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**** 憧れの北島・トラッピング****
トンガリロ・ノーザン&ワイカレモアナ・トラック



 
1 登山の準備
 1−1 ルートの検討
 
ニュージーランド国内に8つトレイルあるグレート・ウオークの内、北島に2つトレイル。即ち、レイク・ワイカレモアナア・トラックとトンガリロ・ノースザン・サーキットである。両トラック共3泊程度でトレース出来るので余分な装備はアスセスの町・タウポにデポする。
 事前に小屋宿泊の予約を入れたが「現地で当日受付・早い者順」との返事あり。

 
1−2 航空券
 大韓航空のマイレージ(7万マイル)を利用して今回は無料チケットをゲット。
 2ケ月前で予約出来ると思っていたが、希望日は満席で日程を変更した。シーズン中は3ケ月前に予約を入れたい。

 
1−3 食料・装備の準備
・主食は無洗米にカット野菜入りオジヤ。
・ミソ汁の具はワカメ又は切りコンブ。
・朝食はラーメン。α米(五目飯)は前夜加熱して翌朝食べる。
・ワインのお湯割は身体が温まる。
・行動食は現地手配のビスケット及びナッツ類にする。
・天候が良ければ、トラック及びYHAのキャンプサイトにテントを設営する。
・夏用寝袋とインナー寝袋を持参。YHAではシーツ代わりにインナー使用。
・レイク・ワイカレモアナア・トラックの小屋はコンロ持参要。トンガリロ・ノースザン・サーキットの小屋はコンロ利用可。



 
2 登山の記録
 2−1 まえがき
 
トレイルの特徴として、トンガリロ・ノーザン・サーキットは、トンガリロ国立公園内の3つの山、ルアペフ山、ナウルホエ山、そしてトンガリロ山を眺める山岳コースで一部は日帰りコース(トンガリロ・クロッシング)として国内でも最もポピュラーな縦走路。
 一方、レイク・ワイカレモアナア・トラックは同じグレート・ウオークでありながら、アクセスの不便さと樹林帯のトラックで華やかさがなく、訪れるハイカーは極端に少ない。
 いずれもテントサイトはあるが、小屋泊が一般的で定員になり次第締め切る。


 2−2 行動の記録
 ***レイク・ワイカレモアナ・トラック***
 3月2日・雨後晴(オネポト起点からパネキリ小屋)距離9Km/登坂高800m・
          時間3時間

 タイム:ツアイ発(8:00)-オネポト起点(8:10)-パネキリ小屋(12:10)
 昨日、下見をしたトラックの起点・オネポト()で車を降りる。下山時も町まで送ってもらうので、待合せ場所のタクシー・ポイントと時間を確認する。特に場所については地図を広げてダメ押しをした。
 トレイル起点に着くと本降りで、雨具を付けて樹林帯の急坂()をつめる。取り付きは湖面(標高600m)から稜線まで約600mの急登。稜線に出ると湖面からの強風と雨が唸りを上げて吹き上げてくる。追われるように、小さなピークを幾つも登降して最後のピークは梯子を登り、今夜の宿パネキリ小屋に到着(↓)。テラスで靴と雨具を脱いで室内に入る。
 1時間ほどして、昨日ワイロアで会った英国人女性が到着。
 彼女は数日前に、トンガリロをトレースして来たのでトラックの情報を入手。その後2組の夫婦が着いて今夜は6名の同宿となる。
 午後になってガスが消えて、眼下に広がるワイカレモアナ湖(↓)の全容が素晴らしい。
        

 
3月3日・雨(パネキリ小屋〜マラウヌイ・キャンプ場)距離18Km/登坂高200m・
        時間7時間

 タイム:発(6:40)-ワイオパラ小屋(9:50)-コロコロ分岐(10:20)-マラウイテイ・キャンプ場(13:40)
 夜半に星空が眺められたので「明日は晴れ」と期待していたが、小雨がトレイルを覆う草葉を濡らしズボンはグッショリ「その内晴れるだろう」と思っていたが、期待に反して本降りになる。
 稜線から湖への側稜を下り高度を下げると植生は熱帯樹林のシダ・パイン・苔類が繁茂している。途中4パーテイの対向者と挨拶を交わし、小屋を2つ過ぎてテントサイトのマラウヌイ・キャンプ場(→)に到着。
 「屋根が無ければ小屋泊」と思っていたが、キャンプ場の炊事場が使えるのでテント設営。しかし、利用頻度は少ないようで、天水の炊事水は色付で「大丈夫かな?」と不安になる。
 近くに管理スタッフ用の管理棟があったが今夜は不在のようだ。


 
3月4日・雨(マラウヌイ・キャン場〜ワンガヌイ小屋)距離16Km/登坂高250m・
                           時間4時間40分

 タイム:発(6:50)-マラウヌイ小屋(7:15)-タアプアヌイ・キャンプ場(9:50)-ワンガヌイ小屋(11:30)
 感心する程の大雨が昨日から続く。入り江を通ると湖面が雨で水飛沫をあげている。幾つもの岬の根部を高巻きして湖畔に沿って北上する。平坦な熱帯林(→)を通りワイハルル小屋(↓)を過ぎると岬全体がキウイの保護区域になっいる。やがて今夜の宿泊地・ワンガヌイに到着。昨夜と同様にテントを設営予定だったがここのテントサイトは小さく炊事場もないので小屋泊にした。
 後から来た英国女性はじめ数人が食事を取って出発。ここからタクシー・ポイントまで1時間弱で宿泊する人いないようだ。
 「時計が狂って時間が判らない」と時間を聴かれたが、タクシーの待合せ時間を間違えては大変だ。念の為に自分も時計をチェックした。


 
3月5日・雨 下山(ワンガヌイ小屋〜タクシーポイント)距離3Km・
           時間50分

      ・・水上タクシーとシャトルバスでワイロア・・定期バスでネイピア経由タウポYHA
 タイム:発(6:30)-タクシーポイント(7:20-8:00)-アニワニワDOC(8:40-9:00)ワイロアバス停(10:10-10:35)-ネイピア (13:00-10)-タウポ(15:35)-タウポYHA(15:50)
 1時間弱でタクシー・ポイントの表示板の岸辺に約束の30前に到着。相変わらずの本降りで濡れた衣服を着替えたいのだが雨宿りする屋根はなく、ひたすら水上タクシーを待つ。定刻になってガスの湖面にエンジンの音がして「ホッ」とする。
 桟橋代わりの岩場からモーターボートに乗り移り一路ビジターセンターの桟橋へ。センターで車に乗り換えて1時間で山を下りワイロアへ着いた。町まで下って来ると雨は止み、上部山間部はガスの中である。
 復路のバス乗り継ぎは良くて夕方にタウポへ戻った。タクシー待ちとモーターボートの冷風でスッカリ身体が冷えて風邪をぶり返したようだ。明日は1日休養して体調を整えよう。



 ***トンガリロ・ノーザン・サーキット***
 3月7日・晴(ファカパパDOCからマンガポポ小屋)距離9Km/登坂高100m・
        時間3時間

 タイム:タウポ発(6:15)-ファカパパ登山口(8:0-10)-マンガポポ小屋(11:00)
 日帰り・トンガリロ・コースのハイカー達十数名が大型バスでYHA(→)を5時45分出発した。
 1週間遅らせたので、天候も安定しているようだ。昨日、小屋の宿泊許可と入下山のシャトルバスの予約を済ませたので、今朝はファカパパで車を降りてトレイル起点に直行。今日は9km平坦路の足慣しでマンガポポ小屋まで進む。時間が早いせいかトレイルの前後に人影はない。良く整備されてトレイルに「さすが人気のコース」と感心して歩く。

 小屋近くで日帰りコースのトンガリロ・クロッシングと合流。小屋(→)も時間が早くスタッフが清掃中で宿泊者はいない。やがて、数名の女性がザイルや登攀用具を持って到着。聞けば「近くで岩登りのトレーニング」との事。「スポーツ教科の一環で研修中」とかで昼食後賑やかに下山して行った。
 夕方になって宿泊者が増えてほぼ満員になり、スタッフが許可書のチェックをして自分の棟に引き上げると、この国の山小屋も日本と同様ガヤガヤと賑やかである。
 当地は、午後8時まで明るいので夜が長く、その分朝はユックリで午前7時に明るくなる。一般に出発は8〜9時のようだ。
 夕方から、ナウルホエ山の全容が眺められ明日からの登行が楽しみになる。


 3月8日・曇後晴(マンガポポ小屋〜ケテイタイ小屋)距離13Km/登坂高800m・
          時間4時間20分

 タイム:小屋発(6:30)-ソーダ・スプリング(7:25)-レッド・クレータ(9:00)-ケテイタイ小屋(10:50)
         

 足元がようやく見える未明に出発。既に早での日帰りハイカーが数名ライトを灯して追い越して行く。きょうのコースは日帰りコーッスと重複しているので前後に人影が見える。1時間程緩やかな坂を進みソーダー・スプリングから急登りになる。1ピッチでナウルホエ山()への分岐点、更に強風に吹かれて1ピッチでトレイルの最高点・レッドクレーター(1820m)到着。
 ノーザン・サーキツトへの分岐点・エメラルド湖()から翌日登り返すが〜ケテイタイ小屋まで250m下降する。
 誰もいない小屋に着いて一番奥にスペースを確保。午後になると大勢の日帰りハイカーが疲れた足取りで小屋到着()。小屋からバス停まで更に2時間下りだが、上部の強風地帯を無事通過して皆安堵の顔をして小休止している。特に日頃歩いていないようなメタポのオバサンやオジサン達の満足な顔々が微笑ましい。
 それにしても、ソーダ・スプリングからここまでトイレが無いので小屋のトイレは長蛇の列である。


 3月9日・晴後曇(ケテイタイ小屋〜ワイホホヌ小屋)距離16Km/登坂高300m・
          時間6時間20分

 タイム:小屋発(6:40) )-エメラルド湖(7:45)-オトウレレ小屋(9:50-00)- ワイホホヌ小屋(13:00)
 昨夜から、右足踝付近に違和感があり、痛みが強くなった。捻挫痛でもなく疲労が原因とも思えない。兎も角、様子を見ながら下山まで2日間用心して歩こう。
 幸い、今日は1時間の登りだけで後は終点のワカパパDOCまで山腹をトラバースするので足への負担を最小限にして歩を進める。
 上部の稜線()は昨日同様に強風で煽られるが追風で助かる。
 途中のオトウレレ小屋で休憩。まだ出発準備中の数名が「早い人だ・・」と云った顔をして迎えてくれた。今日の区間は日帰り・クロッシングの裏コースで人気はないがそれでも数名の対向者と挨拶を交わす。彼等は風上に向かって進むので大変だろう。
 歩いていると足の痛みも和らぐが休むと歩き始めが痛むので出来るだけ休まず、一本橋の樹林帯を過ぎてワイホホヌ小屋(→)に到着。
 近くの沢へ行って足を冷やし養生すが、どうやら「痛風発症」のようだ。同じ症状が昨年夏のイギリス・ペナンウエイ時にもあったがその時は「靴ズレでスジの痛み」と思っていたが痛風だったようだ。
 悪化して左足まで発症しては、歩けないので出来るだけベッドで安静に努める。
 夕方10名程のパーテイーが到着、リーダーらしい女性が、空マットを調べ「此処空いていますネ」と我々の上の4ベット確認して「ハイ!5名使って・・」とテキパキ空スペースを割り振っていた。隣に来たオバサンに「どちらから?」聞くと「私はデンマークから他にオランダやドイツの人も居てヨーロッパで募集したツアー」とのこと、明日は下山して別の観光地へ行くらしい。
 夜間にトイレに出ると満天の星座に惚れ惚れと見とれる。


 
3月10日・晴 下山(ワイホホヌ小屋〜ファカパパDOC)距離15Km/登坂高300m・
            時間5時間20分

 タイム:小屋発(7:00)-タマサドル(10:00)-ファカパパDOC(12:10-14:30)-バスにてタウポ(15:50)
 今日は右手にナウルホエ山()を左手にルアペフ山()を眺めての素晴らしいコースである。適当にガスが山腹を覆い変化を付けている。  
 ファカパパからのハイキングコースになっていて数名の対向者と会う。
 痛風の足をかばいながら無事に終点のファカパパDOC(→)に到着「痛風も加わって充分に歩いた」満足感に浸りシャトルバスでタウポのYHAに戻った。
    


 3 あとがき と 所感
3−1 山岳部は3月になると天候が不安定になるようだから、1・2月が良い。
3−2 長期間の歩行では、何らかかの不具合に遭遇するが、悪化又は重複しない内に対処することが大切。特に今後は発生する頻度が増える傾向になるから、身体からの信号を早目にキャッチして進退を決めたい。
3−3 痛風の原因は、風邪気味の加えて小屋泊による睡眠不足でストレスの蓄積と思えた。
3−4 長期歩行の場合に4・5日ピッチ毎に休養日を入れて計画したが、予備日を疲労からだけでなく、天候等を考慮して初日に設ける。
 

  4 関連情報
 1)ワレイク・ワイカレモアナ・トラック
・ Lake Waikaremoana Motor Camp
     Email: misty@lake.co.nz  Web : www.lake.co.nz
・ Lake Waikaremoana Great Walk
     E-mail:whakakakvc@doc.govt.nz 
 ・Aniwaniwa Visitor Centre
     E-mail:urewerainfo@doc.govt.nz Web:www.doc.govt.nz
 ・Waikaremoana Guided Tours
     E-mail:noelhimona@xtra.co.nz   TEL: 06 837 3729 or 0800 492 879
 ・Big Bush Holiday Park
     E-mail:bigbush@paradise.net.nz  TEL: 06 837 3777 or 0800 525 392
・ ロトルア経由で湖まではシャトルバス往復$300

 ・Homebay Water Taxi & Cruises
     E-mail: misty@lake.co.nz   TEL: 06 837 3826
 ・Napier Backpackers Criterion Art Deco
     E-mail:backpack@ criterionartdeco.co.nz
     Web:www.criterionartdeco.co.nz
 ・ YHA Taupo
     E-mail:yhataupo@yha.co.nz  Web:www.yha.co.nz
 ・Hotbus Web:www.hotbus.co.nz
     Pick up free phon:0508-468-287

 ・YHA Napier
     E-mail:yhanapr@yha.org.nz  Web:www.yha.co.nz

 ・Map: Lake Waikaremoana Track 1/10,000 $1.0


 2)トンガリロ・ノーザン・サーキット
 ・Great Walks Booking Desk DOC .(Department of conservation)
     E-mail: greatwalksbooking@doc.govt.nz
 ・Taupo Visitor Centre
     E-mail: taupo@laketauponz.com   Web:www.laketauponz.com
 ・タウポYHAのコインロッカー利用可(日数に制限なく$1/回・小、$2/回・大)
 ・Map:Ruapehu & Tongariro 1/50.000
     Terra Link International $15.0
 <食料>、<装備>及び<費用>は別紙「憧れの北島17日間の旅」によります。            

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