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テント担いで四国遍路・2巡目 (高知・愛媛編)

期 間:平成19年8月29日から9月13日 


内子町・田渡の薬師堂

 
 §1 行動の記録 ー前頁から続くー

 第10日目 9月9日(天気 曇後晴):天満宮鳥居から大洲市亀山公園
                   (距離31Km)行動8時間40分。 
 天気は下り坂で、猛暑も一段落したようだ。今頃から入山すると良い季節だが反面、雨の心配があるので、丁度良い季節など無いのかも知れない。
 食料が減り荷物が軽くなったので、長距離歩いても疲労感は少ない「そろそろ泊まる所を・・」と探して進むと、大洲市の入り口で手頃な公園と日帰り温泉があり「最適地」とザックを下ろした。
 日曜日で風呂は混雑していたが、空調の効いた休憩室でゆっくりと骨休めが出来た。



 第11日目 9月10日(天気 雨後晴):亀山公園から曽我五郎神社参道
                  (距離24Km)行動6時間20分。 
 雨音で目覚め、今回始めて雨具を装着して出発。幸い雨は1時間程でやみ、雨具から開放。
高知県下では既に刈り入れは終わっていたがこの地方は今が刈り入れの最盛期あちこちでコンバインの姿があった。農道で休んでいるオヤジさんに「今年の出来は?」と聞いたら「平年並みだネ」とのご機嫌な笑顔が返って来た。
 次の44番寺までは全コースで二番目に長い区間だから今日は終日遍路道(→)を辿る。途中公道に出るが車は殆んど通らない静かな旅が出来た。



 第12日目 9月11日(天気 晴):曽我五郎神社参道から久万町
                  (距離25Km)行動7時間40分。 
 いつの間にか秋空が広がって「猛暑も終り秋到来」を感じる。日陰では心地よい風に思わず立ち止まりたくなる。
内子町の三嶋神社を通っていたら「お遍路サーン」と若い声がしたので振り返ると若奥さんが「家で取れたので・・良かったらドーゾ・・」と熱々のモロコシ(→)を持って来てくれた。朝食中に遍路姿が見えたようで姑が指示したのだろう。ありがたくいただき「冷めないうちに」と歩きながら食べた。
 44番の寺も他と同様バス便の遍路者で大賑わい。大型バスが数台駐車場で待機していて四国遍路の観光企画は大盛況のよう。夏場でこんなに混んでいるのだから春秋のベストシーズンではすごいだろう。歩き遍路者も先日休憩所のメモをみたら毎日10名程度はいるようだ。お陰で遍路の認知度が高まり設営が容易になり大助かり。



 第13日目 9月12日(天気 晴):久万町から松山市運動公園
                   (距離28Km)行動9時間30分。 
 前回と同様に45番寺へは空身で往復するが遍路道よりも短距離で登降が少ないバス道を進む。復路は午前中一便だけのバスに10分待って便乗した。その分予定より先に進んで野営出来た。



 第14日目 9月13日(天気 快晴):松山市運動公園から土佐和気駅・・松山駅経由帰宅
                  (距離24Km)行動7時間10分。 
  2週間の遍路旅も今日で終了。前半は炎天下と熱帯夜で苦しんだが、過ぎてしまえば「良く耐えたものだ」と無事に終わって、軽くなったザックに元気をもらう。 
 道後温泉に近いので湯治客の姿も見える51番寺・石手寺で一休み。「仁王門(←)は国宝級、三重塔は重要文化財で鎌倉末期のもの」とガイドさんの張りのある声に聴き惚れる。
 次回のことを考えて得意の空身アタックで三津浜駅にザックをデポして、2寺先の53番寺まで進んだ。ザックを回収後松山駅へ出た。

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  §2 あとがき(教訓と所感) 
◇ 今年は特別に暑かったとは云え、真夏の平地でのテント泊は再考したい。これまで夏は標高がある山岳帯で熱帯夜の経験はなかった。寒さで眠れないことはあっても暑さでの睡眠不足は初めてだった。

◇ 6年前との体力の低下を気にしていたが、体力の低下は歩き方(有酸素行動で鼻呼吸の範囲)でカバー出来た。むしろ記憶力の低下が顕著だったのに驚いた。具体的には、忘れ物(道中でスプーン、終了後にタオルとストック)やザック内の管理不充分、地名やタイム忘れ等。行動に大きな支障を来たすものはなかったが、海外でのパスポートや現金、地図等の重要品を忘れては大事になる。その前兆と思えば早急に対応策を考えねばなるまい。事故防止が不充分な時は実行を控えるべきだろう。

◇ その対策として、1)必要最小限の装備を持参、2)パッキングの定位置化、3)メモを億劫がらない、4)記憶力の訓練、5)先輩諸氏から習得。いずれにしても記憶力低下は自然の掟だから出来るだけ緩やかでありたいものだ。

◇ 上記の傾向から今迄通りの行動ではムリがある。今後は新たな方法として、徒歩を主体とした旅にスケッチなど「手」による表現を試みたい。上手になるに越したことはないが、下手でも言葉以上に「その時の気持ちが表現」出来れば面白さを伝えられ、自分自身も豊かになるように思える。
       

◇ 各寺内での賑やかさには違和感を覚えた。それは余りにもケバケバしく宗教本来の静けさや質素から離れているからかも知れない。そうした意味で本堂よりも古い仁王門に着くと安堵感を覚えた。

◇ 今回も数回の「接待」を受けた。品物よりも「それに託されて心ずくし」に元気をもらう。託した人々のこころが解かり、早朝歩きながら、静まった民家に「良い一日を・・」と拝む気持ちになった。

◇ 設営後、水道で充分に汗落としを実施。行動服と靴下も出来る限り洗濯(天気が良いので2時間程で乾燥した)。従って水を使える場所が設営条件。

◇ 帰宅時の体重減は1kgであった。体脂肪換算で約9000Kcal消費したことになる。食料の取得熱量で不足した分を体脂肪で補ったとして、発汗に係わる消費熱量が不明のため熱量収支は把握出来なかった。

◇ 食料について
・ 主食:前半は洗米にフリカケと味噌汁
後半はα米に乾燥玉子スープ
     昼食はテントサイトでラーメン
・ 行動食:ソフトクッキー(東ハト)
    ビスケット、食パン+マヨネーズ
    カリントウ、オニギリ、
暑いので塩分補給(塩飴等)
後半分は現地購入(行動食、納豆、豆腐、食パン、オニギリ、牛乳、ジャコウドン(→))。

◇ 装備について
・帰宅時の総装備重量=9kg(略予定通り)
・シュラーフ不用。
・ガス使用量 200g(13日間使用)
・普通の中敷+厚手の中敷(踵部分のみ)
   舗装道用に効果あり
・スケッチ用にハガキ利用
・ 電動ヒゲ剃りの電池単3から単4変更要

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  §3資 料 編 ・・次頁へ・・
    1 ポイントとタイム
    2 費 用
    3 資料・地図類

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