TOP 2009年8月(英国のナショナル・トレイル) |
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![]() ![]() 英国最古の道路を歩く |
1 はじめに 英国の長距離フットパスは、公的なナショナル・トレイルとして13コース策定されている。その中でも「リッヂ・ウエイ 137km」は、英国はもとよりヨーロッパでも最古の道と云われる古道をベースに設置され、旧跡が多く丘陵地帯の農場を通るトレイルとのこと。 又、ロンドンからも近くコースも平易で通年歩行出来るので人気の高いトレイルらしい。これまでの訪英で同トレイルの地図を入手していたので、概略の状況は把握出来ていたが、更に多くの関連資料をワンデル代表の山浦正昭氏から得て理解を深めた。 尚、歩行後はドイツに移動してフットツーリングクラブ主催の「アルテナ・シルマンウオーク・180km」に参加予定。初めてのドイツのフットパスを体験する。 歩行時のタイムやポイント等、テント泊歩行者の参考用として別途「資料編」をご参照下さい。 日 程 |
2 トピックス&スケッチ 概略総距離=153Km(トレイルから離れて宿泊地までの距離を含む) 総歩行時間=42時間10分(休憩時間を除く) 出発日 8月4日(天気 晴):成田空港から英国・Heathrow空港・・London市内 距離:0km。行動時間:0分 |
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成田空港のチェックイン時に受付嬢から「エコノミーが満席ですので上のクラスを取りました」と思わぬ幸運にニンマリ。 ありがたや 旅の女神が 微笑みて 長いフライト ルンルン気分 |
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第1日目 8月5日(天気 雨後曇り):Londonからトレイル開始・Ogbourn 距離:19km。行動時間:5時間 |
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トレイル起点のエイヴベリーには、世界最大級のストーン・サークルがある。 その規模は半径380mの円沿いに98本の石柱群で構成。この南西部に世界遺産・ストーンヘンジもあり、先史時代の貴重なメッセージ・ゾーンでもある。 ひとり旅 不安のタネは 尽きねども 「そんなものヨ」と 遺跡は語る |
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今夜の野営地は牧場の片隅で、家畜達との共生スペースだ。早朝、テント脇で馬の草食む音に驚いて起床。 保護色の テントにたかる 虫達を 眼ざとく見つけ ニワトリ来る |
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第2日目 8月6日(天気 快晴):OgbournからCourt Hill |
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伝統的な草ぶき屋根と石壁の民家は、周囲景観と同化して時間が止まっているような空間だった。 古民家の 絵で見るような たたずまい 窓辺の花の 何と愛らし |
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先史時代から人々が住んでいた土地にふさわしく穏やかな展望が続く。それにしても、広大な耕地を管理する人家が不思議のほどない。 眼の届く 先まで続く 丘稜の 奥に幾重も 耕地広がる |
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朝露がゴルフ場一面を覆いプレーヤーの登場を待っている。そんな中、バージンロードを通る気分でフェアウエイを幾つも横切る。「トレイルを忠実に」との注意杭にあった。 芝面に 朝一番の 贈り物 新雪原の 踏跡みたい |
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古道の風格が残る大樹の並木道は、今にも馬上の騎士が現れるような雰囲気だ。人家や車道から離れているので騒音もなく、小鳥の囀りが静寂を増す。 今はもう 役目御免の 道なれど 古道並木の 巨木は達者 |
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トレイル終点のイビングホー丘は、岬のような突端台地で、見本の様な風景が360度展望出来た「英国一の展望地」との看板にも納得。 |
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トレイルの終点から6km手前の町外れにトリング駅があり、市街地は中世の風格を残している。電車でロンドンから40分の所でこんな景観に出会えるのに驚いた。 これからも 変わらぬ暮らし 営んで 子から孫へと 石家残す |
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初めてのヨーロッパ間移動に戸惑う。歩行の疲れもあって両空港共にウロウロして何とか本隊と合流出来た。年金ジーサンの旅はピーク時期を避けるべし。 |
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3 あとがき(所感) 1)本トレイルは前半と後半に別れており、ガイドブックでは前半のみでGoringからテームズトレイルに接続されている。その訳は、後半はトレイル上に給水場もなく史跡も少ないためらしい。 ![]() しかし、実際には後半の方が荒らされておらず「古道」の雰囲気があり魅力的な歩行が出来た。更に、歩行者にも会わず、未舗装路で懸念していた「ウエット(湿地)路」でもなく期待以上の快適な旅(→)だったので再訪したいトレイルのひとつに加えたい。 2)アプローチは、Londonに近く、起点のSwindon経由Aveburyも終点のIvinghoeからTringもアクセスが容易。逆コースも可能だが、季節によっては向い風になるので今回の北上コースが一般的らしい。 3)トレイル上に宿泊施設が少ないのでテント泊でない場合は、最寄の町まで離れるか、オフシーズンでYHAが空いている季節を選ぶことになる。今回は、ドイツ歩行の時期に合わせたのでハイシーズンになった。そのため、航空チケット代は約2倍高で、YHAは満員など年金ジーサンには不向きな旅となった。 4)起点のAvebury近くのClyffe Paypark YHA に1泊して、Salisburyの世界遺産・ストーンヘンジ同様時間をかけてAveburのストーンサークル(↓↓)を見物したかった。 ![]() ![]() 5)肩の疲れを癒す方法として、肩バンドを緩めて腰バンドに負荷を受ける(後方の荷物反り防止の紐追加要)。 6)食料について ・米飯は、フリカケの代わりに自家製の梅味噌(梅の味噌漬)の酸味で食欲あり。 ・昼食のラーメンは、即席チキンラーメン(3分間沸騰)で燃料を節約出来た。 ・行動食の大形カンパン(カニヤ製)は、災害非常食用として開発したもので、食べ易い。 ・切コンブ(日高コンブを使用)をミソ汁の具にしたり、飴の変りの行動食にした。 ・成田の免税店で寝酒用のウイスキーを購入(プラスチックボトルは水筒に転用可) 7)装備について ・今回初使用の超軽量ザック(Mサイズ)では、食糧が入らないので両サイドにサブ袋を設けて(8L)容量アップした。 ・航空運送時のザック保護のために、グランドシーツを袋状にして梱包した。 ・コンロ用のガスは運搬出来ないので現地購入となる。メーカーによってガス口が違うの同じメーカー品を購入する必要がある。キャンピンガスは海外では入手容易のようだ。 ・屋外コンロ使用に伴う「風除けフード」を断熱シートで作成一応の成果を得た。 |
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