では「フォーカシング」と独自に接合して、自然堂の自然身心療法の大黒柱の一つとしています。
<もっと知りたい人のブックガイド>
J・アプレジャー 『頭蓋仙骨治療』スカイ・イ−スト社、1988年。
J・アプレジャー 『頭蓋仙骨治療U』スカイ・イ−スト社、1997年。
J・アプレジャー 『ソマト・エモーショナル・リリース』スカイ・イ−スト社、1995年。