坂野法律事務所 東北文化学園大学補助金住民訴訟      仙台市民オンブズマン

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東北文化学園大学補助金違法支出住民訴訟の終結に際しての声明
                                   2011(平成23)年12月16日
                                                               仙台市民オンブズマン

  仙台市民オンブズマンのメンバーが原告となって被告仙台市長に対して求めていた東北文化学園大学補助金違法支出住民訴訟は、訴訟外において2011(平成23)年10月31日に、監査法人側との間で合意(和解)が成立し、本日同合意に基づき監査法人側から仙台市に対し解決金4億円が入金されました。原告らは同合意に基づき訴えを取り下げ、訴訟は終結することになります。
  本住民訴訟は、学校法人東北文化学園が大学設置認可申請をした際に、虚偽の財産目録を作成して違法に大学設置認可を取得した上で、仙台市から8億1000万円の補助金交付を受けたところ、このような違法な補助金支出は東北文化学園大学の財産目録を監査した公認会計士の任務懈怠にも原因があるとして、公認会計士及び同会計士が所属していた監査法人に対して同額の賠償を求めるよう請求した訴訟です。
  本住民訴訟は、2005(平成17)年4月8日に提訴し、2009(平成21)年4月13日に仙台地裁第2民事部(畑一郎裁判長裁判官、廣瀬孝裁判官、遠藤啓佑裁判官)が原告の請求を全面的に認容する判決を下しました。これに対し、監査法人側が控訴しましたが、仙台高裁第1民事部(小野貞夫裁判長裁判官、綱島公彦裁判官、橋彩裁判官)も2010(平成22)年3月12日、一審判決を維持して控訴を棄却しました。監査法人側はこの高裁判決に対して上告をし、最高裁第一小法廷に係属しました。 
  その後、監査法人側との協議を経て、今般、監査法人側が仙台市に対して解決金4億円を支払うことを条件に、本住民訴訟を取り下げることで合意しました。
  4億円は高裁判決の認容額(7億6907万4390円)の5割強でありますが、本件各関係者の責任割合を勘案し、許容できる範囲と判断して上記内容で応じることとしました。
 本住民訴訟を通じて、公認会計士・監査法人の大学設置認可申請における財産目録監査の重要性が確認された意義は大きいと言えます。すなわち、大学設置は国や自治体からの補助金受給のほか、学生、職員等の大多数の利害関係人に影響を及ぼすものであり、それ故に学校法人の監査にあたっては高度の専門性を有する公認会計士を信頼して行われています。本住民訴訟における地裁・高裁判決及び本合意は、この点を確認するものと評価できます。
  仙台市に支払われる4億円は非常に貴重なものです。
  仙台市民オンブズマンは、この4億円が東日本大震災の被災者に対する具体的な支援に充てられることを希望します。くれぐれも無駄な公共事業に充てられることのないよう仙台市に対して強く要望いたします。

                   
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