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<首都圏自然歩道・高尾山から白河の関へ>
 東京・埼玉 編 ・・・高尾山から群馬・鬼石町
期 間:平成17年5月3日から5月8日
    
  1 はじめに
 今回からの首都圏・自然歩道トレースに、二つ目的を設定する。先ず、現在継続している長距離自然歩道・鹿児島佐田岬から青森竜飛岬までのトレースで東海ブロックと東北ブロックを首都圏自然歩道でつなぐこと。即ち、東海の終点・高尾山から東北の起点・白河まで東京・埼玉・群馬そして栃木と各県のトレイルを歩く。
 次にバックパッキングのためのトレーニングをしたい。この区間はハイキングコースを主に設定された登山道(未舗装道)が主流で、他の地区に比べて登降差も大きいので、その効果が期待出来る。
 今回のコース・東京と埼玉県下は、自宅からアプローチも短く馴染みのある地域だから「気楽に歩ける」と思ってスケジュールを決めたが、1日平均1000mの登降差、それも600m以下の繰り返しだから、予想以上に厳しい登行が強いられるようだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 
 
2 行動の記録  
     
総距離125Km―総行動43時間40分(実績値)
 第1日目 5月3日(天気 快晴):高尾登山口駅から上川乗集落
         (距離23Km・登行+1、280m)行動8時間
 早朝に自宅を出たので7時半発の高尾・清滝ケーブルに乗れた。5月連休で大勢のハイカーに混じって高尾山・小仏城山へ向かう。このモデルコース名は「鳥のみち」と呼ばれ景信山、堂所山、陣場山の各山頂を経て和田峠で下山となっている。和田峠で設営する予定だったが、まだ早いので先へ進む。
 次のモデルコース「富士見のみち」は醍醐峠、生藤山、熊倉山そして浅間峠で尾根筋に別れを告げて南秋川渓谷の上川乗集落へ下る。高尾山からずっと尾根歩きで水場が無く途中で設営出来ず、初日から長時間の行動で両足首の関節が痛む。テント地脇の沢に入り、痛む足首をアイシングした。
 タイム:JR大宮駅(6:16)- 高尾登山口駅(7:20-40)-山頂駅(8:00-15)-高尾山(8:50)-小仏城山(9:50)-景信山(10:35)-陣場山(12:15)-和田峠(12:45)-熊倉山(15:10)-浅間峠(15:30)-上川乗集落(16:15)テント設営。


 第2日目 5月4日(天気 快晴):上川乗集落から養沢鍾乳洞
     (距離24Km・登行+1、500m)行動8時間40分
 昨日の疲れが癒せず足首や肩が痛む「やはり初日は半日行動にすべきだ」と反省するが後のまつり。上川乗集落から浅間嶺まで650mの登行に一汗かく。浅間嶺から緩い尾根伝えに時坂峠に出て舗装道をしばらく歩いて北秋川橋に着く。橋を渡り千足集落まで県道を北上する。
 岩登りトレーニングでつづら岩へ通った頃を想い出しながらつづら岩への急登を今日2度目の650m登行に喘ぐ。トレイルは富士見台から下降して大岳沢に入り養沢(大岳口)バス停に出る。そこから御岳沢の上流へ進み、上養沢を通り日ノ出山へ登りになる。途中テント地を捜して進むが適地がなく、養沢鍾乳洞直下の沢沿いにやっと場所を確保。
 昨日に続いて今日も予定以上に行動した。途中で設営したいが、トレイルは尾根伝いで水の確保出来ないのと、谷間の人家付近は私有地で設営場所が見つけ難い。
 タイム:テント発(4:50)-浅間嶺(6:20-30)-時坂峠(7:30)-本宿(8:10)-千足(8:30)-つづら岩(10:20-30)-大岳口バス停(13:00)- 養沢鍾乳洞(13:30)テント設営。


 第3日目 5月5日(天気 晴):養沢鍾乳洞から黒山1km先・尾根
        (距離16Km・登行+1、100m)行動7時間30分
 今日のモデルコース「杉の木陰のみち」と「山草のみち」は、御岳山への登行と御岳駅から高水三山の惣岳山、岩茸石山へ2度の登りになる。その間に幾つも小ピークがあり階段状の急斜面にウンザリする。
 幸いなことに樹林帯が多く直射日光を受けないので助かる。御岳山からの下山はケーブルカーを利用し、山麓駅からは連絡バスで御岳駅まで行くことが出来た。
 今夜のテント地も尾根上になるので、惣岳山手前の湧き水場で2L炊事用の水を補給する。「これで設営地が自由になる」と安心して周囲を眺める余裕が出来た。小鳥の声や新緑に映えるツツジの花が疲れを癒してくれる。適当な時間が過ぎたので黒山の先の平地に荷を下した。明日から埼玉県に入るので、日帰り6コースを3日で歩いたことになる。
 タイム:テント発(5:00)-御岳山(6:40)-ケーブル山頂駅(7:00-30)-ケーブル山麓駅(7:38-40)-JR御岳駅(7:50)-惣岳山(9:35)-岩茸石山(10:20)-黒山(12:15)先1km(12:30)テント設営。


 第4日目 5月6日(天気 曇後雨):黒山1km先・尾根から正丸峠
       (距離21Km・登行+600m)行動6時間20分
 天気予報では午後から雨らしいから「軒下に設営しよう」とパンフレット<ふれいあいの道>に表示された休憩所を目安に進む。ゴンジリ峠から白谷沢コースを下り有間ダムに出るが、この間は注記にあるように、深い渓谷に数ヶ所の渡渉があり増水の時は通れない。
 ダムからはモデルコース<奥武蔵の古刹を訪ねるみち>と<伊豆岳を越えるみち>の尾根道になっているが、雨の心配もあるので尾根裾の県道53号線を北上して正丸峠へ向かう。
 正丸峠の展望台に立派な休憩所(吾妻屋)があり軒下にテントを張る。水は途中の秩父方面分岐点の沢で補給した。尾根上には数ケ所の休憩所はあるが、近くに水場ないのが難点(日帰りの場合は必要ないが野営には必須)。
 タイム:テント発(4:40)-有間ダム(6:20)-森河原(7:45)-名郷(8:45)-正丸峠(11:00)テント設営。


 第5日目 5月7日(天気 雨後曇り):正丸峠から粥新田峠
         (距離16Km・登行+650m)行動6時間30分
 小雨の中、雨具を装着して出発する。予報通り2時間ほど歩いて雨は止むと新緑が一段と爽やかになる。今日は大きな登りのない潅木帯を大野峠、白石峠、定峰峠と舗装道を進む。今夜も軒下にテントを張りたいので定峰茶屋で水を2L確保して設営に備える。大霧山・山頂は展望が良く反対から登ってきたハイカーさん達は大声をあげていた。大霧山を下って粥新田峠の休憩所にテントを張る。予定より1日早く歩いているので明日には下山出来そうだが、登行が多かったせいか日数の割には疲労感が残る。
 タイム:テント発(5:10)-旧正丸峠(6:40)-刈場峠(7:30)-大野峠(8:10)-白石峠(9:00)-旧定峰峠(10:25)-大霧山(11:10)-粥新田峠(11:40)テント設営。


第6日目5月8日(天気 曇り):粥新田峠から鬼石町・本庄駅経由岩槻駅
       (距離24Km・登行+300m)行動6時間40分
 計画ではモデルコース<花の美の山公園を訪ねるみち>を経て秩父線・親鼻駅へ進むつもりだったが、300mの登行が嫌になって東面の三沢川沿いの県道コースを選んだ。
 親鼻駅から西方へ宝登山を経て更に西へ破風山、城峰山と続くモデルコースは省略して根古屋集落から県道83号線を北上して群馬県の鬼石町で出た。
 鬼石町で1時間弱バス待ちをしてJR本庄駅経由で帰宅した。
 タイム:テント発(4:30)-広町(5:40)-親鼻駅(7:40-50)-根古屋バス停(8:35)-金沢小学校(9:20)-鬼石町・郵便局前バス停(11:10-56)-JR本庄駅から大宮経由・岩槻駅
(13:30) 

 3 あとがき(教訓と所感)
 1)今回の2つの目的は達成出来たと思う。特に急登にはシゴカレたのでの良い訓練になった。それにしても初日から長時間行動したことは反省したい。特に長期間の入山では、体を慣らしペースを掴むことが肝要だ。直接の原因は、設営地の条件になる水の確保で「重くなるから・・」と軽視して気が付いたら先へ進むしかない状況に陥る。
 2)さすがは<首都圏・・>と名前通り立派なコース整備に感心した。それだけ利用者が多いのだろう。地図がなくても道を間違う心配もないコースで子供や初心者に人気なのも頷けた。
 3)日帰りの奥多摩、奥武蔵は気楽な山域と云えるが、2日分を1日でトレースすると厳しいコースになる。又、北アや南アルプスの標高差1000mを一気に登降するより今回の様に同じ標高差でも小さな峰の繰り返しが(ランニング練習のインターバルトレーニングに似て)疲労度が高いようだ。山の地形的にも後者の方が急登降(階段状)が厳しような気がする。
 4)今回は、後半の急登りで息が上がることが多かった。10日前にウルトラマラソンを走ったので、その疲れが完全に抜けていないのかも知れない。いずれにしても体脂肪をエネルギー源として消費する為には有酸素運動ペース(AT・無酸素的作業閾値以下の負荷)で行動したい。その目安の歩数は、階段登りで通常90ピッチ/分程度だが後半は80ピッチ/分まで落ちた。火種としての炭水化物の供給が不足気味かも知れないので、行動食を増やすか入山前にカーボローデングを採用するか今後の課題としたい。
 4)「入出力熱量のチェック」ついては以下の通り。結論から云えばカロリー不足による体脂肪の減少量は1、050g(9、400Kcal)程度だった。
 これまでの自然歩道歩きよりも登行量が大きかったのでカロリー不足量も多い。従って登行量が大きい場合は入山期間も1週間程度にして故障防止に努めたい。
  1:消費熱量(E:Kcal)
 E=E1+E2+E3=24、650Kcal(4、100Kcal/日)
 E1= 5、360Kcal・・総基礎代謝熱量(3日から8日)
 E2=11、820Kcal・・総行動時・急登行の熱量(21時間40分)
 E3= 7、470Kcal・・総行動時・急登行以外の熱量(22時間)
     条件:エネルギー代謝率(5&8)、性年齢補正係数(0.0162)、体重(56kg)、
                 平均荷物重量(14kg)
  2:摂取熱量(Q:Kcal)
 Q=Q1+Q2=15、300Kcal(2、550Kcal/日)
  Q1=14、620Kcal・・・持参食料分熱量  96%
  Q2=   680Kcal・・・現地購入分熱量   4%
  3:消耗体脂肪量(W:g)
   W=(E―Q)/9=1、040g  (体脂肪の燃焼カロリー=9kack/g)

 5)食料・装備について(入山時ザック重量=15kg)
1:主食は、毎日夕食時200g洗米を炊き1/3は翌朝用に残した。
2:副食はミソ汁とフリカケ。
3:昼食(テント設営後)はラーメン1ケ。
4:行動食は2〜3時間毎に炭水化物(ビスケット、センベイ、柿の種等)、ピーナツ、ソーゼイジ、レーズン、炒り大豆。
5:炊事用ガス:1日3回の燃焼時間:平均50分(米+ラーメン+ミソ汁)
総燃焼時間=約250分/ガス量100g(5日間)
満タンガス量は230gだから約12日間使用可。
6:食料品店がなく現地調達予定のウドンを入手出来なかった。


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