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  <北海道自然歩道・縄文文化の道> C2
・・渡島半島・函館市周辺・・
期 間:令和元年8月21日から8月27日(7日間)

 
汐首岬から軽海峡をはさみ下北半島を望む



 1 はじめに 
 北海道は、国土の1/5の面積で人口密度が全国平均の1/4らしい。それだけ自然が残され独自の景観を味わえる。現地を歩いても国道以外の道は集落付近しかなく、耕作地を除くと原野が広がっている。
 そんな北海道の南端・渡島半島(亀田半島)は、表日本型の気候を示し、寒さの厳しい北海道のなかでも、比較的温暖で本州に近いため初夏には梅雨もあるとの由。
 その中心的な南茅部地域は縄文遺跡の宝庫と云われており、青森の三内丸山遺跡に匹敵するもので、多くの出土品が発掘され、なかでも「中空土偶」は国宝となっているそうだ。

 今回のコースは、長距離自然歩道・C2「縄文の道」で起点は駒ケ岳の北山麓・佐原町から海岸沿いの国道278号線を南下して恵山に至る。ここから、函館市内へ津軽海峡を眺めながら西進して全長約130kmをトレースする。
 歩行時のタイムやポイント等、テント利用者の参考用として「テント泊の資料編」を作成。


 2 トピック&スケッチ

 概略総距離=134Km(実績値) 総行動時間=36時間50分(実績値・休憩時間を除く
   20日:上野駅前から夜行バスで青森港、フェリーで函館港へ。 

第1日目 8月21日(天気 曇後雨):函館港フェリーから掛澗駅 
                      距離:2km。行動時間:40分
 函館港フェリーターミナルから最寄の駅・五稜郭駅まで徒歩40分。駅からJR函館本線で森駅下車。雨になったので徒歩を中止して電車で掛澗駅まで移動して構内に設営した。

 ノンビリ・シニアの旅には「早く!」は似合わない。加えて料金は1/3だから多小窮屈でもバス便で我慢しょう。


  飛行機や新幹線に
   背を向けて
    バスとフェリーで 北の大地へ




第2日目 8月22日(天気 大雨):掛澗駅から鹿部役場 
                     距離:25km。行動時間:7時間 
 海岸沿いの国道278号線を南下して佐原駅、沼尻駅を過ぎ鹿部ゴルフ場からJR線と別れる。折戸川を渡ると鹿部町に入り鹿部町役場到着。2km先の設営予定地・しかべ道の駅へ行くが適地がない。道の駅の温泉に入り、引き返して役場前のバス待合所に設営した。

 霧で覆われた大海原の彼方から、まるで生き物のように大波が打ち寄せてくる。大古のヒトもこの景色に怯えていたのだろうか。


  繰り返し また繰り返す
   荒波の
    久遠のしらべ 縄文の道




第3日目 8月23日(天気 雨後曇):鹿部町役場から大船河川公園 
                  距離:19km。行動時間:5時間20分
 昨日と同様に国道を南下して大船遺跡に立ち寄る。更に南下して河川公園キャンプ場に設営。隣接した温泉に入り疲れを癒した。

 紀元前1万3千年ごろから約9千年縄文時代は続いたらしい。青森県の三内丸山遺跡に匹敵する大規模な集落があった由。


  マンモスの 足跡追いて
   幾千里 
    この地に眠る 縄文遺跡



第4日目 8月24日(天気 曇後晴):大船河川公園から椴法花支所
                      距離:26km。行動時間:7時間
 早朝で閉館中の縄文文化交流センターを過ぎて川汲、八木、本直の各集落を通り恵山を目指す。銚子トンネルの先の椴法華(とどほっけ)支所のバス停待合所に設営した。
 
 亀田半島の海岸沿いの国道278号線は恵山街道と呼ばれている。昔から自然と共生した人々の営みを感じる。


   蝦夷の地の 遺跡に立ちて
    見渡せば
     何故か懐かし 初めてなのに 






第5日目 8月25日(天気 晴):椴法花支所から恵山海浜公園 
                    距離:17km。行動時間:4時間30分
 椴法花支所で国道278号線から県道231号線に入り5km先の恵山岬へ向かう。岬灯台から先へは県道がないので、国道278号線まで引き返し、恵山の北山麓を経て恵山海浜公園キャンプ場に設営。
 
 
山の幸、海の幸に恵まれ、またこの地方は北海道としては気候も比較的温暖らしい。が、8年前の東日本大地震の影響か不漁が続いているとのこと。そのせいか、集落に空き家が目立つ。


  半島の 入江入江に
   漁村あり 
     豊かな海の 幸を分け合う



第6日目 8月26日(天気 晴):恵山海浜公園から子安町・子安八幡宮 
                 距離:23km。行動時間:6時間20分
 国道278号線を津軽海峡沿いに西方に進む。本州最短地点の汐首岬を経って子安八幡宮前のバス停待合所に設営。
 
 簡易テントは風雨に弱いので屋外は出来れば避けたい。そんな時、バス待合所に格好のスペースに出会えれば、この夜は天国となる。


  この度の 旅のレシピに 
   舌づつみ 
    屋根カベ付きの テント適地



第7日目 8月27日(天気 晴):子安町・子安八幡宮から函館港フェリー経由帰宅 
                 距離:22km。行動時間:6時間
 函館市街地に近ずくと民家と商店が続く。函館空港の脇から北上してトラピスチヌ修道院を見学。再び国道278号線に戻り、湯の川温泉から路線バスで五稜郭駅に移動。駅から函館フェリーターミナルへ往路と同じく青森フエリーターミナルから夜行バスで上野駅前に到着。

 文字をもたない時代では、お互いのコミニケーションは態度と言葉しかない。それで数千年も生活が営まれていた人間の知恵に驚く。


  縄文の ことば遺跡か
  「なとわ」とは 
   土地の言葉で あなたと私




            
                       
 駒ケ岳遠望

 3 あとがき(所感)


1)日程の前半は、天候が悪く強風雨に煽られ難儀した。が、後半は天候が回復して、ひなびた風情の漁村と自然美あふれる津軽海峡を眺めながらウオーキングを満喫した。
2)コースのテーマ<縄文文化の道>通り、大船遺跡を中心とした南茅部地域に縄文文化が約9千年も連綿として続いた由。多くの遺構と出土から自然環境に恵まれ豊富な海と山の幸が縄文文化を発展させた要因だろう。
3)その偉大な歴史も、地元の話では8年前の東日本災害以降は不漁続きとか。地球温暖化が叫ばれて久しいが、ヒトは縄文時代よりも進化したのか疑問に思えた。

4)最近のロング・ウオークの指標として、歩行時間6時間/日を目安にしてきたが、今回は予定通りの行動が出来た。現状はこのペースが身の丈のようだ。
5)地元では、自然歩道の認知度は低くて道標等はない。バイクやキャンピングカーのツーリング者には、時々出会うが歩行者は皆無(宿泊施設や公共交通機関も少ない)。従って食料品の調達チャンスも制限される。
6)野営地は、鉄道路線沿いでは無人駅の利用が可能(水なし)。それ以外では、キャンプ場やバス待合所で可能(道路脇や無人空地はクマ等の被害恐れ)。

7)食料について 
・夕食は米炊飯3回、カップ飯3回。
・コンビニでカット野菜、牛乳購入。
・朝食はコンロ使用せずパン類の軽食。
8)装備について・ガス消費量:80cc/6日(夕食のみ使用)。
・携帯電話:6日目に充電した。


   
   

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