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 **** 英国のナショナル・トレイル ****
        ペナイン・ウエイを行く 

    果てしなく広がる丘陵風景
    
  はじめに

 初めて英国のフットパスを訪れて3年が過ぎた。振り返れば、初めての海外登山は、山仲間と3人でボルネオのキナバル山ヘ登り、それから30年が過ぎ今回は21回目の山旅になる。 この間の累計日数は250日で、改めて「よくも無事に旅をしたものだ・・」と感慨無量になる。30年目の区切りと云う訳でもないが、昨年の南・北アルプス全山縦走「定年オヤジの中冒険」の続編として「中冒険・国外編」で今回はペナイン・ウエイをトレースすることにした。
 案内書によると、このトレイルは、国内最初の国定・長距離フットパスで、3つの国立公園を通る荒野が主流の山岳コースで条件によっては厳しいトレイルになるそうだ。
 ともあれ、一回で400kmを越える山旅は初体験で何が起こるか予測出来ないが、これまでの経験を想い出し「身の丈に合った行動」を忘れず、ムリな時は早々に尻尾を巻いて下山しよう。
        

   記 録
 6月14日 (成田空港―韓国・インチョン空港経由ヒュースロー空港)
  タイム:岩槻駅発(5:03)-成田空港(7:45-9:20)-インチョン空港(11:50-13:40)ヒュースロー空港(17:15-18:15)-ロンドン・オクスフォードYHA(19:20)

 ヒュースロー空港のバスターミナルで明日の高速バス便のチケットを購入(前日迄だとシルバー割引で購入出来る)。
 ロンドンのYHAは、幾度も宿泊したので道順に不安はない。しかし、繁華街にあるので深夜までウルサく他のYHAを探したくなる。


 6月15日 (オクスフォードYHAからイーデル)
 タイム:YHA発(7:00)-ビクトリア・バス停(7:45-9:00)-チェスターフイルド駅(12:45-14:40)-シェフイルド駅(14:57-16:00)-イーデル駅(16:50)フイルドヘッド ・キャンプ場(17:30)

 定刻にターミナルを発車した高速バスは、半分ほど走ったら自然渋滞に捕まりノロノロ運転。「その内解決するだろう」と楽観していたが、渋滞が1時間以上も続き高速から降りても狭い一般路も車でぎっしり。下車地のシェフイルドに何時に着くのか不安が募る。
 イライラしていたら運転手が「シェフイルド!」と云ったのでヤレヤレと下車。初めての町で勝手が判らず案内所でアウト・ドアー店を聞きガスを購入する。しかし、良く見るとシェフイルドでなくチェスターフイルドとなっているボーツとして一駅前で下車したようだ。
 幸い電車でシェフイルドへ出たがこれがケチのつき初めで、シェフイルド駅から入山駅のイーデルまでのローカル線が1本運休(2時間に1本の便)で4時間近くも待つことになり「タクシーを使おう」と客待ちの運チャンに「イーデルまで幾ら位?」と聞くと「15ポンド位」との返事。電車時間から考えて少し安目だが「5千円位で行くだろう」と乗り込む。しかし、乗ったら運チャンが「地図見せて」と来たので、心もとない話だが「何とかなるだろう」と田舎道を目的地へ向かう。
 方向は合っているが駅へは着きそうにない。既にメーターは30ポンドを越えている「道間違ってない?通行人に聞いてヨ」と車を止めて聞くと、やはり一山違っていた。何とかイーデル駅に着いて「間違えた分値引きを」と交渉したが応じる相手でもなく(乗った自分が悪かった)と諦めてメーター通り約1万円払う。
 キャンプ場(→)でテントを張り終わる頃から本降りになり夜中にカミナリが鳴った。そんな中で数組がライトを灯し設営していた。


 6月16日〜7月2日
  
(ペナイン・ウエイ)別途記録参照


 7月3日 (カーク-エソムからニューカッスル)
 タイム:YH発(7:10)-ケルソー・バス停(7:45-50)-ジェドバーグ・バス停(8:15-9:10)-ニューカッスル駅(10:50-ニューカッスルYH(11:20)

 一番バスで乗り継ぎの町・ケルソーに出る。ケルソーはこの付近のターミナルで古い建物が並ぶ趣のある町だ。
 ニューカツスルへはもう一度ジェドバークの町で乗り換えになるが、ここで小1時間待ち。ようやくオバサンが運転する小型バスが来て一路ニューカツスルへ向かう。
 途中でペナイン・ウエイで泊ったバイネスYHAを通過したのには驚いた。
 今夜の宿・YHA(→)は市内から15分ほど離れているが、静かな良い環境で穏かな管理人夫婦が出迎えくれた。今月英国でボーイスカウトの世界ジャンボリー(まつり)があるので「記念品でも」と思い管理人に店を聞き食料買いのついでに行ってみた。しかし、見つからず帰って来たら「申し訳ない、その店は廃業した」と恐縮し、知人を当たってくれ。結局市内に販売店はなく、代わりにボーイスカウトの関係者が面会に来ることになる。しばらくして、当地の団責任者夫妻(←)が記念品を持参してプレゼントしてくれた。左手の握手に最初はとまどったが、奥さんもリーダーとのことで、いわえる”ボーイ・バカ!”は何処にもいると感心。トレイルとは関係なかったが現地の活動や問題点を聞けて良い交流の機会が得れた。


 7月4日 (ニューカッスル滞在・バックパッカー泊)
 帰国のフライトまで1日余裕があるので今日は市内の見物にする。この町は人口20万で古くから石炭、港湾、造船等イングランド工業の中心地(↓)として栄えて来たので、歴史的建造物(↓)が多い。最近はこれらの衰退に伴いリニューアルし文化都市として脚光を浴びているそうだ。
 今日は、YHAは満員のため市街地にあるバックパッカーズに移動する。この宿泊施設もYHAと同じレベルだが、YHAは男女別室だがここは同室で比較的若い世代に人気がある。 夜になってベット数が10台の部屋に台湾の女学生2名が加わり、深夜に1名女性が泊った。
                 

 7月5日(ニューカッスルからヒュースロー空港―韓国・インチョン空港経由成田空港) 
 タイム:BP発(6:30)- ニューカッスル ・バス停(6:40-7:20)-ロンドン(14:50-15:30)ヒュースロー空港(16:20-21:50)

 往路に高速バスが大幅に遅れて往生したので、今回も距離は長いし「遅れて飛行に乗れなかったらヤバイ!」と懸念していたら、2時間ほど走って渋滞になる「前日にロンドン付近まで行くべきだったか・・」と後悔していたら20分ほどで事故現場を抜けて通常に戻り一安心。長距離なのでスピードをアップして定刻にロンドンに到着。
 テロ騒ぎで空港内は自動銃を携帯した軍人がアチコチで警戒中、飛行機はスケジーユル通り発着しているのでなんとか帰国出来そうだ。


 7月6日  (韓国・インチョン空港〜成田空港)
 タイム:韓国・インチョン空港(16:20-18:40)成田空港(20:55-21:34)-岩槻駅(00:05)

 韓国発の座席は、20番の座席で「若い番号だ、何処だろう?」と思った探すと「お客様お二階へ」と乗務員が案内してくれた先はファースト・クラスだ。英国でチェックイン時なにも云わずに渡してくれたので「まさか」と疑ったが、考えて見たら受け付け時に「通路側」を希望したが満席で更に探していたので、ファースト・クラスを用意してくれたようだ。
 早く並んで優待窓口(モーニング・カム保持者)の最初に受付けたのでラッキーだったのだろう。それにしても、エコノミーの座席とは雲泥の差に驚く。幸運が旅の終りに訪れると「終り良ければ全て良し」で疲れも吹っ飛ぶ。
 成田空港でも荷物も直ぐ出て来て予定よりひとつ早い特急電車に乗ることが出来た。

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    あとがき
 1)今回も「冒険」としたからには「何かにチャレンジしよう」と思った。その対象が“面白そう”であれば充分で、具体的には“長距離トレイルの完歩”だが達成出来て良かった。
 今回のようなトレイルの達成には、自分の体調も重要な要素だが、それ以上にトレイルの状況や気象条件が大きく作用する。だから完歩出来たのも「幸運」に過ぎない。

 2)ともすると「面白いこと」よりも「楽しいこと」を優先させがちだが、テント泊では「楽しさ」を求めるのはムリで不自由、不便だが「面白さ」を基準にすれば尽きることはない。そう云えば、山登りを始めたキッカケが「何か面白いことがないか?」と云う動機だった。山登りと形式は変わっても「冒険や面白さ」を求める気持ちは同じようだ。

 3)やはり、23日間の旅は長かった。総日数よりもトレイルで行動していた日数の多さが疲労の要因。従って1週間ほどで一度下山して充分休養をして再入山すれば違った状態になるかも知れない。今後のテーマにして模索したい。

 4)今後も、パック旅行では味わえない「自前の味」を満喫すべく、ソロによる不利な条件も受入れよう。そして、失敗を次回の教訓として蓄えて加齢に伴うマイナス要因を補えれば老いるのも受入られよう。

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   リスト類
  食 料 品 
1)洗 米
2)ラーメン  
3)柿のたね 
4)α 米
5)カリントウ
6)イリコ
7)卵スープ
8)切コンブ
9) クッキー 

1.6 Kg
5袋
1袋
2袋
1袋
1袋
4ケ
50g
1袋

10)塩
11)フリカケ 
12)味噌   
13)氷 砂糖
14)醤 油  
15)コブ茶
16)塩・七味
17)氷 砂糖 


適量
1袋

8回分
1袋
80 CC
適量
適量
1袋


入山前の食料品・2日分五目飯(2袋)、餅(4ケ)、ラーメン(2ケ)、ビスケット類(3袋)、
割センベイ(1袋)

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  装備リスト
1 テント、ポール 
2 シュラーフ (新)
3 マットレス(薄) 
4 雨具カツパ  
5 バーナ本体 (新品)
6 ナベ      
7 靴下(厚手)  
8 スプーン    
9 薬品(下痢、頭痛)
10ライト     
11腕 カバー  
12果物ナイフ 
13下着    1
14ナイロンひも  
15爪 切 バンドエイト
16ひげ剃り(小)  
17マッチ
18 網 袋 (小)
19 蚊/虫よけ  
20 チリ紙      
21 安全ピン  
22 洗面具(ハブラシ)
23 鍵    
24 地図  
1式














1








25 腕時計   
26 デジカメ
27 バンダナ  
28 帽子   
29 長シャツとタンパン
30 眼薬
31 箸 (プラ)
32 水筒   
33 サングラス
34 タオル   
35 辞 典
36 クリーム 
38 櫛      
39 サブ・バック
40 サンダル 
41 ペン・手帳 
42 現金・パスポート
43 搭乗交換シート
44 YHA予約シート
45 磁石                

(現地購入)
 ガ ス(230g)






















   会  計
 
 1) 宿泊費(YHA):6/14 (£25),6/22 (£15), 6/24 (£10),6/25(£15),6/26(£14), 6/27(£14),
       6/28(£15),6/30 (£13), 7/2(£12.5),7/3 (£19), 7/4 (£15)= £167.5

      キャンプ代6/15・16・18・20・21 (£4.5X5=£22.5)
           計=£190

 2) 航空券:\82,000-円

 3) バス他交通費:
      ヒュスロー空港〜ロンドン YH迄地下鉄 (£6)
      ロンドンYH〜ビクトリア駅迄地下鉄 (£4) ・・・3駅だから高い!
      ビクトリア駅〜シェフイルド迄バス&電車 (£22.5)
      カークヨソムからニューカッスル迄バス (£8.3)
      ニューカッスル〜ヒュスロー空港迄バス (£31シニヤ割引)
         計=£71.8
      岩槻・成田往復(3,140-円)

 4) 食料費: 国内購入分(\3,300-円)
       現地購入分(£53.5)
       現地酒類 (£16.0)
       現地食事代(£13.0)

 5) 装備費: 
       現地購入分(£17.3)ガス、靴下、 クリーム、虫よけ
       地図等(\6,280-円)

 6) その他: 保険 (\1,220円)、
      成田利用税(\2,040円)
      電話代&E-メール(\1,550-円)
      UK入国税等(\13,430-円)
      燃料チャージ&航空保険(\23,280-円)
          計=41.520-円

    
 合計支払金額 =\227,350円
             (日本円=\136,240円)
             (UK£=£361.6x252=\91,110円)

*別途:土産品、靴、雨ズボン、タクシー代

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