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         <シニアのロング・ウオーキング>
             会津三十三観音 巡拝
        

・・・1番・大木観音から33番・御池観音・・・

               期   間:平成2年11月2日~7日 (6日間)
               
              参加人員:単独             記:飯星宏徳

                  
                           会津若松・東方の山
 

1 はじめに 
 
 ほとんど知られていない会津三十三観音は、その名の通り会津盆地に点在している。会津と云えば、戊辰戦争の白虎隊や娘子軍の勇戦で名高い。
 資料によれば、当観音巡礼の創設は主に女性たちが農閑期に白装束で巡拝して、他の地域と交流の一環とされていた由。また、遠く四国や西国巡礼の代行として設置されたそうだ。

 ともあれ、11月のロングウオークは初めての試みで不安もあるが、会津の風土に育まれた静かな霊地を期待しよう。また、コースを出来るだけ短時間に巡拝したい。
 
そのために、順打ちに拘らず宿泊地を考慮してランダムに参拝する。初日を有効に活動するには、これまで通り夜行バス便を利用し、早朝に現地着としたいが会津若松行きは運休のため郡山経由になった。
 野営者向け歩き遍路の参考用としてタイム及び設営地の記録を作成した


 2 トピック&スケッチ  

第1日目  11月2日(天気 晴):15番・高瀬観音から20番・御山観音 
                     実歩行:5時間・距離18km
 初日は、荷物を会津若松駅にデポして空身で周辺の観音を巡拝した。まず、駅西側の17番16番15番19番の順。西若松駅から電車で会津若松駅まで戻り、駅東側の18番を往復。再び電車で南若松駅まで行き東側の20番を往復した。設営予定の南若松駅内は宿泊禁止のため1km西方の阿賀川の本郷大橋に野営した。


 地球温暖化や新型コロナ騒動、大地震等不安は尽きない。少しでもストレスを和らげようと、久し振りに旅に出る。


   天災に 備えよ常に
   覚悟して
    とは云え夜の テントは寒い







第2日目  11月3日(天気 晴後曇):21番・左下り観音から27番・大岩観音
                        実歩行:10時間・距離26km
 今日は盆地南部の観音を巡拝した。 参拝順は23番22番21番24番25番26番。そして、最南端の27番は途中で時間切れとなり引き返した。以前は、入山口の冑集落までバス便を利用できたが現在は廃止。そのため予定外の歩行を強いられた。夜半から雨天の予報で山腹での野営地を撤収して会津高田駅に避難した。
 
 急な山路を進むと、突然21番観音霊場が現れる。印象深い札所にしばし見惚れる。。


    崖壁の 舞台造りに
     菩薩舞う
      そんな予感に 立ち去り難し






第3日目  (天気 曇時々雨):28番・高田観音から11番・束原観音 
                   実歩行:時間7時10分・距離24km
 今日は、盆地西部の宮川沿いの観音を巡拝した。参拝順は28番~31番と12番~11番。今夜も降雨の予報でこの先の野営地不明。最寄りの町・会津坂下駅へ行ったがホテルがなくバスで会津若松駅へ移動して駅前のビジネスホテルに投宿した。明日は始発バスで10番からスタートする。 
 
 会津盆地は水田地帯が広がる。豊富な水と地形は豊かな風土を育む。昭和の面影をそこかしこに残す。


   なつかしい 匂いたどれば 
    もみガラの
     くすぶり燃えて わずかな煙 






第4日目  11月5日(天気 曇時々雨):10番・勝常観音から9番・遠田観音 
                         実歩行:3時間・距離10km
 スケジュールに余裕が出来たので、今日は半日行動にした。10番と9番を参拝後に会津塩川駅で荷物を降ろし町内を散策。構内の適地に野営した。

 会津盆地の周辺を取り囲むように霊場は配置されている。集落だけでなく民家から離れた山奥にも観音堂は静寂に包まれている。


   初めての 会津観音
    ノンビリと 
     時を忘れて 東へ西へ 



第5日目  11月6日(天気 曇):8番・竹屋観音から3番・綾金観音 
                     実歩行:8時間10分・距離25km
 JR磐越西線の塩川駅から喜多方駅までの東面に位置する8番7番6番を逆打ちして5番へ向かう。しかし、予定していた熱塩温泉までのバス便が廃止で時間切れ。途中から喜多方駅に引き返して駅に近い4番3番を参拝。テント適地がなく今夜は駅前のビジネスホテル泊にした。

 11月のロングウオークは初めての体験。夜明けが遅く日暮れも早い。で、行動パターンも現状に合わせて変更しよう。 


    このたびも 我がまま気まま
     ひとり旅
      朝焼けこやけ 今夜は雨か





7日目  11月7日(天気 曇):1番・大木観音から33番・御池観音・会津若松駅経由帰宅 
                    実歩行:6時間40分・距離21km
 最終日は会津坂下駅まで南下して2番1番32番33番31の順に巡拝。会津坂下から会津バスで会津若松駅へ戻り、電車で春日部経由にて帰宅した。

 今日は会津盆地の中央部を行く。屋敷林が点在する田園風景は雪国の厳しさを感じる。 


   道問えば 枯野の先を 
     指でさし 
       会津なまりの 翁ほほえむ 






 3 あとがき(所感
 
1)初めての会津観音巡りだったが、予想通り、どの観音堂も歴史を滲ませて静寂な雰囲気に包まれていた。ほとんどが無人堂で納経は付近の民家で受け付けおり予約が必要な所もあるらしい。いずれにしても、参拝者は少なく歩き遍路は皆無とのこと。機会があれば、コースを検討して今回途中で引き返した27番と5番を含めて再訪したい。

2)盆地内のアクセスは、JR磐越西線と只見鉄道そして会津鉄道と便数は少ないが利用可。また、本数は朝夕が主流だが会津バスが運行している。更に、平地が多いので自転車(レンタル有)の利用も可能だ。特に5番・熱塩温泉へは自転車専用道路があり検討したい。また、荷物の軽減化としてテント泊をホテル泊に進化?して「歩行寿命をのばす」手段にしたい。

3)今回で関東地域の100観音巡拝(秩父観音・武蔵野観音・会津観音)が可能になった。それぞれに特徴があるので、先人の想いに浸りながら再訪出来れば幸いだ。

4)その実現を目指して日々の運動やバランス保持、更にメンタル面での自己効用力、自己肯定力を育てたい。

5)新型コロナ騒動で夏シーズンの活動が自粛になり、11月に半年遅れの巡拝となった。天気予報を確認して実施日を設定したが、結果的には曇天が寒雨に変わり厳しい歩行を強いられた。やはり従来からテント泊は3月下旬から10月中旬までの期間で「後は冬眠」のルールは正解だった。

6)巡拝コース案内はマイカー用に幹線道路からの入口に案内表示あり。しかし、集落内の路地は不明瞭でウロウロした。
        
               根岸駅付近の田園風景



 4  略  図 
      

   News        タイム及び設営地