あとがき そして駄文


北の街で交錯した二本の線から生まれた物語。
それが「既視感のあるマイルストーン」でした。
傷ついた心を癒し癒されて結ばれた雄吾と葉野香は、作者としてとても愛着があり、
もしいいアイディアが浮かんだら続きを書きたいという願望はずっとありました。
しかしせっかく完成した作品に蛇足となってしまっては元の木阿弥。
どうしても雄吾と葉野香だけでは読むに耐えるだけの深みのある展開が
構想できず、筆が進みませんでした。
ただいちゃいちゃしている二人を描いても、楽しいのは作者だけですしね。


ある日、天啓のように、春野琴梨嬢の少し寂しげな横顔が浮かびました。


そこからは一気に構想がまとまります。
彼女の秘めた想いを綴ろうとすると、キーを叩く指は踊るようでした。
書いてて、意外と自分は琴梨も好きなんだなぁと気付きました。
あまりそういう展開にはなりませんでしたけど。
ネタとしてなら、もっと積極的に琴梨が迫って迫り過ぎちゃう話とかも考えましたが、
私に似合う内容じゃないなぁと、より心象表現に踏み込む方向にしました。
こんな琴梨像もあっていいんじゃないかなと思っています。


札幌を舞台にする葉野香と雄吾の話はこれで完結です。
ですが、東京を舞台にした小説で、脇役として出てくることがあるかもしれません。
その時は、幸せな二人をやっかんでやりましょう。


ここまで読んでくれて、どうもありがとう。
また次回作でお会いできるのを楽しみにしています。



irishman@北海軒常連の会代表幹事



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